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第16話

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 ヤノフスキー市一番街、ウラソフ通りの『カメーリヤ』。その前で俺はコートの表面にかかった雪を払う。

「ふー……」

 今日も寒い。雪が強く降り、身を切るような風がコートの隙間から内側に入り込んでくる。こうした日は、さっさと店の中に入って酒を飲むに限る。
 『カメーリヤ』の外扉を開けて中に入り、もう一度雪を払って内扉を開く。そして今日は、熊獣人のウェイトレスがお出迎えだ。

「いらっしゃいませ、旦那様。あらルスラーンさん、今日はうちで?」
「ああ、カウンターでいいか?」

 以前来た時よりも気安い調子で話しかけてくる彼女に、俺もにっこり笑ってカウンターを指差す。カウンターには数席空きがあった。一人だし、その方が良い。
 うなずくウェイトレスに礼を言って、俺はカウンター席の空きに歩み寄った。腰を下ろせば店主のフョードル・サマリンがゴブレットを磨きながら俺に微笑み目を見開く。

「おおルスラーン。いらっしゃい、今日は何を飲む?」
「そうだな……少し考えさせてくれ」

 フョードルの問いかけに、俺はチラと彼の奥にある瓶達を見た。
 今日は寒い。飲むならウォッカがいいだろう。こんな日に、難しいことを考えながら飲みたくはないものだ。
 これだと思う一つに視線を向けながら、俺はフョードルに問いかけた。

「サマリン、『ジュラフスカヤ』はあるか」
「あるよ、ピュアはもちろん、フレーバードも各種。今日はジュニパー、シトロン、唐辛子、クランベリーが並んでいる」

 そう返しながら、フョードルが俺の目の前に五本の瓶を置いた。角張った『ジュラフスカヤ』の瓶が、それぞれの色を出しながら俺に主張してくる。
 『ジュラフスカヤ』はフレーバードウォッカも多く作っていることで有名な銘柄だ。ピュアウォッカの質の高さは勿論だが、多彩なフレーバーと風味の鮮やかさは他の銘柄の追随を許さない。
 俺は目の前に並んだ瓶の中から、薄っすら赤みを帯びたものを指さしながら言った。

「じゃ、唐辛子のを。ストレートで頼む」
「あいよ。珍しいな、お前さんならまず手を出さないと思ったぞ」

 俺の注文に頷いたフョードルが、唐辛子フレーバーの『ジュラフスカヤ』を手に取った。残りの瓶も回収して棚に戻す。
 『ジュラフスカヤ』の唐辛子フレーバーは、辛さを極限まで突き詰めたものとして有名だ。スパイス系フレーバーのウォッカの中でも抜きん出て辛い。唐辛子の成分も溶け出しているから、火照るように身体が熱くなるのも特徴だ。
 よくよく、俺が頼むような一本ではない。ウォッカよりもウイスキーを飲むことが多いから尚更だ。
 カウンターに片肘をつきながら、俺は答える。

「俺だってたまには、バカになりたい時ってのはあるもんだ」
「ま、そういう時もあるわな」

 俺のぶっきらぼうな言葉に、フョードルも淡々と返す。この踏み込まない程度の距離感が、とても心地がいい。
 テイスティンググラスに30ミリリットル注いだウォッカを俺の前に出しながら、フョードルが口角を持ち上げる。

「仕事の方は、どうだ」
「相変わらずだ。どっちもな」

 グラスに手を伸ばしながらそう返す俺だ。なんとも抽象的な返しだと自分でも思うが、それでも伝わる人には十分伝わる。
 俺の意を汲み取ったフョードルが、持ち上げた口角をさらにぐいっと持ち上げた。ふさふさの髭が揺れる。

「そんなこと言って、の方はでかい案件が済んだだろう。ちっとは落ち着いたんじゃないのかい」

 彼の言葉に、俺はウォッカを飲む手を止めた。
 裏の仕事か。確かに今年に入ってからでかい案件がいくつも入って来た。先月にはエージェント協会から直々に舞い込んだ案件に片が付いて、まぁ数ヶ月は雑誌の記事を書かなくてもよくなりそうな額が振り込まれている。
 だが、一つでかい事件が片付いたと思ったら、一つまた事件が起こるのが、このヤノフスキーだ。

