4 / 27
第3話 湯浴みしつつの決意
しおりを挟む
私が案内されたのは、バックヤードのあるエリアのさらに奥、シャワーブースみたいになっている小部屋だった。人一人が入れるくらいのスペースにすのこが敷かれていて、天井付近には大きな木製の桶がある。床を見るに、どうやらすのこの下は網が敷いてあって水が流れるようになっているらしい。
「ここが湯浴み場です。頭上から紐が下がっているのが分かりますか? これを引くと、頭上の桶に溜まったお湯が落ちてきます」
そう言いながらベッキーさんが、桶に繋がっている紐を手に持つ。
地球の温浴施設でもたまに見かけることがある、桶シャワーというやつだ。なるほど、これなら確かに水道技術が発達していない世界でも使える。
ちなみにベッキーさんに聞いたところ、「アーマンド」という世界は水道設備がどこもそれなりに発達していて、蒸気ボイラーを通してお湯を配水することも出来るそうな。ありがたい。
「なるほど……せっけんとかは、どこ?」
お湯が使えることに安堵の息を吐きながら、私は小部屋の中を覗き込む。ボディーソープやシャンプーなんてのは高望みだって分かっているけど、せっけんくらいは使いたい。
果たして、私の顔の横をベッキーさんの褐色がかった腕が通り過ぎていく。指が示すのは、小部屋の奥だ。
「せっけんは湯浴み場の奥の、壁に空いた穴の奥に入っています。粉末せっけんなので、適量取って髪や身体に使ってください」
「あ、あるんだ。よかった」
これまたありがたい。せっけんが無かったらデズモンドのオッサンに身体を洗ってこいなんて、強いことが言えなくなるところだった。
安心した私が笑顔を見せると、ベッキーさんが首を傾げつつ苦笑を零す。
「はい……ただ、特有のにおいとか、洗った後のギシギシする感触を嫌がる方もいて……リーザも、せっけんで髪を洗うのは、あまり好きではなかったです」
「まあね、せっけんじゃあね」
その言葉に私も、思わず苦笑を零していた。そりゃそうだ、せっけんで髪を洗ったらギシギシしてしまう。
ベッキーさんによると髪の保湿用の油があるそうで、女性は洗髪した後にそれを髪になじませるんだそうだ。これも好みが分かれるそうで、パサついた髪のまま、という女性も世の中にはいるらしい。
ともあれ、身に付けていた服を脱ぎ、下着も脱いで小部屋に入る。まずは桶の紐を引いて、お湯をひと被り。それからせっけんをいくらか手に取って、泡立ててから髪の毛を洗い始める。
リーザの髪の毛は油っぽいのもあったが、ところどころ枝毛やからまりがあった。そんなに熱心に髪の手入れをしていなかったのだろう。
せっけんで髪を洗いながら、私はふと部屋の外にいるベッキーさんに声をかける。
「ベッキーさんはさ」
「はい?」
「女中のお仕事、好き?」
私からの、突然の問いかけ。我ながら聞きにくいことを聞いているな、とは思う。
しかし意外にも、ベッキーさんはすぐに答えを返してきた。
「はい。誇りを持って携わっています」
「ああいう、下卑たオッサンに自分の身体を好きにされても?」
デズモンドのおっさんの汚らしい顔を思い出しながら、さらに問いかける。すると小さな笑い声の後、ベッキーさんの朗らかな声が聞こえてきた。
「はい。だって、どんな御貴族様も、どんな大商人様も、私達の裸体の前ではただの男に戻るんですよ。その姿を見るのが、私は気持ちよくて」
「へー……」
その言葉に、髪を洗う手を止める私だ。
強かだ。権威に怖気づいていないところはすごい。そして、自分の女性性を、明確に武器にしているのが分かる。
そういう心持なら、確かに女中として性を売るのも悪く思わないのだろう。
もう一度桶の紐を引くと、満杯まで溜まっていたお湯が、再び私の頭の上から降ってくる。
今度は体を洗うべく、またせっけん粉末を取りながら、私はさらに質問を重ねた。
「でもさ、嫌じゃない? 汚い口で自分の身体を吸われたり、舐められたり」
私の言葉を聞いたベッキーさんが、再び返事を部屋の外から返してくる。その口調には迷いや困惑はない。
「もちろん、嫌ですよ。なのでそういうことする前に、うちの店では歯磨きをするように徹底させているんです」
「あ、ちゃんとやってるんだ。ふーん……」
曰く、獣の毛を使った歯ブラシが世界中に広く流通しているらしい。男性は酒場に来る前は歯ブラシで歯を磨くのがマナー、とされているそうで、そうなるとデズモンドのオッサンのあの臭い口は、マナー違反にもなりそうだ。
念入りに、時間をかけて自分の体を洗う私に、今度はベッキーさんから質問が飛んでくる。
「リセさんは、嫌ですか? そういう、その、男性との行為は」
「まあねー、好き好んでやりたくないな、とは。そういうのをあんまり良しとしない世界で育ったし……」
若干言葉を濁しながら、私は答える。正直、あそこまで女性であることを武器にする人相手に、そういう行為に嫌悪感を持ちやすい世界出身であることを話すのは、ちょっと気が引ける。
とはいえ、私はそういう世界で育ってきたわけだし、彼女はこういう世界で育ってきたのだ。言ってもしょうがない。
全身を泡立てたせっけんで洗って、三度目のお湯。ざばーっと全身を洗い流して、ようやく私は後ろを振り返った。
「ふー、さっぱりした」
「お疲れ様です。身体を拭くタオルは、これを使ってください」
すっかり身ぎれいになった私に微笑みながら、ベッキーさんがタオルを差し出してきた。少しゴワゴワしているが、身体を拭くには十分だ。
水気を落として、再び服を着て、タオルを洗濯物入れに放り込んで私はバックヤードに戻る。そこでは先程同様、タニアさんが一人でくつろいでいた。
「あら、おかえりなさい」
「ただいま戻りました」
ベッキーさんが一礼しながら入るのに合わせて、私も一緒に頭を下げる。その私の顔と、髪の毛を見ながら、タニアさんのちょっと膨らみのある猫っぽい口元が、笑みを作った。
「いいわね、さっきよりも随分スッキリした顔をしている……リセ、答えは出たかしら」
「はい」
彼女の問いかけに、私はきっぱりと答える。さっきのベッキーさんとの会話で、私の心も既に決まっていた。
背筋を伸ばして、宣言する。
「タニアさん、私、女中の仕事続けます。あ、続けるってのも、なんか変な感じしますけど」
「あら、いいの?」
その返答に、タニアさんが目を見開く。やはりというか、意外だったらしい。
まぁそうだろう、この世界の常識に馴染みが無いまま、そういう仕事を続けよう、と私は言っているのだ。
しかし私は、覚悟を以て頷く。
「この世界がそういう風に出来てるってんならしょうがないです。別に私の貞操なんて今更気にしてもしょうがないし、それが仕事だってんなら従います」
あっけらかんに、きっぱりと。私は自らの貞淑を差し出す決意を述べた。
正直、このリーゼの身体が元より貞淑より程遠いのだし。今更処女だの純潔だのと言っていられない。仕事なら割り切ることもできる。
できるけれど。私にはどうしても、一つだけ、割り切ることのできないことがあった。
「ただですね、一つ……本当に一つだけ、どうしても許せないことがあって」
「何かしら? 言ってちょうだい」
私の物言いに、口元を緩めながらタニアさんが返す。その柔らかい口調に安心しながら、私は口を開いた。
「ベッキーさんから話を聞く限り、リーゼはあのデズモンドとかいうオッサンに酔い潰されたんですよね? めちゃくちゃ酒を飲まされて」
「そうね。エールにワインに……確かデズモンドさんお気に入りのラムも。全部で七杯は飲んで……いえ、飲まされていたわね」
「それです!!」
タニアさんの言葉に被せるように、私は大声を発した。
そう、一番の問題はそこだ。リーゼはデズモンドのオッサンに酔い潰された。その上で手を付けられそうになった。
それは、良くない。いくら女中の仕事にそういうことも入っているとはいえ、良くない。
セクハラは、仕事のうちに入ると言える。しかしアルハラは、確実に仕事とは関係ないのだ。
「女の子に手を付けることはこの際しょうがないんでいいんですけど、しこたま酒を飲ませて酔い潰してから手を付けるのだけは我慢できません! ルール違反です! 犯罪です!」
「あぁー」
「なるほど」
私の叫びに、タニアさんもベッキーさんも納得したように声を発する。
よし、言いたいことは伝わった。安堵する私の目の前で、タニアさんが難しい顔をしてみせる。
「そうだわ、そうだわ。それは確かに酒場のモラルに悖るやり方ね」
「そういえばデズモンドさん、酔い潰れてカウンターで寝てるリーザに、顔を近づけて何かやってませんでしたっけ?」
ベッキーさんもタニアさんに同調するように声を上げた。そんなことをやっていたのか、あの汚いオッサン。これはどう見てもギルティである。
「分かったわ、リセ。貴女の希望に適うように取り計らう……そしてありがとう、貴女が言ってくれなかったら、この酒場は犯罪の温床になっていたかもしれないわ」
「いえ、当たり前のことですから」
私に微笑みかけて愛想を崩すタニアさんに、私は小さく首を振った。
これは当たり前のことだ。当たり前のことにしていかなければならないのだ。
即座にバックヤードの空気がピリリと張り詰める。鋭い目をしたタニアさんが、ベッキーさんに視線を投げた。
「ベッキー、デズモンドさんを別室にお通しして。私が話をつけるわ」
「分かりました」
彼女の言葉を受けて、ベッキーさんが足早にバックヤードを出ていく。
なんとなく、大きな動きが起こるような気がして。私は薄っすらと、心が沸き立つのを感じたのだった。
「ここが湯浴み場です。頭上から紐が下がっているのが分かりますか? これを引くと、頭上の桶に溜まったお湯が落ちてきます」
そう言いながらベッキーさんが、桶に繋がっている紐を手に持つ。
地球の温浴施設でもたまに見かけることがある、桶シャワーというやつだ。なるほど、これなら確かに水道技術が発達していない世界でも使える。
ちなみにベッキーさんに聞いたところ、「アーマンド」という世界は水道設備がどこもそれなりに発達していて、蒸気ボイラーを通してお湯を配水することも出来るそうな。ありがたい。
「なるほど……せっけんとかは、どこ?」
お湯が使えることに安堵の息を吐きながら、私は小部屋の中を覗き込む。ボディーソープやシャンプーなんてのは高望みだって分かっているけど、せっけんくらいは使いたい。
果たして、私の顔の横をベッキーさんの褐色がかった腕が通り過ぎていく。指が示すのは、小部屋の奥だ。
「せっけんは湯浴み場の奥の、壁に空いた穴の奥に入っています。粉末せっけんなので、適量取って髪や身体に使ってください」
「あ、あるんだ。よかった」
これまたありがたい。せっけんが無かったらデズモンドのオッサンに身体を洗ってこいなんて、強いことが言えなくなるところだった。
安心した私が笑顔を見せると、ベッキーさんが首を傾げつつ苦笑を零す。
「はい……ただ、特有のにおいとか、洗った後のギシギシする感触を嫌がる方もいて……リーザも、せっけんで髪を洗うのは、あまり好きではなかったです」
「まあね、せっけんじゃあね」
その言葉に私も、思わず苦笑を零していた。そりゃそうだ、せっけんで髪を洗ったらギシギシしてしまう。
ベッキーさんによると髪の保湿用の油があるそうで、女性は洗髪した後にそれを髪になじませるんだそうだ。これも好みが分かれるそうで、パサついた髪のまま、という女性も世の中にはいるらしい。
ともあれ、身に付けていた服を脱ぎ、下着も脱いで小部屋に入る。まずは桶の紐を引いて、お湯をひと被り。それからせっけんをいくらか手に取って、泡立ててから髪の毛を洗い始める。
リーザの髪の毛は油っぽいのもあったが、ところどころ枝毛やからまりがあった。そんなに熱心に髪の手入れをしていなかったのだろう。
せっけんで髪を洗いながら、私はふと部屋の外にいるベッキーさんに声をかける。
「ベッキーさんはさ」
「はい?」
「女中のお仕事、好き?」
