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選択編
白雪王子
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「ん…」
「王子、起きてください」
「やぁ…すぴぃ…」
「…起きてください」
「すぴぴぴ…ぴきゅっ!?」
急に布団を取られた。
「朝食は家族みんなで、と王命で定められているでしょう?」
「…僕まだ眠ぃ…」
「はいはい。着替えて行きますよ」
僕はベッドの上にぼーっと座っているだけで僕の従者、樹くんが着替えさせてくれる。
「すぅ…すぅ…」
「寝ないでください!!」
無理矢理起こされて食卓につかされた。
うぅ…まだ眠いんだってば…。
「おはよう柚は…また起きれなかった?」
「早すぎるの…ふぁぁ…」
「柚、早起きは三文の徳とも言うのよ?」
「そんなことないもん…」
まず…僕の睡眠時間が減る。
あと眠くて転んで色んなとこ怪我する。
樹くんに怒られる。
「…損することしかないよぉ」
「そんなことないわ……」
「…雫?」
「…母さん?」
母さんは急に黙ってしまい…そのまま倒れた。
「…え…?」
「王子、見てはなりません」
樹くんは僕の目を覆い、抱き上げた。
「樹く…かあさんが…」
「…元々お体が弱かったのです。王子、あなたはいづれこの国を背負うものとしてしっかりなさ…」
「ふぁぁ…」
「…こんな時でも眠たくなるんですかあなたは」
「…かあさん…元気になるかな」
「…どうでしょうね」
僕の元気分けてあげられたらいいのにな。
数日後、母さんはそのまま息を引き取った。
「なん…ふぇ…」
「…王子」
「なんれ…なんれぇ…」
元気になるって言ったのに…。
そのまた数日後には新しいお妃様が来ていた。
「…母さん…死んじゃったばっかりなのに…」
僕はお布団の中で小さく丸まった。
母さんが死んじゃってからは父さんも樹くんも朝ご飯に時間通りに行かなくても何も言わなくなった。
「王子、気分転換をしに外に出ましょうか」
「…ん」
お外に出て当然のように迷子になった。
「くすん…ふぇぇん…」
「「どーしたのー?」」
「僕より…ちっちゃい…ひと?」
「「おうちおいでー」」
僕は小人さんに引っ張られて小人さんのお家に招かれた。
「「「「「おかえりー」」」」」
「「きれいなひとひろったー」」
僕拾われてた!?
「「「「「「「おなまえなーにー?」」」」」」」
「僕…?僕は柚琉だよ」
なんか城下では白雪って呼ばれてるみたいだけど。
…僕が全然日焼けしてないからかな?
コンコン。
「「ぼくでるー」」
2人の小人さんは協力してドアを開けた。
「美味しいリンゴはいかが…?」
「「りんごっ!!りんごすきー!!」」
「…ほら…そこの白雪も」
ふぇ?
「僕…?」
りんごを持ってきたおばあさんは僕にりんごを渡した。
…美味しそう。
「あ、でも…」
「どうしたんだい?」
「樹くんが他の人から貰ったもの食べないでって言ってたからいらないです」
「王子、正しい判断ですねっと」
おばあさんを後ろから殴ったのは…樹くんだった。
「ふぇ!?おばあさん大丈夫!?」
「騙されないでください。こいつは新しい妃ですよ。全く…自分の子供が産まれたら王子が邪魔になるからって暗殺計画を立てるなんて…」
「…あんさつ…?」
「大丈夫です。あなたのことは私の命をかけてでも守ります」
「ありがと…」
「「りんごー!!」」
「それを食べるな!!」
樹くんは小人さんが拾おうとしたりんごを踏み潰した。
「…さ、帰りますよ」
「うん…」
そして新しいお妃様は永久的に国外追放され、お妃様の故郷は父さんの手によって徹底的に潰された。
「王子、起きてください」
「やぁ…すぴぃ…」
「…起きてください」
「すぴぴぴ…ぴきゅっ!?」
急に布団を取られた。
「朝食は家族みんなで、と王命で定められているでしょう?」
「…僕まだ眠ぃ…」
「はいはい。着替えて行きますよ」
僕はベッドの上にぼーっと座っているだけで僕の従者、樹くんが着替えさせてくれる。
「すぅ…すぅ…」
「寝ないでください!!」
無理矢理起こされて食卓につかされた。
うぅ…まだ眠いんだってば…。
「おはよう柚は…また起きれなかった?」
「早すぎるの…ふぁぁ…」
「柚、早起きは三文の徳とも言うのよ?」
「そんなことないもん…」
まず…僕の睡眠時間が減る。
あと眠くて転んで色んなとこ怪我する。
樹くんに怒られる。
「…損することしかないよぉ」
「そんなことないわ……」
「…雫?」
「…母さん?」
母さんは急に黙ってしまい…そのまま倒れた。
「…え…?」
「王子、見てはなりません」
樹くんは僕の目を覆い、抱き上げた。
「樹く…かあさんが…」
「…元々お体が弱かったのです。王子、あなたはいづれこの国を背負うものとしてしっかりなさ…」
「ふぁぁ…」
「…こんな時でも眠たくなるんですかあなたは」
「…かあさん…元気になるかな」
「…どうでしょうね」
僕の元気分けてあげられたらいいのにな。
数日後、母さんはそのまま息を引き取った。
「なん…ふぇ…」
「…王子」
「なんれ…なんれぇ…」
元気になるって言ったのに…。
そのまた数日後には新しいお妃様が来ていた。
「…母さん…死んじゃったばっかりなのに…」
僕はお布団の中で小さく丸まった。
母さんが死んじゃってからは父さんも樹くんも朝ご飯に時間通りに行かなくても何も言わなくなった。
「王子、気分転換をしに外に出ましょうか」
「…ん」
お外に出て当然のように迷子になった。
「くすん…ふぇぇん…」
「「どーしたのー?」」
「僕より…ちっちゃい…ひと?」
「「おうちおいでー」」
僕は小人さんに引っ張られて小人さんのお家に招かれた。
「「「「「おかえりー」」」」」
「「きれいなひとひろったー」」
僕拾われてた!?
「「「「「「「おなまえなーにー?」」」」」」」
「僕…?僕は柚琉だよ」
なんか城下では白雪って呼ばれてるみたいだけど。
…僕が全然日焼けしてないからかな?
コンコン。
「「ぼくでるー」」
2人の小人さんは協力してドアを開けた。
「美味しいリンゴはいかが…?」
「「りんごっ!!りんごすきー!!」」
「…ほら…そこの白雪も」
ふぇ?
「僕…?」
りんごを持ってきたおばあさんは僕にりんごを渡した。
…美味しそう。
「あ、でも…」
「どうしたんだい?」
「樹くんが他の人から貰ったもの食べないでって言ってたからいらないです」
「王子、正しい判断ですねっと」
おばあさんを後ろから殴ったのは…樹くんだった。
「ふぇ!?おばあさん大丈夫!?」
「騙されないでください。こいつは新しい妃ですよ。全く…自分の子供が産まれたら王子が邪魔になるからって暗殺計画を立てるなんて…」
「…あんさつ…?」
「大丈夫です。あなたのことは私の命をかけてでも守ります」
「ありがと…」
「「りんごー!!」」
「それを食べるな!!」
樹くんは小人さんが拾おうとしたりんごを踏み潰した。
「…さ、帰りますよ」
「うん…」
そして新しいお妃様は永久的に国外追放され、お妃様の故郷は父さんの手によって徹底的に潰された。
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