ヤノフスキーの夜鷹は町を飛ぶ

寒冷地帯ばかりが広がり、獣人が覇権を握る世界。北方のルージア連邦中部、アニシン領領都、ヤノフスキー市。
政府公認であらゆる仕事をこなす「エージェント」と、エージェントに仕事の情報を提供する「情報屋」が多く集まるこの町には、「ヤノフスキーの夜鷹」と呼ばれる凄腕の情報屋がいることで知られていた。
集める情報には万に一つの嘘もなく、どんな小さな情報でも裏では大きな案件に繋がり、市内の隅々にまで目が届くと噂される情報屋は、決まってヤノフスキー市内の酒場を仕事場にしている。
その情報屋であり、表向きは酒や酒場についての紹介記事を書くエッセイストであるルスラーン・ナザロフは、毎夜市内を渡り歩きながら、静かに酒を飲み、自分の隣に座ったエージェントと情報のやり取りをしていた。
時には賑やかに、時には粛々と。時にはエッセイストの顔で、時には情報屋の顔で。朝の市場で、夜の酒場で。

これは、混沌と腐敗が蔓延る世界で、その腐敗を断罪するエージェントを裏から支える、一人の男の話である。

※カクヨム様、ノベルアップ+様、エブリスタ様にも投稿しております。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894684067
https://novelup.plus/story/554582217
https://estar.jp/novels/25627816
24h.ポイント 0pt
0
小説 192,944 位 / 192,944件 ファンタジー 44,702 位 / 44,702件

あなたにおすすめの小説

完結 若い愛人がいる?それは良かったです。

音爽(ネソウ)
恋愛
妻が余命宣告を受けた、愛人を抱える夫は小躍りするのだが……

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。

藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった…… 結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。 ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。 愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。 *設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 *全16話で完結になります。 *番外編、追加しました。

トイレの花子さん

一宮 沙耶
大衆娯楽
トイレで仕事をする情報屋。 その毒牙にかかれば、死に至る。 みんなは、その情報屋を「トイレの花子さん」と呼ぶ。

THE WORLD

ビタミンZ
ファンタジー
繁栄と発展を続け、秩序と均衡が管理された平和な世界。 そこに生きるカイト・フロイントという少年は、育ての親であるリンクス・フロイントと暮らしていた。 何も変わらない、退屈であるが平穏な日々を送る中、カイトは一人の少女と出会う。 少女の名はヴィア・ラクテアといい、その少女はリンクスが持つ力を探し求めていた。 それと同時に、暗躍する一つの影の存在があった。 彼らもまた、リンクスの力を追い求めており、そして彼らこそが世界を脅かす存在でもあった。 亡霊と呼ばれる彼らは「ファントムペイン」と名乗り、ヴィアは彼らを止める為にリンクスの力を求めていたのだった。 ヴィアの目的を知ったカイトは、やがて混乱と戦火の渦に呑み込まれることとなる。 その中で、自身に託された願いと課せられた使命を知ったカイトは、果たして何を思い、何を求めるのか。 少年と少女の出会いが、全ての始まりだった。

Psychedelic Opera

紺坂紫乃
キャラ文芸
夜の蝶が羽ばたく新宿二丁目にひっそりとあるBAR「タンホイザー」――オペラを愛し、魅せられた三人の裏家業は『抹消屋』である。オーナーのワーグナー、居候のヴェルディ、見た目だけが子供のアマデウスは偉大なるオペラ作曲家の魂を持って生まれた者。三人の異能力者は、今夜も鮮やかで狂った『オペラ』を上演する。

みんながみんな「あの子の方がお似合いだ」というので、婚約の白紙化を提案してみようと思います

下菊みこと
恋愛
ちょっとどころかだいぶ天然の入ったお嬢さんが、なんとか頑張って婚約の白紙化を狙った結果のお話。 御都合主義のハッピーエンドです。 元鞘に戻ります。 ざまぁはうるさい外野に添えるだけ。 小説家になろう様でも投稿しています。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

処理中です...