私からの、突然の問いかけ。我ながら聞きにくいことを聞いているな、とは思う。
しかし意外にも、ベッキーさんはすぐに答えを返してきた。
「はい。誇りを持って携わっています」
「ああいう、下卑たオッサンに自分の身体を好きにされても?」
デズモンドのおっさんの汚らしい顔を思い出しながら、さらに問いかける。すると小さな笑い声の後、ベッキーさんの朗らかな声が聞こえてきた。
「はい。だって、どんな御貴族様も、どんな大商人様も、私達の裸体の前ではただの男に戻るんですよ。その姿を見るのが、私は気持ちよくて」
「へー……」
その言葉に、髪を洗う手を止める私だ。
強かだ。権威に怖気づいていないところはすごい。そして、自分の女性性を、明確に武器にしているのが分かる。
そういう心持なら、確かに女中として性を売るのも悪く思わないのだろう。
もう一度桶の紐を引くと、満杯まで溜まっていたお湯が、再び私の頭の上から降ってくる。
今度は体を洗うべく、またせっけん粉末を取りながら、私はさらに質問を重ねた。
「でもさ、嫌じゃない? 汚い口で自分の身体を吸われたり、舐められたり」
私の言葉を聞いたベッキーさんが、再び返事を部屋の外から返してくる。その口調には迷いや困惑はない。
「もちろん、嫌ですよ。なのでそういうことする前に、うちの店では歯磨きをするように徹底させているんです」
「あ、ちゃんとやってるんだ。ふーん……」
曰く、獣の毛を使った歯ブラシが世界中に広く流通しているらしい。男性は酒場に来る前は歯ブラシで歯を磨くのがマナー、とされているそうで、そうなるとデズモンドのオッサンのあの臭い口は、マナー違反にもなりそうだ。
念入りに、時間をかけて自分の体を洗う私に、今度はベッキーさんから質問が飛んでくる。
「リセさんは、嫌ですか? そういう、その、男性との行為は」
「まあねー、好き好んでやりたくないな、とは。そういうのをあんまり良しとしない世界で育ったし……」
若干言葉を濁しながら、私は答える。正直、あそこまで女性であることを武器にする人相手に、そういう行為に嫌悪感を持ちやすい世界出身であることを話すのは、ちょっと気が引ける。
とはいえ、私はそういう世界で育ってきたわけだし、彼女はこういう世界で育ってきたのだ。言ってもしょうがない。
全身を泡立てたせっけんで洗って、三度目のお湯。ざばーっと全身を洗い流して、ようやく私は後ろを振り返った。
「ふー、さっぱりした」
「お疲れ様です。身体を拭くタオルは、これを使ってください」
すっかり身ぎれいになった私に微笑みながら、ベッキーさんがタオルを差し出してきた。少しゴワゴワしているが、身体を拭くには十分だ。
水気を落として、再び服を着て、タオルを洗濯物入れに放り込んで私はバックヤードに戻る。そこでは先程同様、タニアさんが一人でくつろいでいた。
「あら、おかえりなさい」
「ただいま戻りました」
ベッキーさんが一礼しながら入るのに合わせて、私も一緒に頭を下げる。その私の顔と、髪の毛を見ながら、タニアさんのちょっと膨らみのある猫っぽい口元が、笑みを作った。
「いいわね、さっきよりも随分スッキリした顔をしている……リセ、答えは出たかしら」
「はい」
彼女の問いかけに、私はきっぱりと答える。さっきのベッキーさんとの会話で、私の心も既に決まっていた。
背筋を伸ばして、宣言する。
「タニアさん、私、女中の仕事続けます。あ、続けるってのも、なんか変な感じしますけど」
「あら、いいの?」
その返答に、タニアさんが目を見開く。やはりというか、意外だったらしい。
まぁそうだろう、この世界の常識に馴染みが無いまま、そういう仕事を続けよう、と私は言っているのだ。
しかし私は、覚悟を以て頷く。
「この世界がそういう風に出来てるってんならしょうがないです。別に私の貞操なんて今更気にしてもしょうがないし、それが仕事だってんなら従います」
あっけらかんに、きっぱりと。私は自らの貞淑を差し出す決意を述べた。
