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本編~2ヶ月目~
第25話~世界の重なり~
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~新宿・歌舞伎町~
~新宿区役所3階・転移課 情報集積室~
マルチェッロに連れられて、僕達5人は新宿区役所3階、転移課に再び足を踏み入れた。
先程、僕達の世界に繋がる穴について説明を受けた、コンピューターが所狭しと並ぶ情報集積室に、である。
先程捕えた一角兎の檻を床に置いて、マルチェッロはふっと息を吐いた。
「さて……カマンサックさんに確認するのでもいいのですが、お仲間に確認した方が確実でしょうね。
先程カマンサックさんが発動された石を飛ばす魔法、あれは皆さんの世界で運用されているもの、ということで、よろしいのですね?」
マルチェッロの口調こそいつも通りだが、その瞳には一切の柔らかさが無い。真剣な眼差しで僕達を見つめている。
その視線に居心地の悪さを覚えつつ、口を開いたのはパスティータだった。
「……そうだよ。
大地魔法第一位階、石塊。大地にまつわる攻撃魔法で、一番シンプルな奴。
マウロがさっき使ったのはそれだよ」
パスティータの言葉を受けて、僕は無言のまま頷いた。
大地魔法第一位階、石塊。大地の砂や小石を固めて石を形成し、目標に向けて射出する魔法。大地魔法の基礎ともいえる、至極シンプルな魔法だ。
位階の低い魔法は詠唱が短く済むこともあり、レベルの高い魔法使いも緊急時に使用することが多い。相応以上の力を持つ魔法使いが唱えれば、猛獣も昏倒させられるくらいの威力を持つ。
先程の僕も、半ば無意識のうちに、かつての世界での習慣に基づいて魔法の詠唱文句を唱えていた。
本来ならば、ただの戯言で終わった話だが、現実一角兎は石に打たれて昏倒している。
パスティータと僕の反応を見て、マルチェッロはあからさまに頭を抱えた。
「うーん、そうですかー……
いや、ある程度の予測といいますか、推測は出来ていた事態ではあるんですけれど、こうして目の当たりにしますとねぇ……」
「……推測は、出来ていた、んですか?」
マルチェッロの言葉を反芻するように、僕は問いかけた。
神妙な面持ちで、マルチェッロは頷いてみせる。
「先程の一角兎、アルミラージでしたか、あれが出現した穴は、つい先程まで新宿区役所近傍、サブナードへの入り口付近で開いていました。
こちらの観測では、一角兎を皆さん方が取り囲んでいる、その頃合いまで、ですね。
穴の繋がる先は、お察しの通りワールドコード1E7、チェルパ。皆さん方の世界です」
「あの一角兎は、俺達の世界のどこからか転移してきた、そういう認識でいいんだよな?」
マルチェッロの説明に頷きながら、アンバスが問いを投げかけた。
その問いかけに、マルチェッロは頷いて見せる。だがそれだけではない、ピッと指を一本立てた。
「その通りです。しかし重要なのはそこではない。
穴を通じて、皆さん方の世界に満ちる『魔力』と呼ばれるエネルギーが、こちらの世界に伝播している。
片方の世界のエネルギーが、もう片方の世界に流れ込むとはどういうことか。私が危惧しているのはそこなのです」
その言葉に、僕達は誰もが言葉を返せなかった。
地球に『魔力』が流れ込んでいる。本来存在しえないエネルギーが、少しずつ、少しずつ伝わってきている。
それが意味するものは何か。先程僕が皆に説明したばかりだ。
マルチェッロがそれを補完するように説明を続ける。
「カマンサックさんには説明したことですが、そもそもこんな短期間に、こんな狭い範囲に集中して、同じ世界との穴が繋がるというのは、異常事態なのです。
世界は絶えず揺れ動き、移動し、一時的に位相同士が繋がり合うものですが、まれに位相がぴったり重なってしまうことがあります。
そうなると、どちらかの世界にどちらかの世界が一気に流れ込むか、あるいは二つの世界が合一し、結合してしまう。
今はまだ重なりつつある程度ですが、現状を放置していれば、遠くないうちに新宿区とチェルパは、完全に重なり合ってしまうことでしょう」
マルチェッロの言葉に、僕達はただ黙りこくるしかなかった。
元の世界に帰るも何もなく、こちらの世界とあちらの世界が重なり、一つになってしまう危険性。
その危険性がはっきりと、僕達の前に示されたわけだ。
事態の大きさに震えたエティが、腕をぎゅっと握りながら口を開く。
「世界が完全に重なり合ってしまったら……新宿はどうなってしまうんですか?」
「私もチェルパについては、詳しい情報を持ち合わせていないので何とも言えませんが……
皆さん方の話を踏まえて考えると、新宿区の中にチェルパの魔物が溢れ出すことは間違いないでしょう。
同時に、魔法の力も新宿区管内に満ちることとなりますが、魔法技術が広まるより先に、魔物による被害の方が広がるでしょうねぇ」
マルチェッロが腕を組みながら発した内容に、僕達五人は全員、揃って身震いした。
僕達の居た世界―チェルパ―は、剣と魔法と魔物に満ちた、いわゆるファンタジー世界だ。
そんな世界が、ファンタジーとは無縁のこの世界に流れ込み、あちらの魔物が溢れかえりなどしたら……甚大な被害が発生することは想像に難くない。
「世界の位相を離すことが出来ればいいんですが、何分私達に出来ることの埒外にある事象ですからねぇ。
あちらの世界からやってこられた皆さん方に、こう言うのも心苦しいところなのですが、皆さん方があちらの世界に帰るのは、一筋縄ではいかないということは、認識しておいていただければと思います」
神妙な表情でそう告げるマルチェッロに、僕達は一様に口を閉ざすしかなかった。
元々、そう簡単に帰れるとは思っていなかったが、こうも難しい問題が存在していては、思うようにいかなくなるのも無理はない。
ましてや世界と世界の重なり合いの話など、僕達がどうこうできる問題ではないのは明らかだ。
思っていた以上に難題が積み重なっている現実に、僕は小さくため息をついた。
どことなく気落ちした雰囲気の僕に、マルチェッロが視線を投げてくる。
「それと、カマンサックさん。あちらの世界から流れてくる『魔力』についてです。
今現在は、穴が空いたその周辺区域に、澱むような形で『魔力』が存在しています。
新宿区管内においても、魔法が発現する区域、しない区域があることと思いますが……出来るだけ、魔法を使っていっていただければと思います」
「……使ってしまって、いいんですか?」
僕の疑問に、マルチェッロは大きく頷いた。
「こちらの世界で魔力が澱んでいるより、魔法という形で発散させてしまった方がいいんです。
状況から判断するに、カマンサックさん達の魔法は周囲から『魔力』を吸収して発動させるタイプのもののようですし、それなら澱んだ魔力は吸収してもらった方がいい」
マルチェッロの言葉に、僕は数度目を瞬かせた。
確かに、こちらの世界で澱ませたままでいるよりは、何かしらの方法で吸収し、発散させてしまった方がいい。
その方がこの世界にとっても、きっといいだろう。
「分かりました。なんとか、やってみます」
「私も、魔法は使える身でしたので……魔力を感じることがあったら、使っていきます」
僕が頷くと、エティも一歩前に出て口を開いた。
回復や加護を主に担当していたエティならば、周囲に被害を出さない魔法の使い道もあることだろう、その点、僕よりも頼りになる。
僕とエティの瞳を見つめて、マルチェッロはしっかりと頷いた。
「頼りにしていますよ。何分、皆さん方の世界に関わる問題ですからね」
~第26話へ~
~新宿区役所3階・転移課 情報集積室~
マルチェッロに連れられて、僕達5人は新宿区役所3階、転移課に再び足を踏み入れた。
先程、僕達の世界に繋がる穴について説明を受けた、コンピューターが所狭しと並ぶ情報集積室に、である。
先程捕えた一角兎の檻を床に置いて、マルチェッロはふっと息を吐いた。
「さて……カマンサックさんに確認するのでもいいのですが、お仲間に確認した方が確実でしょうね。
先程カマンサックさんが発動された石を飛ばす魔法、あれは皆さんの世界で運用されているもの、ということで、よろしいのですね?」
マルチェッロの口調こそいつも通りだが、その瞳には一切の柔らかさが無い。真剣な眼差しで僕達を見つめている。
その視線に居心地の悪さを覚えつつ、口を開いたのはパスティータだった。
「……そうだよ。
大地魔法第一位階、石塊。大地にまつわる攻撃魔法で、一番シンプルな奴。
マウロがさっき使ったのはそれだよ」
パスティータの言葉を受けて、僕は無言のまま頷いた。
大地魔法第一位階、石塊。大地の砂や小石を固めて石を形成し、目標に向けて射出する魔法。大地魔法の基礎ともいえる、至極シンプルな魔法だ。
位階の低い魔法は詠唱が短く済むこともあり、レベルの高い魔法使いも緊急時に使用することが多い。相応以上の力を持つ魔法使いが唱えれば、猛獣も昏倒させられるくらいの威力を持つ。
先程の僕も、半ば無意識のうちに、かつての世界での習慣に基づいて魔法の詠唱文句を唱えていた。
本来ならば、ただの戯言で終わった話だが、現実一角兎は石に打たれて昏倒している。
パスティータと僕の反応を見て、マルチェッロはあからさまに頭を抱えた。
「うーん、そうですかー……
いや、ある程度の予測といいますか、推測は出来ていた事態ではあるんですけれど、こうして目の当たりにしますとねぇ……」
「……推測は、出来ていた、んですか?」
マルチェッロの言葉を反芻するように、僕は問いかけた。
神妙な面持ちで、マルチェッロは頷いてみせる。
「先程の一角兎、アルミラージでしたか、あれが出現した穴は、つい先程まで新宿区役所近傍、サブナードへの入り口付近で開いていました。
こちらの観測では、一角兎を皆さん方が取り囲んでいる、その頃合いまで、ですね。
穴の繋がる先は、お察しの通りワールドコード1E7、チェルパ。皆さん方の世界です」