「少しだけな。でかい案件が終わったからと言って、俺の仕事がごっそり減るわけじゃない」
「はっはっは」

 俺の言葉にフョードルがからからと笑う。『ジュラフスカヤ』を棚に戻しながら、彼は吐き出すように言った。

「ま、クヴィテラシヴィリが潰されようと、トランデンコフが戻ってこようと、ガバシュビリが崩れようと、ヤノフスキーはいつも通り。エージェントは国内を飛び回り、情報屋は街中を飛び回る。日々の事件は変わらず起こるってなわけだ」

 事件は何だかんだ、日々起こる。町の中でも、外でもだ。
 エージェントが引く手数多で、エージェントが情報屋を頼る構図は、ムラド・ガバシュビリが逮捕されてガバシュビリ農園が経営破綻しても、ちっとも変わらない。
 ぐ、とグラスを傾けながら、俺は鼻息を吐き出した。唐辛子の突き刺すような辛さが口の粘膜を刺してくる。

「そういうもんだよ。おかげで俺は、食い扶持を失わなくて済むんだがな」
「はっはっは、この一ヶ月でドカンと儲けた奴が何を言ってる」

 ウォッカを飲み込んで話す俺に、フョードルがもう一度笑う。この男は何とも、俺をからかう口が止まらないらしい。
 文句の一つでも言ってやろうかと思いながらもう一度『ジュラフスカヤ』を口に運ぶと、後方でドアベルの鳴る音がする。そして俺の背中にかかる声があった。

「ルスラーンさん!」
「珍しいわね、今日は『カメーリヤ』なの」

 グラスを戻して後ろを振り返ると、そこにはダニイル・ブラヴィノフとアリョーナ・ゴンチャロワの姿があった。この二人が並んで店に入ってくるとは、珍しいこともあるものだ。

「おう、ダニイルの坊ちゃんにアリョーナ、いらっしゃい」
「なんだ、二人して珍しいな」

 フョードルと俺が目を見開いて言えば、にんまりと笑いながらダニイルが答える。

「たまたま『シルバニ』で会ったんだ。しばらく話してたんだけど盛り上がっちゃったからさ、ここで飲み直そうって話になって」
「『カメーリヤ』だったら騒いでも文句言われないでしょ? そしたら貴方がいるんだもの、驚いたわよ」

 聞くに、既に二人は『シルバニ』で飲んで来てここが二軒目ということらしい。なるほど、確かに『シルバニ』はワイワイやるには向かない店だ。
 三級エージェントになりたてのダニイルと、一級エージェントの中でも上位に位置するアリョーナ、普通なら接点など作れるものでもないが、揃って俺の上客という共通点がある。
 懇意にする情報屋が同じなら、顔見知りにもなるというもの。偶然出会って酒席を共に、というのも不思議なことではない。
 だが、しかし。珍しいことに変わりはないのだ。俺がこの店にいることも含め。

「まあ、そういうこともあるさ」

 そんな形で俺が笑みと言葉をこぼすと、今度は俺の左手から声がかかった。

「あ? なんだ、ルスラーン、アリョーナにダニイル。お前らが揃っているなんて珍しいな?」
「お?」

 そちらを見れば、グリゴリー・ナネイシヴィリが目を真ん丸に見開いて俺達を見ている。手にはハンカチ、用足しに立っていたらしい。
 この店にどうも似つかわしくない奴が、他にもいた。何故ここにいる、という言葉をぐっと飲み込む。

「……ナネイシヴィリ、お前もか」
「やだ、グリゴリーまでここにいるなんて思わなかったわ。またヤノフスキーに戻ってきたの?」
「うわ……すげえ、本物のグリゴリー・ナネイシヴィリだ……」

 アリョーナとダニイルも口をぽかんと開けている。そうだろう、アニシン領のエージェントの頂点に立つ、その名を知られた有名人だ。こんな賑やかな酒場にいるような人物ではない。
 くい、と親指を店の奥に向けながら、グリゴリーが発した。

「ゲラーシー殿に声をかけられてな。アルセン殿も交えて意見交換でもしようというお話で、こうして集まっていたんだが」
「おお、『夜鷹』殿にゴンチャロワ嬢。健勝なようで何よりだ」
「お疲れ様です、皆さん」

 その言葉に呼応するように、奥の個室のカーテンをめくってゲラーシー・チェルニャンスキーとアルセン・トランデンコフが顔を覗かせる。
 俺も、アリョーナも、目をますます見開く羽目になった。ダニイルに至っては顎がストンと落ちている。
 何しろ侯爵様とヤノフスキーきっての大農場の農場主。そこに領内最高のエージェントが加わるとあれば、上層部の会合以外の何物でもない。
 口の端がピクピクと痙攣するのを感じながら、俺はこちらを見て笑うゲラーシーに声をかけた。

「……名だたるお三方が、『カメーリヤ』に集まって意見交換とか、どんな風の吹き回しです?」

 先にも言った通り、『カメーリヤ』は飲みながらワイワイと騒げる、大衆向けの酒場だ。こんな、都市の上層部の人間が集まって秘密の話をするような場所ではない、はずだ。
 だがしかし、俺の隣でグリゴリーが呆れたように肩をすくめて言う。

「なんだ、知らないのかルスラーン。『カメーリヤ』は個室が奥まっているから、秘密の話し合いには随分都合がいいんだぞ」
「ウォッカも上質なものを揃えているからね、表の・・メニューにはあまり載せていないものなんだが」
「私の父も、『カメーリヤ』でよく商談を行っていました。最初はびっくりしましたよ」

 その言葉に、苦い実を噛み潰したかのような表情になる俺だ。
 『カメーリヤ』にそんな側面があったなんて。ちっとも知らなかった。
 言葉を失っている俺に、カウンターの内側からカラカラと笑うフョードルの声がかかる。

「はっはっは、伊達に一番街の顔役を務めてねえんだぞ。まだまだ青いな、『ヤノフスキーの夜鷹』も」

 その調子の軽い、俺をからかう言葉に、ますます苦い表情になる俺だ。
 確かに、フョードルの言葉通りだ。この男は一番街の顔役を務めている。その人物が経営する酒場が、ただの大衆酒場であるはずもない。
 とはいえ、知らなかったし知る由もなかったのは間違いないのだ。

「俺のスタイルに個室は合わないから縁遠いんだよ……獅子の首を取ったように言いやがって」
「はっはっは、すまんすまん」

 恨みがましく言うと、彼は笑いながら謝罪の言葉を述べた。だが、どこまで本気で謝っているのやら。
 顔を背けている俺をよそに、グリゴリーが俺達三人に声をかけてくる。

「まあそれはそれとしてだ。どうする? 合流するってんなら歓迎するぞ」
「あら、いいの? 意見交換とやらは?」

 アリョーナがキョトンとしながら問いを投げ返すと、ゲラーシーがにっこり笑って頷いた。

「とっくに済んで、今は楽しい談笑の時間さ。たまには年若い面々と、酒を交わすのも悪くない」
「そうですね、『市民の声から耳を塞ぐな』と、父もよく話していましたので」

 アルセンもまんざらではないらしい。こんな機会、それこそ二度とないだろう。
 先程までの嫌な気分を振り払いながら、俺は椅子の下に置いた自分の鞄を掴む。

「よし、乗った。サマリン、俺の伝票はゲラーシー殿のテーブルに頼む。それと『ジュラフスカヤ』のジュニパーをストレートで」
「あいよ」

 そのままフョードルに注文を投げれば、俺の伝票を手に取った彼がさらさらとペンを走らせた。この伝票は後で、アリョーナとダニイルの分も作って個室に持ってきてくれるだろう。
 と、そのダニイルが上ずった声を上げながら手を伸ばした。

「あ、あの、俺もご一緒していいですかっ!?」
「おお、いいぞダニイル。このチャンスを逃さず掴むとは、お前も立派にエージェントするようになったじゃないか」
「ふふっ、若い子が伸びてくれるのはいいことよね」

 ダニイルの言葉に、グリゴリーもアリョーナも嬉しそうだ。グレードの高い人間との付き合い方を知っているエージェントは出世する。これもまた、ダニイル・ブラヴィノフにとってはまたとない成長の機会だろう。
 若手が育つ。ベテランが育てる。そうしてヤノフスキーの、アニシン領のエージェントも力をつけて、事件に対応できるようになって。
 俺は『カメーリヤ』の天井を仰いだ。電灯が光り輝く中で、布張りの天井の朱色が赤々と煌めく。
 ああ、いい日だ。そして明日もきっといい日だろう。

「よし、今日は仕事は抜きだ。とことん飲むぞ!」

 俺が拳を天に突き上げれば、アリョーナとダニイルも合わせて拳を突き上げる。
 冬なお厳しいルージア連邦のいち地方都市で、今日もまた、得難い楽しい時間が始まろうとしていた。


Конецおしまい

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