普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。

かーにゅ

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番外編

奇病 なんか小さくなるやつ

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翔視点

「柚…?」
「そうだよ?」
俺は柚をある柱の下へ立たせた。
「…なんか縮んでね?」
「嘘!?なんでぇ…」
それは俺が聞きたい。
…大体2センチ程度か。
昨日まではいつも通りだったし…夜のうちになにかあったか?
「…病院行って調べてみるか?」
「やっ!!」






柚が嫌だというのでそのまま経過観察…という形を取っていたのだが、その間にも柚は小さくなっていってしまった。
「…柚、さすがにもう病院行こう」
「やら!!」
「小さい頃の言い方に戻ってるから。な?柚」
「やーら!!」
それならば…最終手段だな。
「父さん」
「ん?」
「道具って揃ってたよな?」
「ここには大掛かりな検査用具はないよ。…あぁそういうこと」
「…よし」
柚を抱え、フード付きのポンチョを被せた。
「ひにゃぁぁ!!これおっき!!みえにゃい!!」
「前の柚のサイズだからな」
必死にフードを上げようとしているが…まぁすぐ下がるだろう。
そのうちに病院に連れていくだけだ。













「異常なし」
「へ?」
「いや…そんなわけないですよね。現にこんなに小さくなってる訳ですし…」
「…検査結果に異常がないんだよ。むしろ前より良くなってる」
「ほんちょ!?」
「本当。…でも身長の方は不安だね。もうどれくらい縮んだ?」
「…30」
「…柚琉くん元々何センチ?」
「ひゃくさんじゅーにー!!」
「…もう100センチ近い…」
…元々小さい柚がそんなに縮んでしまったら…最後はどうなる?
乳児まで行ってストップ?
それとも…いやそれは考えたくない。
「…にゅ?」
俺は柚を膝に乗せて強く抱きしめた。
「どーしたにょ?」
「ん…なんでもない」
…死ぬ…なんてないよな。











「…ついにここまで…」
…乳児になったのはつい先日。
そろそろ止まってくれないと…次はもうないぞ。
生まれた頃の身長まで戻ってしまった…。
「…柚」
もう小さくならないよな?
俺たちは確かに小さな柚が好きだけど…ここまで小さくなって欲しいとは思ったことはない。
「…ちゃんと…大きくなろうな」
柚は眠たくなったのか…すぐに眠ってしまった。















「翔!!柚どこいったか知らない!?」
「え?…ベッドにいるんじゃ」
「いないんだよ!!どこにも!!」
慌てて2階の柚のベビーベッドを覗くが…そこにはさっきまで柚が着ていた服が残されているのみ。
肝心の柚は跡形もなく消えてしまっていた。
「…今使用人全員で屋敷中を探させてる。これから警察に行って捜索願出してくるから翔達は外探して」
「…うん」
どこに行った柚…。










そのあとも柚は見つからなかった。
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