普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。

かーにゅ

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選択編

樹の里編part5

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いーかーりゃーくー!!

「柚琉様起きてください。朝ですよ」
「んぅ…」
もぞもぞ動き布団の中に潜ってしまった。
こうなるとなかなか起きない。
だから気が済むまで寝かせておく。
そうすると…



1時間後…
「なんで起こしてくれなかったの!!」
怒りに来る。
「起きなかったのは柚琉様ですよ。私は何度も起こしましたが」
「う…」
「…朝食。何にしますか?」
「え…?」
「もう8時ですし家族は全員出ていってしまったので私が作りますよ」
「僕もやる!!」
「やらせません」
オーブントースターや電子レンジも使ったことないのに。
「洋食と和食どちらがいいですか?」
「洋食!!」
洋食か…何があったかな。
冷蔵庫を開け、ベーコンと卵、それと人参、キャベツを発見した。
パンはクロワッサンと食パンの2種類があるけど…どっちのがいいんだろう。
「柚琉様。クロワッサンとトーストどちらがいいですか?」
「トースト!!」
…ならもう半分に切っておいて…。
もう半分は卵サンドにでもしておけばお腹が空いた時にでも食べられるか。
人参を切り、グラッセを作る。
…こうしないと食べてくれないからね。
「甘いの?」
「人参のグラッセですよ」
「ぐらっせ!!」
「キャベツはどうします?」
「こーるすろー」
「わかりました。…あとキッチンに入ってこないであちらで待っていてください」
「んにゅぅ…」
とぼとぼと帰っていきぺたんと床に座った。
「…よし」
プレートに盛り付けて柚琉様の元へ持っていく。
「いい匂い!!」
「うちにジャムはなかったのでこのベーコンエッグを乗せて食べてくださいね」
「はぁい」
食べ始めた柚琉様を僕は近くで見守る。
何があるか分からないから。
卵はきちんと食べられるように中までしっかり火を通した。
…本当は白身に完全に火が通っていれば食べられるんだけど念の為。
「むぐむぐ。樹くんは食べないの?」
「私はもう食べましたから」
「…一緒に食べたかったな…」
「…明日から柚琉様が早起きしてくださるのでしたらご一緒させていただきます」
「…頑張る」
…明日も多分起きるの8時以降なんだろうな。
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