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番外編

柚と○○

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柚とおまわりさん


「えーっと…もう一度言ってくれるかな」
「あい。まいごれす」
お庭で遊んでたらいつの間にかお外出てておうち帰ろうとしたらいつの間にかここにいたの。
「じゃ、じゃあお名前とか教えてくれるかな」
「ふじしゃわゆじゅりゅ。しゃんしゃいれす」
「…お父さんとお母さん探してあげるからここに座って絵本読んでてね。読めるかな?」
「あい」
僕はパイプ椅子に座らされて絵本を渡された。
このお椅子高い…僕一人じゃ絶対に降りれない。
「うしゃぎとかめ。むかちむかち…」
交番の隅っこで絵本を音読し始めた僕を暖かい目で見守るおまわりさんには全く気が付かなかった。






「柚!!探したぞ!!」
「にいしゃ!!」
絵本を放り出して足と手をパタパタさせた。
「心配したんだからな…!!」
「ごめしゃい」
「…ありがとうございました。ご迷惑をおかけしました」
「いえ。ゆずるくんよかったね、お兄ちゃんのところ帰れて」
「あいっ!!」
「じゃあ帰ろうか」
翔兄さんは僕を抱っこしたまま下ろそうとしなかった。
「にいしゃ?ぼくありゅけりゅよ?」
「…柚のくっく、それお部屋の中だけのやつだからな?もう二度と俺達に何も言わずに外に出るなんてやめてくれ…」
「…あーい」
お外に綺麗なお花あるーって思って僕専用の踏み台を頑張って引き摺ってきて鍵開けてお庭に出ただけだったのに。




「たらいまー」
「ただいま」
「兄さん!!柚!!心配したんだからね!!」
「ごめしゃぁい」
「…直人。夏は?」
「さすがに気づき始めて泣いちゃって…今は泣き疲れて寝てるよ」
「柚。夏も心配してたんだ。あとでごめんなさいできるか?」
「…あい」
みんなに心配かけちゃった…ごめんなさいの何か持ってこなきゃ。
「あ」
僕…お庭出て綺麗なお花摘んで…お花置いてきちゃった。
「うー…」
「どうした?」
「おはにゃおいてきちゃっちゃ…」
「はな?」
「あー…引き抜かれていた雑草達か」
え?
あれ雑草なの?
「柚…おててくさいくさいなってない?」
「…にゅ?ちないよ?」
「でも外で色んなの触っただろうしおてて洗ってお薬飲んで寝ちゃおうか」
「え…!?」
「そうだな。柚も夏と一緒にお昼寝しとけ」
「えー…」
僕…おうち帰って遊びたかったのに。
なんでねんねする流れになってるのー?
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