普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。

かーにゅ

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選択編

父ルート 1

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柊二視点


「とうしゃ…」
「ん、柚起きちゃったの?」
「まだお仕事…?」
「ちょっとだけね。でももう終わるから」
「終わるまで待つ…」
柚は僕の座っている椅子の横に座り込んだ。
「雫は?まだ寝てる?」
「母さんは…まだ寝てる…僕…もう1回寝ようと思ったんだけど…あかりがついてるの…見えたから」
…電気つけてやるのまずかったか。
パソコンのあかりだけだと手元の資料読みづらいから付けちゃったけど…明日からはやめておこう。
「…よし、終わったから柚も寝ようか」
「ん…」
抱き上げるとすぐに肩に頭を置いてすりすりしてきた。


寝室に入り、移動する間に眠ってしまった柚をそっとベッドの真ん中に下ろし、僕はその隣に寝転んだ。
「やっぱり柚はそっちに行っていたのね」
「雫…起きてるなら寝かしつけてよ」
「無理よ。起きてすぐにそっちに行ったもの」
「柚は明かりに吸い寄せられる性質でも持ってるの?夜更かしはあんまりさせたくないんだけどな…」
「あなたが夜に仕事をしなきゃいいだけよ」
それはそうなんだけど…。
柚になるべくついているためにはこうするしかないんだよ…。
「んにゅ…」
「大丈夫よ。母さんも父さんも一緒にいるわ」
「ぅ…」
きゅっと指をほんの少しの力で握られた。
…力弱くない?
寝てるといえど…柚にしては弱いような…。
「…あらあら。お熱出ちゃったのね」
「これは明日も学校休ませないといけないやつだ…これ以上嫌われたくないんだけど…」
「嫌っている訳では無いのよ?柚も分かっているもの」
「それでも毎朝あれをやるのは傷つくって…」
最近すぐ体調崩すから毎朝行く行かせないの攻防戦を繰り広げるんだけど…。
2分くらい続くと柚が泣き始めて過呼吸起こしちゃうし最終的には嫌いって言われる…。
「…今から冷やしてたら下がらないかな」
「下がっても向こうについてから上がるでしょうね」
「やっぱそうだよね…」
何もしないよりかはマシだけど…柚に自分が熱を出しているということを自覚させないと…さらに攻防戦が酷くなっちゃう。
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