普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です｡帰らせて｡

選択編

柚VS夏

｢夏!!僕のおやつ食べたでしょ!!｣
｢食べてないよ｣
じゃあ誰が僕のおやつ食べちゃったの!!
僕のくまさんクッキー!!
｢…知らないよ｣
｢あれ？夏…不機嫌？｣
｢誰かさんが夏のこと疑うからだよ｣
僕のせい？
僕のせいなの？
｢夏ごめんなさい…僕のせい…？｣
｢…違うよ｡ちょっとイライラしてて柚にあたっちゃっただけ｡夏こそごめんね？｣
夏は僕を膝の上に乗せた｡
…ここ1番安心する｡
僕はすっかり安心しきって夏に完全に背中を預けた｡
｢…高等部って勉強難しいからやになっちゃう｣
｢そうかな？知らないこと知れるの楽しいよ｣
｢…むぅ｡柚は部活も来てよー!!せっかくこの間の試合夏がシュート決めたのに…｣
｢マネージャーなのに行けるの？｣
｢そりゃ試合だもん｡ついていけるよ､コートの中には入れないけどね｣
それでも…十分だ｡
いつもは病院で動画見るだけだったもん｡
なんとかしていけるようになりたいな｡
｢…行きたい？｣
｢うん!!｣
｢じゃあ今度の土曜日の練習試合はうちの学校でやるし柚もおいでよ｡マネージャーって言ってもマネージャーはたくさんいるし柚は座って夏のこと応援してくれればいいから｣
｢はぁい｣
……あれ？
そういえば僕おやつ食べてな…｡
くぅぅぅ｡
お腹なっちゃった｡
｢じゃあ柚のおやつ探しに行こうか｣
｢うん!!｣
夏はすっかり大人っぽくなっちゃった｡
僕は子供っぽいままなのに…｡