「あの一角兎は、俺達の世界のどこからか転移してきた、そういう認識でいいんだよな?」
マルチェッロの説明に頷きながら、アンバスが問いを投げかけた。
その問いかけに、マルチェッロは頷いて見せる。だがそれだけではない、ピッと指を一本立てた。
「その通りです。しかし重要なのはそこではない。
穴を通じて、皆さん方の世界に満ちる『魔力』と呼ばれるエネルギーが、こちらの世界に伝播している。
片方の世界のエネルギーが、もう片方の世界に流れ込むとはどういうことか。私が危惧しているのはそこなのです」
その言葉に、僕達は誰もが言葉を返せなかった。
地球に『魔力』が流れ込んでいる。本来存在しえないエネルギーが、少しずつ、少しずつ伝わってきている。
それが意味するものは何か。先程僕が皆に説明したばかりだ。
マルチェッロがそれを補完するように説明を続ける。
「カマンサックさんには説明したことですが、そもそもこんな短期間に、こんな狭い範囲に集中して、同じ世界との穴が繋がるというのは、異常事態なのです。
世界は絶えず揺れ動き、移動し、一時的に位相同士が繋がり合うものですが、まれに位相がぴったり重なってしまうことがあります。
そうなると、どちらかの世界にどちらかの世界が一気に流れ込むか、あるいは二つの世界が合一し、結合してしまう。
今はまだ重なりつつある程度ですが、現状を放置していれば、遠くないうちに新宿区とチェルパは、完全に重なり合ってしまうことでしょう」
マルチェッロの言葉に、僕達はただ黙りこくるしかなかった。
元の世界に帰るも何もなく、こちらの世界とあちらの世界が重なり、一つになってしまう危険性。
その危険性がはっきりと、僕達の前に示されたわけだ。
事態の大きさに震えたエティが、腕をぎゅっと握りながら口を開く。
「世界が完全に重なり合ってしまったら……新宿はどうなってしまうんですか?」
「私もチェルパについては、詳しい情報を持ち合わせていないので何とも言えませんが……
皆さん方の話を踏まえて考えると、新宿区の中にチェルパの魔物が溢れ出すことは間違いないでしょう。
同時に、魔法の力も新宿区管内に満ちることとなりますが、魔法技術が広まるより先に、魔物による被害の方が広がるでしょうねぇ」
マルチェッロが腕を組みながら発した内容に、僕達五人は全員、揃って身震いした。
僕達の居た世界―チェルパ―は、剣と魔法と魔物に満ちた、いわゆるファンタジー世界だ。
そんな世界が、ファンタジーとは無縁のこの世界に流れ込み、あちらの魔物が溢れかえりなどしたら……甚大な被害が発生することは想像に難くない。
「世界の位相を離すことが出来ればいいんですが、何分私達に出来ることの埒外にある事象ですからねぇ。
あちらの世界からやってこられた皆さん方に、こう言うのも心苦しいところなのですが、皆さん方があちらの世界に帰るのは、一筋縄ではいかないということは、認識しておいていただければと思います」
神妙な表情でそう告げるマルチェッロに、僕達は一様に口を閉ざすしかなかった。
元々、そう簡単に帰れるとは思っていなかったが、こうも難しい問題が存在していては、思うようにいかなくなるのも無理はない。
ましてや世界と世界の重なり合いの話など、僕達がどうこうできる問題ではないのは明らかだ。
思っていた以上に難題が積み重なっている現実に、僕は小さくため息をついた。
どことなく気落ちした雰囲気の僕に、マルチェッロが視線を投げてくる。
「それと、カマンサックさん。あちらの世界から流れてくる『魔力』についてです。
今現在は、穴が空いたその周辺区域に、澱むような形で『魔力』が存在しています。
新宿区管内においても、魔法が発現する区域、しない区域があることと思いますが……出来るだけ、魔法を使っていっていただければと思います」
「……使ってしまって、いいんですか?」
僕の疑問に、マルチェッロは大きく頷いた。
「こちらの世界で魔力が澱んでいるより、魔法という形で発散させてしまった方がいいんです。
状況から判断するに、カマンサックさん達の魔法は周囲から『魔力』を吸収して発動させるタイプのもののようですし、それなら澱んだ魔力は吸収してもらった方がいい」
マルチェッロの言葉に、僕は数度目を瞬かせた。
確かに、こちらの世界で澱ませたままでいるよりは、何かしらの方法で吸収し、発散させてしまった方がいい。
その方がこの世界にとっても、きっといいだろう。
「分かりました。なんとか、やってみます」
「私も、魔法は使える身でしたので……魔力を感じることがあったら、使っていきます」
僕が頷くと、エティも一歩前に出て口を開いた。
回復や加護を主に担当していたエティならば、周囲に被害を出さない魔法の使い道もあることだろう、その点、僕よりも頼りになる。
僕とエティの瞳を見つめて、マルチェッロはしっかりと頷いた。
「頼りにしていますよ。何分、皆さん方の世界に関わる問題ですからね」
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