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選択編

柚VS樹

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「…いけません」
「やぁだ!!」
「…柚琉様。ここがどこで今何をしているか分かりますか?」
僕は頬を膨らませたまま答えた。
「病院で点滴中!!だから帰りたいの!!」
「もう少し待つだけですよ。ほら、もう終わるじゃないですか」
「…このあと他の検査するって言ってた」
「柚琉様がお倒れになるからでしょう?」
…さっきちょっとふらってなっただけだもん。
椅子とか倒しちゃっておっきな音出ただけだもん。
「痛いのは分かりますが少しだけですから」
「やだっ!!もうすぐおやつの時間!!」
「そうですね…ではきちんと検査を受けられたら帰りに何か買っていきましょうか」
「ドーナツ!!ドーナツ食べたい!!」
「…いいでしょう」
よし、頑張る!!
「あ、でもおちゅーしゃ泣いたら…?」
「…1度だけなら許しましょう。この後注射以外の検査もあるそうなので頑張ってくださいね?」
…え?
「柚琉様のお嫌いな機械を使ったものですが」
僕は点滴の棒を掴んで出口へ駆け出した。
「逃がしませんよ」
「やだぁぁ!!怖い!!怖いもん!!」
「あなたは閉所恐怖症ではないでしょう?むしろ好きではありませんか」
「あれは嫌いなのー!!」
えむあーるあいとか!!
意味わかんないしいっつもやった後に入院って言われるもん!!
すいじゃくしてるからって僕そんなに痩せてないもん!!
…確かにお野菜嫌いなの多いしご飯食べられないからお菓子ばっかり食べてるけど。
えいよーしっちょーなるよって言われたけど食べれないんだもん。
「そろそろ終わ……」
「先生。早めに部屋移動できませんか?それこそ個室に…」
「…あー…うん。行こっか」
「嫌だぁぁぁぁ!!」
僕行かない!!
行かないもん!!
ドーナツいらないから!!
ドーナツいらないから連れていかないで!!
そんな僕の叫びは虚しく樹くんに抱っこされて運ばれてしまったのだった。








『それじゃあ撮りますよー』
…。
『…え?気絶してる…?』
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