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第3章 日本の魔物と符術士の権利
第32話 獣腕獲得
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手術が始まって、麻酔が効いて、俺の意識が途切れてからどれだけの時間が経っただろうか。
「交野さん、お疲れ様でした。手術は無事終了しましたよ」
「ん……」
女性看護師の声にうっすら目を開ければ、温かい色味の見慣れた天井と、カーテンが目に入る。どうやら既に、病室まで戻ってきていたらしい。
僅かに顔を傾ければ、こちらに微笑む看護師の顔が見えた。その向こうには明るい青空。時刻としては正午をいくらか過ぎたあたりらしい。
「どうですか、気分のほどは」
「まだ……ちょっと、ぼーっとするっす」
看護師からの問いかけに、俺は素直に答えた。
実際、頭にもやがかかったような、ぼんやりと空中に漂っているかのような感覚がある。起き上がろうにも、身体の隅まで力が行き届かない感じだ。右腕に関しては、そりゃそうだという感じだけど。
僅かに身じろぎするだけの俺に、看護師はうっすらと微笑みを返した。そのまま、俺の剥き出しの右腕にそっと手を添える。
「麻酔の影響が抜けきるまでは、少しぼんやりするかもしれないので、そのまま横になっていてください……無事、つきましたよ」
「あー……」
看護師に触れられて、ようやく俺は、それがそこにあることを認識した。
頭を傾けて視線を右側に持って行けば、そこには二の腕の半ばから指先までが、赤茶色の毛皮に覆われた腕があった。
これが、俺の身体に新しく接続されたウェアウルフ種の腕だ。腕を提供してくれたどこかのウェアウルフ、ありがとう。
「これが、俺の新しい腕……っすか」
「はい、外皮形成手術は、進捗三割といったところでしょうか。これから二日か三日をかけて、毛皮を剥がして人工皮膚に置き換えていきます」
俺の零した言葉に、看護師は頷きながら俺の腕の毛並みを梳かした。あと一日か二日したら、この毛皮も剥がされて人間の皮膚に置き換わる。今だけ味わえる感触だ。
獣人種の魔物の手は、基本的に人間と同じ構造をしている。人間と同じように手のひらには指球があり、指紋や手相がある。だから俺の腕は、外皮形成手術が終わったら元あった腕とほとんど変わらない見た目になるのだ。
しかし、そうだとしても。こうして見てみると、思っていたよりも――
「なんか……思っていたほど、違和感ないっすね」
「骨格が人間のそれと同一ですからね。見た目が毛深い以外は元の腕と大差ないかと」
そう、普通だ。もっとこう、魔物の腕がくっついているとなると、違和感のある見た目になるかと思ったのだけど。
俺の言葉に、看護師も苦笑しながら頷く。俺と同じように四肢置換法を経て新しい四肢を手に入れた患者も、きっと俺と同じようにそこまで違和感を抱かなかったのだろう。
実際、こうして見てみると、案外魔物の腕のままというのも、すんなり受け入れられるのかもしれない。外皮形成手術を行わない人の気持ちも、分かるような気がした。
看護師の指が、俺の右の手のひらに触れる。ウェアウルフのそれらしく、黒っぽい皮膚をした手のひらだが、神経が通っているから、これは俺の手だ。
「神経の接続も問題なく完了しています。分かりますか?」
「はい、触られてるって感じします」
再びの問いかけ。俺はすぐに感じた通りを話した。医療関係者からの問いかけに、嘘やごまかしはしちゃいけない。常から吾妻先生に言われていることだ。
俺の言葉を聞いて手元のバインダーにペンを走らせる看護師。ペンを置いた手が、今度は俺の手の甲に伸びる。そこに生えた獣毛を軽く引っ張れば、チクリとした痛みが俺の手に走った。
「痛みはどうですか?」
「ちゃんと痛いっす……すげー、くっついたばかりの腕なのに」
また感じるがままに答える俺は、素直に感動した。
