普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です｡帰らせて｡

選択編

父ルート 7

柊二視点

｢…柚どうしたの？｣
｢…｣
｢何か言わないと父さん分からないよ？｣
｢…しょ｣
｢え？｣
｢いっしょいるぅ…｣
きゅっと弱めの力で指を握られた｡
｢…まさか……｣
樹を見ると…無言で頷いた｡
｢…発情期…｣
｢…あらあら｡柚ったら父さんのことは誘惑しちゃダメよ？｣
｢どうしてぇ…｣
｢父さんは母さんのだからよ｡ほら､ベッド行ってねんねしましょうね｣
｢やぁ…!!｣
さらにぎゅと抱きつかれた｡
いやちょっと待って柚の匂い強すぎて…｡
｢…あなた？少しでも揺れたら許さないわよ？｣
｢分かってるよ…っ｣
分かってるから早く柚を離してくれない！？
｢今なら柚のお部屋に夏いるわよ？｣
｢いく…｣
即答された｡
離れたのは嬉しいけど…なんか離して欲しくなかった｡
夏に負けた…｡
｢なつ…｣
｢柚琉様!!そちらは壁ですから!!｣
｢…にゅ？｣
｢…案内しますから｡手を貸してください｣
｢…だっこ｣
｢…分かりましたから｡3階使わせてもらいます｣
｢分かったよ｣
｢…たまに行くかもしれないわ｣
逃がさないけどね｡










｢全く…｣
｢…また相談しなくちゃいけないわね｡番持ちのあなたでもきついのよね？｣
｢かなりね…雫は分からない？｣
｢Ωのフェロモンは分からないわ｡どんな感じなの？｣
｢…甘い香水を目の前で大量にかけられた感じ…｣
｢…鼻が曲がりそうね｣
｢確かにいい匂いなんだけどね…｣
量の問題なんだよ…｡
…柚は自分の匂いがわかってないし…｡