61 / 839
番外編
死亡ルートその後
しおりを挟む
柊二視点
『あーやっぱり入り浸るようになっちゃった』
…え?誰の声?
『あーあー!!振り返っちゃダメ!!見られちゃいけないんだから!!』
僕はどうやらこの白い変な空間で前を向き続けていなきゃいけないらしい。
『君あの子の父親だよね?』
「あの子っていうのは…どの子?」
『あ、そっか。柚琉くんだよ。まぁ今は僕が貰い受けたんだけど』
「…柚は4年前に死にましたよ」
『うん。だから死んだその子を引き取ったんだよ?放っておいたら消えちゃうし』
…引き取った?消える?
「もしかして…柚がいつも話してる神…って人ですか?」
『そーそー。…ってえ?いつも話してる?え?僕普通に話されてる感じ?』
「えぇ…おやつ取られたとか仕事してないとか…」
『スキャンダルしか話してない!?僕ちゃんと仕事してるよ!?』
「仕事から逃げてエマちゃんに捕まってるって聞いてますけど…」
『管理するだけとか暇なの!!あの子いなくなるとずっと見続けてる必要もなくなるし!!』
…仕事しないってこういうことか。
柚が仕事しないって言うなら相当かなと思ったけど…これはかなりサボってるな。
『あーもう!!本題忘れるところだった!!』
「本題、ですか?」
『君達お供え物多すぎ。疲れたんだけど』
「それだけ柚は周りから愛されてるんです」
『食べ物ならいいよ?どうせ食べたら消えるし…でもぬいぐるみとか服とか。たまに下着まで置いてあるのは何故?こっちで服も身の回りのものも用意してるのに…僕の仕事部屋がだんだん可愛くなっていくんだけど』
「仕方ないです。生前の柚の趣味嗜好がそういうものばかりでしたので」
『下着は?』
「それは知りません」
…使用人の誰かか?
「言いたいことはそれだけですか?」
『え?あ、ちょ…』
僕は勢いよく振り向いた。
そこにいたのは…。
「…いや普通の姿じゃないですか」
『あんまり人の記憶に残るの良くないんだってー!!神は一応不干渉でないといけないんだから!!あの子と夏羽くんはこの世界にとってかなり重要な人物だったからいくらでも干渉しても良かったけど君はただの人だしね~』
「…柚をよろしくお願いします」
『うんうん。いい子だからこっちも助かってるよ~たまに大量のお菓子抱えて帰ってくるのは君達の仕業ってわかったし』
…毎日来てますけど?
家でおやつ食べたのに神様とエマちゃんとも一緒に食べるって言って自分で自分の遺影にお供えしてるし…。
『ま、しばらくの間はこっちにいさせるから。おやつだけは供えてあげて?あの子拗ねちゃうから』
「…厨房の方では3食のご飯まで供えようとしてますけど」
『あの…天使そこまで食事しないんですけど…それかおやつかのどちらかしか食べられないよ?』
「じゃあおやつのがいいですね」
甘いものの方が柚は喜ぶし。
「ちなみに私達も死んだら柚の元へ行けるんでしょうか?」
『ん~死神に引き継ぐ数分間だけ?本来魂をひきとって天使にするなんてありえない事だからね。僕があの子を消したくなくてやった事だし…君達まで引き取るのはさすがに怒られちゃうんだよ~』
「…そうですか」
家族の中で最も逢いに行くのが早そうなのは僕と雫かな。
…いやその前に父さんか。
柚もおじいちゃん大好きだったし喜んでくれるかな…喜んじゃいけないんだけど。
『あーやっぱり入り浸るようになっちゃった』
…え?誰の声?
『あーあー!!振り返っちゃダメ!!見られちゃいけないんだから!!』
僕はどうやらこの白い変な空間で前を向き続けていなきゃいけないらしい。
『君あの子の父親だよね?』
「あの子っていうのは…どの子?」
『あ、そっか。柚琉くんだよ。まぁ今は僕が貰い受けたんだけど』
「…柚は4年前に死にましたよ」
『うん。だから死んだその子を引き取ったんだよ?放っておいたら消えちゃうし』
…引き取った?消える?
「もしかして…柚がいつも話してる神…って人ですか?」
『そーそー。…ってえ?いつも話してる?え?僕普通に話されてる感じ?』
「えぇ…おやつ取られたとか仕事してないとか…」
『スキャンダルしか話してない!?僕ちゃんと仕事してるよ!?』
「仕事から逃げてエマちゃんに捕まってるって聞いてますけど…」
『管理するだけとか暇なの!!あの子いなくなるとずっと見続けてる必要もなくなるし!!』
…仕事しないってこういうことか。
柚が仕事しないって言うなら相当かなと思ったけど…これはかなりサボってるな。
『あーもう!!本題忘れるところだった!!』
「本題、ですか?」
『君達お供え物多すぎ。疲れたんだけど』
「それだけ柚は周りから愛されてるんです」
『食べ物ならいいよ?どうせ食べたら消えるし…でもぬいぐるみとか服とか。たまに下着まで置いてあるのは何故?こっちで服も身の回りのものも用意してるのに…僕の仕事部屋がだんだん可愛くなっていくんだけど』
「仕方ないです。生前の柚の趣味嗜好がそういうものばかりでしたので」
『下着は?』
「それは知りません」
…使用人の誰かか?
「言いたいことはそれだけですか?」
『え?あ、ちょ…』
僕は勢いよく振り向いた。
そこにいたのは…。
「…いや普通の姿じゃないですか」
『あんまり人の記憶に残るの良くないんだってー!!神は一応不干渉でないといけないんだから!!あの子と夏羽くんはこの世界にとってかなり重要な人物だったからいくらでも干渉しても良かったけど君はただの人だしね~』
「…柚をよろしくお願いします」
『うんうん。いい子だからこっちも助かってるよ~たまに大量のお菓子抱えて帰ってくるのは君達の仕業ってわかったし』
…毎日来てますけど?
家でおやつ食べたのに神様とエマちゃんとも一緒に食べるって言って自分で自分の遺影にお供えしてるし…。
『ま、しばらくの間はこっちにいさせるから。おやつだけは供えてあげて?あの子拗ねちゃうから』
「…厨房の方では3食のご飯まで供えようとしてますけど」
『あの…天使そこまで食事しないんですけど…それかおやつかのどちらかしか食べられないよ?』
「じゃあおやつのがいいですね」
甘いものの方が柚は喜ぶし。
「ちなみに私達も死んだら柚の元へ行けるんでしょうか?」
『ん~死神に引き継ぐ数分間だけ?本来魂をひきとって天使にするなんてありえない事だからね。僕があの子を消したくなくてやった事だし…君達まで引き取るのはさすがに怒られちゃうんだよ~』
「…そうですか」
家族の中で最も逢いに行くのが早そうなのは僕と雫かな。
…いやその前に父さんか。
柚もおじいちゃん大好きだったし喜んでくれるかな…喜んじゃいけないんだけど。
4
お気に入りに追加
2,124
あなたにおすすめの小説

異世界転生したのに弱いってどういうことだよ
めがてん
BL
俺――須藤美陽はその日、大きな悲しみの中に居た。
ある日突然、一番大切な親友兼恋人であった男を事故で亡くしたからだ。
恋人の葬式に参列した後、誰も居ない公園で悲しみに暮れていたその時――俺は突然眩い光に包まれた。
あまりに眩しいその光に思わず目を瞑り――次に目を開けたら。
「あうううーーー!!?(俺、赤ちゃんになってるーーー!!?)」
――何故か赤ちゃんになっていた。
突然赤ちゃんになってしまった俺は、どうやら魔法とかあるファンタジー世界に転生したらしいが……
この新しい体、滅茶苦茶病弱だし正直ファンタジー世界を楽しむどころじゃなかった。
突然異世界に転生してしまった俺(病弱)、これから一体どうなっちゃうんだよーーー!
***
作者の性癖を詰め込んだ作品です
病気表現とかあるので注意してください
BL要素は薄めです
書き溜めが尽きたので更新休止中です。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

モブらしいので目立たないよう逃げ続けます
餅粉
BL
ある日目覚めると見慣れた天井に違和感を覚えた。そしてどうやら僕ばモブという存存在らしい。多分僕には前世の記憶らしきものがあると思う。
まぁ、モブはモブらしく目立たないようにしよう。
モブというものはあまりわからないがでも目立っていい存在ではないということだけはわかる。そう、目立たぬよう……目立たぬよう………。
「アルウィン、君が好きだ」
「え、お断りします」
「……王子命令だ、私と付き合えアルウィン」
目立たぬように過ごすつもりが何故か第二王子に執着されています。
ざまぁ要素あるかも………しれませんね