手術を行ってから、まだ数時間も経っていないはずなのだ。それなのに、俺の身体はこの新しい腕を自分のものとして受け入れ、自分の体の一部として認識している。
現代医学、すごい。
自分の手を、瞳を輝かせて見つめる俺を見ながら、看護師は皮肉っぽく口角を持ち上げた。
「現代の日本医学の凄さ、少しは分かっていただけました?」
「もちろんっす……いや、あの、別に俺、疑ってたとかそういうのないんっすけど」
その物言いに、少しだけ戸惑う俺だ。なんか、この看護師に俺が医者をバカにしているみたいに言われてしまっている。
俺の返答に、小さく肩を竦める看護師が口を開いた。
「符術士の中には、回復護符や治療護符に傾倒するあまり、医療行為を軽視する方がいらっしゃいますからね。護符の開発と一緒に、医学も日々進歩しているというのに」
その言葉に、俺はぐっと言葉に詰まった。
実際、いないわけではないのだ。回復護符や治療護符があれば病気知らず、医者要らず、などと公言してはばからないような符術士は。
本当は、そんなことは決してない。護符であってもガンはまだ治せないし、内臓が損傷した場合も手が出せない。免疫系の疾患も同様に治療が出来ない。精神科の領域のような、脳みその中の領域なんてどだい無理だ。粉砕骨折や開放骨折など、外科や皮膚科の領域でも護符では治しきれないものは数多い。
だから、ビートアップのような治療系護符の工房が病院と並行して存在し、互いに技術を提供し合っているのだ。
「なるほど……そうっすよね」
「そうです。私達も日々すごいとは思っているんですよ。絆創膏貼るより、回復護符一枚当てた方が治りが早いのは事実ですもの」
項垂れる俺に、看護師が頷きながら俺の右腕を撫でる。二の腕の皮膚が見えているところは、まるで毛皮を剥がして皮膚を張り付けて縫合したことが嘘であるかのように、傷一つない。これも、治療系護符があってこそだ。
「そうっすよね……今、回復系の護符もいろいろ出来てて、肉体のひどい損傷やガンじゃなきゃ、医学との連携で治せちゃいますもんね」
「そうなんですよ、おかげで循環器科や消化器科が商売あがったりです」
看護師の軽口に、俺も思わず笑みが漏れる。確かに治療系護符の発達で、医者の数は年々減っていると言われる。専門知識をそこまで必要としなくなり、商売にならなくなっているからだ。
それでも、まだまだ医者が必要な分野は数々ある。無くなってもらうわけにはいかないのであり。
と、そこで笑った拍子にか。俺の右手の指がピクリと動いた。それを認めた看護師が目を見張る。
「あら、もう指が動く。交野さん接続早いですね」
「あれ……ほんとだ。普通、もっとかかりますよね?」
看護師の言葉に驚きを露わにしながら、俺も自分の右手を見つめた。
改めて、自分の右手を動かそうとしてみる。人差し指を、持ち上げようと意識すれば、確かにその指が、僅かに持ち上がった。
予想以上の速さだ。事前の説明では、動かせるようになるとしても早くて今夜だと言っていたのに。今はまだ昼過ぎである。
「そうですね。もしかしたら、交野さんがグレード4キャリアだから、ということもあるかもしれませんが……まだまだ分からないことも多い分野ですしね」
眉根を寄せながら、看護師はため息をついた。
確かに四肢置換法は新しい技術だ。症例も増えているとはいえ、グレード4キャリアでこれを受けたのは、俺が初めてだろう。
と、急に看護師が悪戯っぽい笑みを浮かべてきた。俺の右腕の毛皮部分を再び撫でながら、楽しそうに言ってくる。
「交野さん、これだけ早く接続するならいっそ、両腕とも魔物のそれに変えちゃいます? 脚も変えちゃうとか。今より強くなれるかもしれませんよ」
「えっ、い、いやいやいや!? さすがにそれは倫理上どうかと思うっす!?」
その言葉に、ベッドの上で思わずのけぞる俺だ。
いくらなんでも、健康で損傷の無い他の四肢まで魔物のそれに置き換えるだなんて、倫理的にまずい。というか符術士を続けるにあたって、外聞がよろしくない。ファッションタトゥーじゃないんだから。
のけぞる拍子に再び僅かに持ち上がる俺の腕。それを見て、看護師はまた笑みを零すのだった。
「交野さん、お疲れ様でした。手術は無事終了しましたよ」
「ん……」
女性看護師の声にうっすら目を開ければ、温かい色味の見慣れた天井と、カーテンが目に入る。どうやら既に、病室まで戻ってきていたらしい。
僅かに顔を傾ければ、こちらに微笑む看護師の顔が見えた。その向こうには明るい青空。時刻としては正午をいくらか過ぎたあたりらしい。
「どうですか、気分のほどは」
「まだ……ちょっと、ぼーっとするっす」
看護師からの問いかけに、俺は素直に答えた。
実際、頭にもやがかかったような、ぼんやりと空中に漂っているかのような感覚がある。起き上がろうにも、身体の隅まで力が行き届かない感じだ。右腕に関しては、そりゃそうだという感じだけど。
僅かに身じろぎするだけの俺に、看護師はうっすらと微笑みを返した。そのまま、俺の剥き出しの右腕にそっと手を添える。
「麻酔の影響が抜けきるまでは、少しぼんやりするかもしれないので、そのまま横になっていてください……無事、つきましたよ」
「あー……」
看護師に触れられて、ようやく俺は、それがそこにあることを認識した。
頭を傾けて視線を右側に持って行けば、そこには二の腕の半ばから指先までが、赤茶色の毛皮に覆われた腕があった。
これが、俺の身体に新しく接続されたウェアウルフ種の腕だ。腕を提供してくれたどこかのウェアウルフ、ありがとう。
「これが、俺の新しい腕……っすか」
「はい、外皮形成手術は、進捗三割といったところでしょうか。これから二日か三日をかけて、毛皮を剥がして人工皮膚に置き換えていきます」
俺の零した言葉に、看護師は頷きながら俺の腕の毛並みを梳かした。あと一日か二日したら、この毛皮も剥がされて人間の皮膚に置き換わる。今だけ味わえる感触だ。
獣人種の魔物の手は、基本的に人間と同じ構造をしている。人間と同じように手のひらには指球があり、指紋や手相がある。だから俺の腕は、外皮形成手術が終わったら元あった腕とほとんど変わらない見た目になるのだ。
しかし、そうだとしても。こうして見てみると、思っていたよりも――
「なんか……思っていたほど、違和感ないっすね」
「骨格が人間のそれと同一ですからね。見た目が毛深い以外は元の腕と大差ないかと」
そう、普通だ。もっとこう、魔物の腕がくっついているとなると、違和感のある見た目になるかと思ったのだけど。
俺の言葉に、看護師も苦笑しながら頷く。俺と同じように四肢置換法を経て新しい四肢を手に入れた患者も、きっと俺と同じようにそこまで違和感を抱かなかったのだろう。
実際、こうして見てみると、案外魔物の腕のままというのも、すんなり受け入れられるのかもしれない。外皮形成手術を行わない人の気持ちも、分かるような気がした。
看護師の指が、俺の右の手のひらに触れる。ウェアウルフのそれらしく、黒っぽい皮膚をした手のひらだが、神経が通っているから、これは俺の手だ。
「神経の接続も問題なく完了しています。分かりますか?」
「はい、触られてるって感じします」
再びの問いかけ。俺はすぐに感じた通りを話した。医療関係者からの問いかけに、嘘やごまかしはしちゃいけない。常から吾妻先生に言われていることだ。
俺の言葉を聞いて手元のバインダーにペンを走らせる看護師。ペンを置いた手が、今度は俺の手の甲に伸びる。そこに生えた獣毛を軽く引っ張れば、チクリとした痛みが俺の手に走った。
「痛みはどうですか?」
「ちゃんと痛いっす……すげー、くっついたばかりの腕なのに」
また感じるがままに答える俺は、素直に感動した。
手術を行ってから、まだ数時間も経っていないはずなのだ。それなのに、俺の身体はこの新しい腕を自分のものとして受け入れ、自分の体の一部として認識している。
現代医学、すごい。
自分の手を、瞳を輝かせて見つめる俺を見ながら、看護師は皮肉っぽく口角を持ち上げた。
「現代の日本医学の凄さ、少しは分かっていただけました?」
「もちろんっす……いや、あの、別に俺、疑ってたとかそういうのないんっすけど」
その物言いに、少しだけ戸惑う俺だ。なんか、この看護師に俺が医者をバカにしているみたいに言われてしまっている。
俺の返答に、小さく肩を竦める看護師が口を開いた。
「符術士の中には、回復護符や治療護符に傾倒するあまり、医療行為を軽視する方がいらっしゃいますからね。護符の開発と一緒に、医学も日々進歩しているというのに」
その言葉に、俺はぐっと言葉に詰まった。
実際、いないわけではないのだ。回復護符や治療護符があれば病気知らず、医者要らず、などと公言してはばからないような符術士は。
本当は、そんなことは決してない。護符であってもガンはまだ治せないし、内臓が損傷した場合も手が出せない。免疫系の疾患も同様に治療が出来ない。精神科の領域のような、脳みその中の領域なんてどだい無理だ。粉砕骨折や開放骨折など、外科や皮膚科の領域でも護符では治しきれないものは数多い。
だから、ビートアップのような治療系護符の工房が病院と並行して存在し、互いに技術を提供し合っているのだ。
「なるほど……そうっすよね」
「そうです。私達も日々すごいとは思っているんですよ。絆創膏貼るより、回復護符一枚当てた方が治りが早いのは事実ですもの」
項垂れる俺に、看護師が頷きながら俺の右腕を撫でる。二の腕の皮膚が見えているところは、まるで毛皮を剥がして皮膚を張り付けて縫合したことが嘘であるかのように、傷一つない。これも、治療系護符があってこそだ。
「そうっすよね……今、回復系の護符もいろいろ出来てて、肉体のひどい損傷やガンじゃなきゃ、医学との連携で治せちゃいますもんね」
「そうなんですよ、おかげで循環器科や消化器科が商売あがったりです」
看護師の軽口に、俺も思わず笑みが漏れる。確かに治療系護符の発達で、医者の数は年々減っていると言われる。専門知識をそこまで必要としなくなり、商売にならなくなっているからだ。
それでも、まだまだ医者が必要な分野は数々ある。無くなってもらうわけにはいかないのであり。
と、そこで笑った拍子にか。俺の右手の指がピクリと動いた。それを認めた看護師が目を見張る。
「あら、もう指が動く。交野さん接続早いですね」
「あれ……ほんとだ。普通、もっとかかりますよね?」
看護師の言葉に驚きを露わにしながら、俺も自分の右手を見つめた。
改めて、自分の右手を動かそうとしてみる。人差し指を、持ち上げようと意識すれば、確かにその指が、僅かに持ち上がった。
予想以上の速さだ。事前の説明では、動かせるようになるとしても早くて今夜だと言っていたのに。今はまだ昼過ぎである。
「そうですね。もしかしたら、交野さんがグレード4キャリアだから、ということもあるかもしれませんが……まだまだ分からないことも多い分野ですしね」
眉根を寄せながら、看護師はため息をついた。
確かに四肢置換法は新しい技術だ。症例も増えているとはいえ、グレード4キャリアでこれを受けたのは、俺が初めてだろう。
と、急に看護師が悪戯っぽい笑みを浮かべてきた。俺の右腕の毛皮部分を再び撫でながら、楽しそうに言ってくる。
「交野さん、これだけ早く接続するならいっそ、両腕とも魔物のそれに変えちゃいます? 脚も変えちゃうとか。今より強くなれるかもしれませんよ」
「えっ、い、いやいやいや!? さすがにそれは倫理上どうかと思うっす!?」
その言葉に、ベッドの上で思わずのけぞる俺だ。
いくらなんでも、健康で損傷の無い他の四肢まで魔物のそれに置き換えるだなんて、倫理的にまずい。というか符術士を続けるにあたって、外聞がよろしくない。ファッションタトゥーじゃないんだから。
のけぞる拍子に再び僅かに持ち上がる俺の腕。それを見て、看護師はまた笑みを零すのだった。
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