正直、このリーゼの身体が元より貞淑より程遠いのだし。今更処女だの純潔だのと言っていられない。仕事なら割り切ることもできる。
できるけれど。私にはどうしても、一つだけ、割り切ることのできないことがあった。
「ただですね、一つ……本当に一つだけ、どうしても許せないことがあって」
「何かしら? 言ってちょうだい」
私の物言いに、口元を緩めながらタニアさんが返す。その柔らかい口調に安心しながら、私は口を開いた。
「ベッキーさんから話を聞く限り、リーゼはあのデズモンドとかいうオッサンに酔い潰されたんですよね? めちゃくちゃ酒を飲まされて」
「そうね。エールにワインに……確かデズモンドさんお気に入りのラムも。全部で七杯は飲んで……いえ、飲まされていたわね」
「それです!!」
タニアさんの言葉に被せるように、私は大声を発した。
そう、一番の問題はそこだ。リーゼはデズモンドのオッサンに酔い潰された。その上で手を付けられそうになった。
それは、良くない。いくら女中の仕事にそういうことも入っているとはいえ、良くない。
セクハラは、仕事のうちに入ると言える。しかしアルハラは、確実に仕事とは関係ないのだ。
「女の子に手を付けることはこの際しょうがないんでいいんですけど、しこたま酒を飲ませて酔い潰してから手を付けるのだけは我慢できません! ルール違反です! 犯罪です!」
「あぁー」
「なるほど」
私の叫びに、タニアさんもベッキーさんも納得したように声を発する。
よし、言いたいことは伝わった。安堵する私の目の前で、タニアさんが難しい顔をしてみせる。
「そうだわ、そうだわ。それは確かに酒場のモラルに悖るやり方ね」
「そういえばデズモンドさん、酔い潰れてカウンターで寝てるリーザに、顔を近づけて何かやってませんでしたっけ?」
ベッキーさんもタニアさんに同調するように声を上げた。そんなことをやっていたのか、あの汚いオッサン。これはどう見てもギルティである。
「分かったわ、リセ。貴女の希望に適うように取り計らう……そしてありがとう、貴女が言ってくれなかったら、この酒場は犯罪の温床になっていたかもしれないわ」
「いえ、当たり前のことですから」
私に微笑みかけて愛想を崩すタニアさんに、私は小さく首を振った。
これは当たり前のことだ。当たり前のことにしていかなければならないのだ。
即座にバックヤードの空気がピリリと張り詰める。鋭い目をしたタニアさんが、ベッキーさんに視線を投げた。
「ベッキー、デズモンドさんを別室にお通しして。私が話をつけるわ」
「分かりました」
彼女の言葉を受けて、ベッキーさんが足早にバックヤードを出ていく。
なんとなく、大きな動きが起こるような気がして。私は薄っすらと、心が沸き立つのを感じたのだった。
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説
2回目の人生は異世界で
黒ハット
ファンタジー
増田信也は初めてのデートの待ち合わせ場所に行く途中ペットの子犬を抱いて横断歩道を信号が青で渡っていた時に大型トラックが暴走して来てトラックに跳ね飛ばされて内臓が破裂して即死したはずだが、気が付くとそこは見知らぬ異世界の遺跡の中で、何故かペットの柴犬と異世界に生き返った。2日目の人生は異世界で生きる事になった

薬華異堂薬局のお仕事は異世界にもあったのだ
柚木 潤
ファンタジー
実家の薬華異堂薬局に戻った薬剤師の舞は、亡くなった祖父から譲り受けた鍵で開けた扉の中に、不思議な漢方薬の調合が書かれた、古びた本を見つけた。
そして、異世界から助けを求める手紙が届き、舞はその異世界に転移する。
舞は不思議な薬を作り、それは魔人や魔獣にも対抗できる薬であったのだ。
そんな中、魔人の王から舞を見るなり、懐かしい人を思い出させると。
500年前にも、この異世界に転移していた女性がいたと言うのだ。
それは舞と関係のある人物であった。