婚約破棄された僕は過保護な王太子殿下とドS級冒険者に溺愛されながら召喚士としての新しい人生を歩みます
八神紫音
BL
「嫌ですわ、こんななよなよした男が夫になるなんて。お父様、わたくしこの男とは婚約破棄致しますわ」
ハプソン男爵家の養子である僕、ルカは、エトワール伯爵家のアンネリーゼお嬢様から婚約破棄を言い渡される。更に自分の屋敷に戻った僕に待っていたのは、ハプソン家からの追放だった。
でも、何もかもから捨てられてしまったと言う事は、自由になったと言うこと。僕、解放されたんだ!
一旦かつて育った孤児院に戻ってゆっくり考える事にするのだけれど、その孤児院で王太子殿下から僕の本当の出生を聞かされて、ドSなS級冒険者を護衛に付けて、僕は城下町を旅立った。

とある金持ち学園に通う脇役の日常~フラグより飯をくれ~
無月陸兎
BL
山奥にある全寮制男子校、桜白峰学園。食べ物目当てで入学した主人公は、学園の権力者『REGAL4』の一人、一条貴春の不興を買い、学園中からハブられることに。美味しい食事さえ楽しめれば問題ないと気にせず過ごしてたが、転入生の扇谷時雨がやってきたことで、彼の日常は波乱に満ちたものとなる──。
自分の親友となった時雨が学園の人気者たちに迫られるのを横目で見つつ、主人公は巻き込まれて恋人のフリをしたり、ゆるく立ちそうな恋愛フラグを避けようと奮闘する物語です。

実はαだった俺、逃げることにした。
るるらら
BL
俺はアルディウス。とある貴族の生まれだが今は冒険者として悠々自適に暮らす26歳!
実は俺には秘密があって、前世の記憶があるんだ。日本という島国で暮らす一般人(サラリーマン)だったよな。事故で死んでしまったけど、今は転生して自由気ままに生きている。
一人で生きるようになって数十年。過去の人間達とはすっかり縁も切れてこのまま独身を貫いて生きていくんだろうなと思っていた矢先、事件が起きたんだ!
前世持ち特級Sランク冒険者(α)とヤンデレストーカー化した幼馴染(α→Ω)の追いかけっ子ラブ?ストーリー。
!注意!
初のオメガバース作品。
ゆるゆる設定です。運命の番はおとぎ話のようなもので主人公が暮らす時代には存在しないとされています。
バースが突然変異した設定ですので、無理だと思われたらスッとページを閉じましょう。
!ごめんなさい!
幼馴染だった王子様の嘆き3 の前に
復活した俺に不穏な影1 を更新してしまいました!申し訳ありません。新たに更新しましたので確認してみてください!

転生したら乙女ゲームのモブキャラだったのでモブハーレム作ろうとしたら…BLな方向になるのだが
松林 松茸
BL
私は「南 明日香」という平凡な会社員だった。
ありふれた生活と隠していたオタク趣味。それだけで満足な生活だった。
あの日までは。
気が付くと大好きだった乙女ゲーム“ときめき魔法学院”のモブキャラ「レナンジェス=ハックマン子爵家長男」に転生していた。
(無いものがある!これは…モブキャラハーレムを作らなくては!!)
その野望を実現すべく計画を練るが…アーな方向へ向かってしまう。
元日本人女性の異世界生活は如何に?
※カクヨム様、小説家になろう様で同時連載しております。
5月23日から毎日、昼12時更新します。
ザ・兄貴っ!
慎
BL
俺の兄貴は自分のことを平凡だと思ってやがる。…が、俺は言い切れる!兄貴は…
平凡という皮を被った非凡であることを!!
実際、ぎゃぎゃあ五月蝿く喚く転校生に付き纏われてる兄貴は端から見れば、脇役になるのだろう…… が、実は違う。
顔も性格も容姿も運動能力も平凡並だと思い込んでいる兄貴…
けど、その正体は――‥。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる