普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です｡帰らせて｡

選択編

父ルート 4

柊二視点

｢…ふぅ｣
｢大丈夫？疲れてない？｣
｢平気っ!!｣
｢疲れたらちゃんと休むんだよ？｣
柚のことだから疲れても黙っているだろうから…樹に注意しててもらうか｡
｢ん､いってらっしゃい｣
｢いってきます!!｣
少々遅くなってしまったが､柚を車に乗せて学校へと送り出した｡
…いつもより駄々が凄かったから遅刻ギリギリになっちゃった｡
｢ん…僕も行こうか｣
多少は遅れても平気だろう｡
葵が何とかしてくれるさ｡









｢ひぐっ…えぐっ…｣
｢…え？｣
｢階段から突き落とされ､捻挫と擦り傷を負いました｡従者の方も麻痺毒のついたナイフで腹を掠めたようです｣
｢樹が…？｣
｢すみません…旦那様…私の責任です…｣
｢いや…責任がどうとかいう問題じゃない｡なんで樹がやられるほどのやつがここにいる？｣
｢…私の故郷の者かと｡本来なれば急所を狙うはずですが､わざと外したようなので｣
｢…分家か｣
早急に犯人を見つけて…1家事潰すか｡
｢うわぁぁん!!｣
｢柚､怖い思いしたね｡ごめんね｡大丈夫…父さんが何とかしてあげるからね｣
｢ひぐっ…うぅ…｣
抱き上げてやると柚は背中に小さな手を回してしがみついた｡
｢樹､葵を急ぎ呼び戻せ｡それと父さんに連絡を｣
｢はい｣
…うちの子達に何かするようなら…許さないよ｡
｢ひゅゃっ!!｣
｢あーごめんごめん｡怯えなくていいから｡よしよし…｣