普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。

かーにゅ

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選択編

柚の死亡ルート 5

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柚視点

「ぜぇ…はぁ…」
「ゆずー!!もうちょっとあるこーよー!!」
「ごめ…なちゅ…も…むぃ…」
「…一周も出来ない…」
なお兄さんは僕を抱き上げた。
「はぁ…はぁ…」
「ちょっとだけでも歩けたね。病室戻ろうか」
「うん…」
 苦しい…。
息が…整わない。




「はぁ…ふぅ…」
「柚、お水飲む?」
「…ん」
少しだけ水を飲んでベッドに横になった。
「辛いね。…もうちょっとだけ頑張れる?」
「あぃ…」
頭も痛くなってきた…。
「ゆずねんねー?」
「夏。柚のねんねの邪魔しちゃいけないよ」
「はぁい。…なつもいっしょにねんねするー!!」
「…どーじょ…」
布団を少しだけめくって夏を中に招き入れた。
「え!?あ、ちょっと!!」
あれ…なんだかさっきより苦しい…。
「夏!!ちょっと起きて!!」
「ふぇ?」
夏が起き上がると下に僕の鼻に繋がっている管があった。
「…夏。一緒に寝るのはいいけどこういう管やコードを踏んじゃいけないよ」
「はぁい」



直人視点

眠る柚と夏。
「…はぁ」
学校の図書室でも調べたけど柚の心臓の手術をするためにはある程度の体力が必要で…だけど今の柚は少し歩いただけで息切れしちゃうから露骨に歩かせることも出来ない。
「…直人。来てたんだ」
「父さん…仕事は?」
「ここ最近は午前だけにして午後は柚と一緒にいるようにしてる。学校はいいの?」
「…僕は来年には卒業するし生徒会と言っても初等部のはほとんど何もしないから」
「…柚が心配?」
…そりゃ心配するよ。
「…直人。父さんが柚の手術早めるって言ったら反対する?」
…は?
「え…父さんこの前今のままじゃ危ないって先生と話してたんじゃ…」
「事情が変わった。…このままだと柚は1年もたない」
「…だったら賛成する。あの先生なら…助けてくれるんでしょ?」
「…柚へも明日説明しようと思って」
…暴れるだろうな。
明日は僕も来よう。
説得用のお菓子とおもちゃ持って。
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