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選択編

翔ルート 3

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「では柚琉様。私は失礼しますね」
「んぁ…ぁい…」
「じゃあな」
樹はドアを開けて室内の温度を適温に設定するとすぐに出ていった。
「柚、風呂入るか?」
「やらぁ…」
プツンと何かが切れた音がした。








「…っ。寝てた!?」
慌ててベッド横の時計を見ると…
「…やらかした」
パーティーから既に3日経っていた。
つまり3日間、理性を失って記憶がなくなるほど柚を貪っていたということ。
…やべ。
「…柚?」
柚の方は幸せそうな顔で眠っている。
…痩せてはないし食事はさせてたのか、俺。
コンコン。
「…優希か?」
「はい。…入っても?」
「あぁ。いいぞ」
許可を出すと音もなく扉を開け入ってきた。
「ようやく人の目をされるようになりましたね…」
「…そんなにやばかったか?」
「えぇ。飢えた獣の目をしていましたよ。こちら、緊急の書類です」
「…ありがとう。すぐ目を通すから待っててくれ」
「かしこまりました」
ベッドに腰掛けたまま書類に目を通していく。
大体いつもと変わりないな…。
相手側にいくつかミスがあったくらいか。
「この会社ってミス何度目だっけ?」
「もう今月に入って3回目です」
「…そろそろ切るか」
金額のミスは見過ごせないからな。
「…ん…おしごと…?」
「起こしたか。悪かったな」
柚は俺の膝に頭を乗せた。
「いぃ…一緒にいてくれるの…うれし」
「まだ寝てていいぞ。俺ここに居るから」
「…やだ。兄さんが起きてるなら僕も起きる」
「…そうか。ならご飯食べるか」
「ヨーグルトっ!!」
柚のリクエストはヨーグルトっと。
「優希。これ会社持って帰れ。明日からは出社する」
「はい。ではいつもの時間にお迎えにあがります」
「頼んだぞ」
優希を送り出し柚をシーツで包んでソファーに座らせておく。
「なんか見るか?」
「兄さん見てるからいい!!」
「…頼むからもう煽るようなこと言わないでくれ」
「ふにゅ?」
1週間なら優希が調節するから休めるけど今煽られたら本当にやばいから。
「…」
料理して少しは落ち着かせよう。
俺の分は…パスタでいいや。
柚が欲しいって言ってもいいようにミートソースパスタを1人前と半人前用意して…。
食べないなら食べないで俺が食べればいいし。
「パスタ!?僕の分もある!?」
「あるぜ。ミートソースパスタでいいだろ?」
「うん!!」
やっぱり柚も食べるんだな。
…デザートにヨーグルト出すか。
柚のお気に入りのいちごジャム入れて。
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