普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です｡帰らせて｡

番外編

僕の心臓

柚 3歳

｢ん､なんとか問題ないね｣
｢そのもしもしってどんなおときこえるの？｣
｢聞いてみる？｣
先生は僕の胸にもしもしを当てて僕の耳にもしもしのもう片方の先を当てた｡
｢…どくどくしてる？｣
｢柚琉くんの心臓の音だよ｡柚琉くんはこれが他の子とちょっと違うから病院に来てるんだよ｡知ってた？｣
｢しらない｣
…心臓の音…変な感じ｡
｢せんせいはどんなおとするの？｣
｢聞きたいの？じゃあお父さんが戻ってくるまでの間だけね｣
先生は少し服をめくってもしもしを当てた｡
｢…ぼくとちがう｣
｢先生は大人だからね｣
｢きょうもしもしでおわり？もうけんさしない？｣
｢そうだね｡先週もやったし…今日はやらないよ｡自分の心臓の音聞いてみてどうだった？｣
｢わかんない｣
｢だろうね｣
…よくわかんない｡
前世の僕とどこが違った？
聞き分けなんて全くできない｡
｢柚､ごめんね｡帰ろっか｣
｢うん!!おやつたべたい!!｣
｢ふふ｡じゃあ帰りにどこかで食べようか？｣
｢いいの！？｣
｢その代わり卵なしのやつだけね｡卵のはおうちだけ｣
｢はーい｣
おやつー!!
何食べようかな｡
アイス…はアレルギーの人でも食べれるのあったよね｡
チョコも食べたいな｡
あ､おせんべいとか和菓子だったら卵ないかな？
いちご大福食べたぁい!!
｢…さっきまで病院嫌って泣いてた子がすぐこれだ｣
｢おやつのがだいじ!!｣
泣いてたらおやつ食べるの遅くなっちゃう!!