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選択編

樹の里編part8

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もう省略していいよね?

「夏!!こっち!!」
「柚待ってぇ!!」
「2人とも遠くまでは行っちゃダメよ」
「「はぁい!!」」
柚琉様と夏羽様は着物に着替え、走っていってしまった。
「…奥様はお気づきですよね?」
「えぇ。柚と夏で帯の色も違うもの」
「…言わないんですか?」
「その方が似合っているもの。…あっちでも時々着物を着せるのはいいかもしれないわね」
「…そうですね」
母様から着付けを教えてもらわないと…。
「…樹くん一緒に遊ばないの?」
いつの間にか柚琉様がこちらに戻ってきていた。
「今日は夏羽様がいらっしゃいますから」
「僕樹くんとも遊びたい。…ダメ?」
「ダメというわけではありませんが…」
「樹。行ってくれば?」
「母様まで…」
「どうせお前が気にしてんのは怪我か奥様のことだろ?俺に任せろ!!」
母様だから任せられないんですけど!!
「母様僕が3歳の頃骨折して何しました?」
「抱き抱えて長にぶん投げた」
「そんなことしてほしくないから任せられないんでしょう!!」
「長に任せるのが1番だろ?」
「おかげですぐに病院には連れて行ってもらえましたけど治った後に訓練増やされましたからね!!」
「良かったじゃねぇか」
…そうだった。
母様は里で唯一の長についていける人だった…。
「樹くん」
「…わかりました。一緒に遊びます」
「「わぁい!!」」
「…母様。奥様には何もしないでくださいね」
「はいはい」
…心配だ。
「樹くん!!かくれんぼしよ!!」
「かくれんぼですか?」
「僕達が隠れるから樹くんが探してね」
「それはいいのですが家の庭から出てはダメですよ」
「お庭だけ?」
「はい」
目の届く範囲にいてもらわないと…。
「じゃあ夏からもお願い」
「なんでしょうか?」
「夏達ちゃんと隠れるから樹も手を抜いちゃダメだよ?」
「…はい」
…数秒で終わるけどいいんだろうか。
「じゃあ10数えてねー」



「もういいでしょうか」
「「もういいよっ!!」」
夏羽様の声は左から、柚琉様の声は右から聞こえた。
「夏羽様は松の木の下の植え込みで柚琉様は奥様の後ろですね」
「なんでわかったの!?」
「夏見えないようにしたはずなのに…」
「声の方向で分かりますよ」
「むぅ…もう1回!!」



結局昼食までずっとかくれんぼをやり、毎回僕が勝ってしまった。
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