普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。

かーにゅ

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番外編

ラブレター

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モブ視点です。名前ないです。


「お前なにしてんの?」
「手紙書いてる」
「誰に?」
「…藤沢くん」
「弟の方?」
「そうだけど…」
「やめとけ」
この学校には1つの噂がある。
藤沢に関わると…ろくなことにならない。
現に1人退学になった奴がいる。
「よし!!渡してく…」
「それ柚宛?」
「「え…」」
いつの間にか後ろに凄いかっこいいお兄さんが立っていた。
「柚もう帰っちゃったから預かるよ。…これラブレターだったりする?」
「は、はい…」
「じゃあ僕が兄としてきちんと柚に届けておくね。その代わり、返事が来なかったら二度とこういうのは書かないでね」
「はい!!」
…もうひとつ噂思い出した。
藤沢柚琉くん宛に書いた手紙は…一生返事が来ない。


お兄さんが出ていったあと友人は物凄く喜んでいた。
「…お前知らねぇの?」
「何が?手紙受け取って貰えたんだよ!?」
「あの人…多分藤沢の2番目の直人さんだよ。それに…柚琉くんを溺愛してる1人でもあるって聞いたことがある」
「それとなんの関係が?」
「俺らβとΩの柚琉くん。くっつけるはずがないだろ。どうせ優秀なαが結婚相手になるさ」
「え…じゃあ…あの手紙…」
「噂では初等部から合わせて200を超えるβが手紙を出したけど誰も返事が来ないらしいぞ」
「俺の…手紙…」
絶望した友人の肩にぽんと手を置いた。
「…ちゃんと釣り合うやつ見つけて付き合えよ」
「あぁ…」


















直人視点

「今日もか…」
柚は学校に入ってから1部のαにはいじめられ、その他大勢のα、βには物凄くモテている。
毎日のようにラブレターが机や下駄箱に入っていて、さっきみたいに自分で渡しに行こうとするやつもいる。
「おぉ直人」
「兄さん、回収終わった?」
「あぁ。今日は少ない方だったな。机とかは樹と夏が回収してくれてるし帰るか」
「柚心配だもんね」
熱が少し上がりつつあるって言ってたし安静にしていれば大丈夫だとは思うけど…。











車の中で簡易シュレッダーに回収してきた手紙を全部入れた。
柚の心労は増やしちゃいけないもんね。
無駄に悩むことは伝わる前になくしておかないと。
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