788 / 839
選択編
樹ルート 1
しおりを挟む
樹視点
「柚琉様。起きてください。…柚琉様」
「んー…」
「朝食の時間ですよ。…そんなに抱っこされたいんですか?」
「…樹くんが柚って呼んでくれるまで起きないもん…」
はぁ…とため息をついた。
βとΩ。
番契約を結ぶにはあまりにも繋がりが弱い。
だからなのか柚琉様は僕が柚琉様のことを『柚』と呼ぶことを強要される。
「ひとりで起きられるようになってから言ってください」
「やぁっ!!」
柚琉様を抱き上げて素早く着替えさせ、リビングへと降りた。
「おはよ。柚、樹」
「おはよぉ…」
「別に故郷に連れ帰ってもいいのに…」
「私一人では柚琉様の相手は難しいですから」
それに故郷に戻るとおじい様のおもちゃになるような気がして…。
くぅぅぅ。
「…ごはん」
「柚はクロワッサンとトーストどっちにする?あ、今日はデニッシュの方もあるんだっけ」
「でにっしゅ!!」
「ですって。それに合わせてメインも用意お願いね」
「かしこまりました」
柚琉様を椅子に下ろしたあと私は隣の椅子に腰掛けた。
現在この屋敷には旦那様、奥様、柚琉様の3人とあとは僕達専属の使用人、あとは使用人棟にいる使用人のみ。
他のご家族はみな様独立されていきました。
「働き者な樹にこの屋敷の主人として褒美をあげようか」
「光栄です」
「はい、これ」
机に置かれたチケット。
「ハワイへの往復の飛行機予約しておいたから2人で行っておいで。新婚旅行、まだ行ってないんでしょ?ハワイなら柚も行ったことあるし別荘もあるから好きに使って」
「ありがとうございます」
「はわい?」
「はい。私と柚琉様の2人で行くんですよ」
口の周りについたジャムを拭き取ってやる。
「りょこう?」
「はい」
「ふたりで?」
「ご不満ですか?」
「ううん。すっごく嬉しい!!父さん、母さんありがと!!」
「ふふ。その顔が見たかったの」
「日にちは来月にしてあるから樹はその日仕事休みにさせるね。柚の伴侶として、付き添うんだよ?」
「かしこまりました」
…それはまだ少し苦手だ。
もう10年以上も従者としてお傍に仕えているのだ。
今更伴侶としてだなんて…。
「柚琉様。起きてください。…柚琉様」
「んー…」
「朝食の時間ですよ。…そんなに抱っこされたいんですか?」
「…樹くんが柚って呼んでくれるまで起きないもん…」
はぁ…とため息をついた。
βとΩ。
番契約を結ぶにはあまりにも繋がりが弱い。
だからなのか柚琉様は僕が柚琉様のことを『柚』と呼ぶことを強要される。
「ひとりで起きられるようになってから言ってください」
「やぁっ!!」
柚琉様を抱き上げて素早く着替えさせ、リビングへと降りた。
「おはよ。柚、樹」
「おはよぉ…」
「別に故郷に連れ帰ってもいいのに…」
「私一人では柚琉様の相手は難しいですから」
それに故郷に戻るとおじい様のおもちゃになるような気がして…。
くぅぅぅ。
「…ごはん」
「柚はクロワッサンとトーストどっちにする?あ、今日はデニッシュの方もあるんだっけ」
「でにっしゅ!!」
「ですって。それに合わせてメインも用意お願いね」
「かしこまりました」
柚琉様を椅子に下ろしたあと私は隣の椅子に腰掛けた。
現在この屋敷には旦那様、奥様、柚琉様の3人とあとは僕達専属の使用人、あとは使用人棟にいる使用人のみ。
他のご家族はみな様独立されていきました。
「働き者な樹にこの屋敷の主人として褒美をあげようか」
「光栄です」
「はい、これ」
机に置かれたチケット。
「ハワイへの往復の飛行機予約しておいたから2人で行っておいで。新婚旅行、まだ行ってないんでしょ?ハワイなら柚も行ったことあるし別荘もあるから好きに使って」
「ありがとうございます」
「はわい?」
「はい。私と柚琉様の2人で行くんですよ」
口の周りについたジャムを拭き取ってやる。
「りょこう?」
「はい」
「ふたりで?」
「ご不満ですか?」
「ううん。すっごく嬉しい!!父さん、母さんありがと!!」
「ふふ。その顔が見たかったの」
「日にちは来月にしてあるから樹はその日仕事休みにさせるね。柚の伴侶として、付き添うんだよ?」
「かしこまりました」
…それはまだ少し苦手だ。
もう10年以上も従者としてお傍に仕えているのだ。
今更伴侶としてだなんて…。
0
お気に入りに追加
1,994
あなたにおすすめの小説
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
3人の弟に逆らえない
ポメ
BL
優秀な3つ子に調教される兄の話です。
主人公:高校2年生の瑠璃
長男の嵐は活発な性格で運動神経抜群のワイルド男子。
次男の健二は大人しい性格で勉学が得意の清楚系王子。
三男の翔斗は無口だが機械に強く、研究オタクっぽい。黒髪で少し地味だがメガネを取ると意外とかっこいい?
3人とも高身長でルックスが良いと学校ではモテまくっている。
しかし、同時に超がつくブラコンとも言われているとか?
そんな3つ子に溺愛される瑠璃の話。
調教・お仕置き・近親相姦が苦手な方はご注意くださいm(_ _)m
元会計には首輪がついている
笹坂寧
BL
【帝華学園】の生徒会会計を務め、無事卒業した俺。
こんな恐ろしい学園とっとと離れてやる、とばかりに一般入試を受けて遠く遠くの公立高校に入学し、無事、魔の学園から逃げ果すことが出来た。
卒業式から入学式前日まで、誘拐やらなんやらされて無理くり連れ戻されでもしないか戦々恐々としながら前後左右全ての気配を探って生き抜いた毎日が今では懐かしい。
俺は無事高校に入学を果たし、無事毎日登学して講義を受け、無事部活に入って友人を作り、無事彼女まで手に入れることが出来たのだ。
なのに。
「逃げられると思ったか?颯夏」
「ーーな、んで」
目の前に立つ恐ろしい男を前にして、こうも身体が動かないなんて。
全校生徒の肉便器
いちみやりょう
BL
人気投票で生徒会などが選ばれる学園で肉便器に決まってしまった花倉詩音。まずは生徒会によるみそぎと開通式ということで全校生徒の前で脱糞ショー。これから始まる肉便器生活はどうなっていくのか!?
ーーーーーーーーーー
主人公は終始かわいそうな目にあいます。
自己責任で読んでください。
小さい頃、近所のお兄さんに赤ちゃんみたいに甘えた事がきっかけで性癖が歪んでしまって困ってる
海野
BL
小さい頃、妹の誕生で赤ちゃん返りをした事のある雄介少年。少年も大人になり青年になった。しかし一般男性の性の興味とは外れ、幼児プレイにしかときめかなくなってしまった。あの時お世話になった「近所のお兄さん」は結婚してしまったし、彼ももう赤ちゃんになれる程可愛い背格好では無い。そんなある日、職場で「お兄さん」に似た雰囲気の人を見つける。いつしか目で追う様になった彼は次第にその人を妄想の材料に使うようになる。ある日の残業中、眠ってしまった雄介は、起こしに来た人物に寝ぼけてママと言って抱きついてしまい…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる