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選択編

柚夏依存症 9

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「ひぐっ…」
「あーはいはい。痛かったね」
「か…がまれだぁ…!!」
「…まさか哺乳瓶と間違えて柚を噛んじゃうとは」
確かに柚はいつも甘い匂いするけどさ。
「も…もうゆうどのおぜわじない…」
「いいの?」
「なづがいればいいもん…」
「夏の名前は夏羽だよ?ほら、鼻かんで」
チーンっと鼻をかませてもまだぐじゅぐじゅしてる。
あれ…これまさか。
「アレルギー反応…?」
「うりゅ?」
「…ちょっと待ってて。薬持ってくるから」
「っ!?僕も一緒に行く!!」
柚は夏の背中にくっついた。
何このひっつき虫。
可愛い。
「…えっと…アレルギー性鼻炎の薬…」
…あった。
いやこれ違う薬だ。
「もう柚の薬多すぎ」
「全部は飲んでないもん。今はその中の数種類だけに減ったもん」
「その分サプリが追加されたんでしょ。ご飯食べないから…」
「お腹すいてないもん!!あ、でも今はお腹すいてる」
「分かった。なんか作るからそこで見てて」
柚をカウンター席に下ろし、夏はキッチンに入った。
うーん…お腹すいてるならすぐに何か食べさせた方がいいかな。
「何作るのー?」
「あ、そうだ。冷蔵庫に確かトマトあったよね。柚の好きなカプレーゼ作ろっか」
「やったぁ!!」
「あ、でもモッツァレラチーズないか」
「ご用意致しました」
うぉ!?
…なんだ睦樹か。
「オリーブオイルまで揃えておいてくれたんだ。柚やる?」
「やる!!」
トマトとチーズを輪切りにしたら器とオリーブオイルと一緒に柚に渡す。
うちでは盛り付け担当は柚だから。
「できたっ!!」
「他に食べたいのある?」
「グラタンっ!!」
「…今日は無理。明日作ってあげるから」
グラタンか。
…シーフードグラタンはやめた方がいいかな。
柚は疲れてると海鮮系にアレルギー反応出ちゃうし。
「えびっ!!えびのがいい!!」
…イカ抜きで作ろうかな。
エビとコーンとブロッコリーと…あとはしめじも隠して入れておこうかな。
「柚琉様にはこちらをどうぞ」
樹は柚に小さめのランチボックスを渡していた。
多分あの中身サンドイッチかな。
じゃあ柚のお昼ご飯はそれでいいか。
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