その後、一部の魔人の襲撃にあうが、舞や魔人の王ブラック達の力で危機を乗り越え、人間と魔人の世界に平和が訪れた。
しかし、500年前に転移していたハナという女性が大事にしていた森がアブナイと手紙が届き、舞は再度転移する。
そして、黒い影に侵食されていた森を舞の薬や魔人達の力で復活させる事が出来たのだ。
ところが、舞が自分の世界に帰ろうとした時、黒い翼を持つ人物に遭遇し、舞に自分の世界に来てほしいと懇願する。
そこには原因不明の病の女性がいて、舞の薬で異物を分離するのだ。
そして、舞を探しに来たブラック達魔人により、昔に転移した一人の魔人を見つけるのだが、その事を隠して黒翼人として生活していたのだ。
その理由や女性の病の原因をつきとめる事が出来たのだが悲しい結果となったのだ。
戻った舞はいつもの日常を取り戻していたが、秘密の扉の中の物が燃えて灰と化したのだ。
舞はまた異世界への転移を考えるが、魔法陣は動かなかったのだ。
何とか舞は転移出来たが、その世界ではドラゴンが復活しようとしていたのだ。
舞は命懸けでドラゴンの良心を目覚めさせる事が出来、世界は火の海になる事は無かったのだ。
そんな時黒翼国の王子が、暗い森にある遺跡を見つけたのだ。
*第1章 洞窟出現編 第2章 森再生編 第3章 翼国編
第4章 火山のドラゴン編 が終了しました。
第5章 闇の遺跡編に続きます。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり

異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
ヤノフスキーの夜鷹は町を飛ぶ
八百十三
ファンタジー
寒冷地帯ばかりが広がり、獣人が覇権を握る世界。北方のルージア連邦中部、アニシン領領都、ヤノフスキー市。
政府公認であらゆる仕事をこなす「エージェント」と、エージェントに仕事の情報を提供する「情報屋」が多く集まるこの町には、「ヤノフスキーの夜鷹」と呼ばれる凄腕の情報屋がいることで知られていた。
集める情報には万に一つの嘘もなく、どんな小さな情報でも裏では大きな案件に繋がり、市内の隅々にまで目が届くと噂される情報屋は、決まってヤノフスキー市内の酒場を仕事場にしている。
その情報屋であり、表向きは酒や酒場についての紹介記事を書くエッセイストであるルスラーン・ナザロフは、毎夜市内を渡り歩きながら、静かに酒を飲み、自分の隣に座ったエージェントと情報のやり取りをしていた。
時には賑やかに、時には粛々と。時にはエッセイストの顔で、時には情報屋の顔で。朝の市場で、夜の酒場で。
これは、混沌と腐敗が蔓延る世界で、その腐敗を断罪するエージェントを裏から支える、一人の男の話である。
※カクヨム様、ノベルアップ+様、エブリスタ様にも投稿しております。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894684067
https://novelup.plus/story/554582217
https://estar.jp/novels/25627816
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する
美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」
御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。
ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。
✳︎不定期更新です。
21/12/17 1巻発売!
22/05/25 2巻発売!
コミカライズ決定!
20/11/19 HOTランキング1位
ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる