普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。

かーにゅ

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番外編

もし柚が余命宣告を受けていたら

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秋二視点

「…え」
「成人までは生きられないって言ってるの。…聞こえてる?」
…柚が?
なんで…?
「どうする?」
「どうするって…」
「延命措置を取るかどうか。…一応人工心臓を繋げればなんとか保てるかもしれないけど」
「…それで治療法が見つかる?」
「無理だろうね」
柚の臓器を治す方法はないの?
…小さな心臓と小さな胃、肺は片側だけ小さく腎臓に至っては元々ひとつしかない。
「臓器提供待つしかないだろうね。今体外で育てられるのは心臓と膵臓くらいだし」
「…延命措置をとる。海外でもどこでもいい。柚の治療法が見つかるまでずっと…」
「…柚琉くんがそれを望まないんだったら?」
「…本人の意思に任せる」
「了解。んじゃ…日程決めますか…柚琉くんへの説明は柊二から先にしておいて」












「やら!!」
説明した途端に拒否された。
「柚。ちょっとだけだよ。痛くないから」
「じぇったいいちゃい!!」
「柚のためなの」
「やらぁ!!」
「やっぱりこうなった?」
「…椎名…分かってて頼んだな」
「ごめんごめん。…柚琉くん。柚琉くんの心臓がもう疲れたよー動けないよーってならないようにここにもう一個心臓をつけてあげるの。頑張れる?」
「うー…やら!!」
「じゃあ柚琉くんの心臓さんは壊れちゃってもいいの?」
「ふぇ?」
「動けなくなっちゃうんだよ?」
「やらぁ!!」



そしてなんとか人工心臓を付けることには成功した。
「べっど…ぐすん…うぅ」
「…柊二通訳頼む」
「ベッドから動けなくなるなんて聞いてない…かな?」
「……車椅子での移動なら出来るんだけど」
「柚車椅子から落ちるから」
だから今ベルト付きのを作ってる最中だし。
「ならしばらくはベッドの上だね」
「うわぁぁん!!」
「柚。欲しいものなんでもあげるから、ね?」
「…ほん」
「本が欲しいの?おうちにあるやつ?それとも新しいの買ってあげようか?」
「あちゃらちいの…」
「うん。分かったよ」



















結局みんなが溺愛するだけだった。
「柚、食事制限かかってるんだったよね?」
「いやほとんど食べてないからあんまり意味ないんだけど…」
「…じゃあこれ食べる?プリンなんだけど…」
「たべりゅ!!ぷりん!!」
「…あーはいはい。…もう制限出さなくてもいい気がしてきた。病院食だと全然食べないし」
「柚。ご飯食べてないのか?」
「おいちくにゃい」
「ならそれも家から持ってくるか。何食べたい?」
「りじょ!!」
「リゾットだな」
「いやもう病院にいる意味ないよね?」
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