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選択編
番外編 柚の奇病『花吐き病』
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ちょっとネタが切れてきたんで番外編です。…漫画で読んだやつだけど。
あとこちらの都合で柚が小学生の時としまーす。じゃないと柊せんせー出しにくいからでーす。
柚視点
「…柚どうしたの?」
「…なんか…気持ち悪い…」
「…柚も?…なんか…夏も気持ち悪い…どうしたんだろ…」
夏と一緒に向き合ってベッドに寝転んだ。
「夏羽様、柚琉様朝ですよ」
「…睦樹か。ごめん…夏も体調崩した…」
「夏羽様も?…柚琉様も体調悪いんですか?」
「…症状は吐き気だけ…ぅ」
「…夏のがまだ軽いからだいじょーぶ…父さんに言って…病院連れてって」
「はい。今すぐ行ってまいります」
夏は睦樹を送り出すと僕の頭を撫でた。
「…大丈夫だよ。夏がついてるからね」
「…ん」
夏がいれば…安心出来る。
…いつもなら僕すぐ吐いちゃうのに。
今は気持ち悪いって思うだけで吐くことはないもん。
「柚琉様!?」
「…樹。いつもより焦ってない?」
「…すみません。取り乱しました。車の用意が整いましたので呼びにまいりました」
「だって。柚立てる?」
「…むり」
胸元が…むかむかして…気になる。
「失礼しますね」
樹くんは僕を抱き上げ、夏はそのまま歩いてついてきた。
「ふぁぁ…まだちょっと眠い…」
「…柚琉様。バケツお持ちしましょうか?」
「ううん…大丈夫…」
「…ぅ」
「吐きそう?…そこの容器取って」
僕の口から零れたのは…
「…花?…柚琉くん?お腹すいても花は食べちゃダメだよ?」
「違うもん!!…うぅ…」
その後数分ほど花を吐き続けるとやっと収まった。
「…こんな漫画みたいな病気あったんだ…」
「…先生病名がわかるんですか?夏羽様も同じような症状で…」
「…花吐き病だろうね。架空の病気。好きな人を思うと花を吐き出す…だっけ?柚琉くん好きな人いる?」
「…みんな大好き…」
「あー…うん。伝わらないのは分かってた」
…どうして?
ちゃんと答えたよ?
「…前例のない病気だから…今のところ治療法はないんだ。とりあえず入院して様子を見ようか」
「ぴぇ!?」
「夏羽くんも同じ部屋へ。…経過観察は細かくね」
「はい」
…入院…。
でも…夏も一緒なら…いいのかな?
夏視点
夏達が入れられたこの部屋。
絶対に普通の部屋じゃない。
無菌室のように廊下側には大きなガラスが設置されこちらからは何も見えないから多分マジックミラーになってる。
…これじゃ夏達は閉じ込められて観察されるだけじゃないか。
「…夏?どうしたの?」
「なんでもない」
怖がりな柚にこのことを知られるわけにはいかない。
…大丈夫。
「樹くんがね、ぬいぐるみいっぱい持ってきてくれるって。夏のゲームもお願いしておいたの」
「ありがと。それ届いたら一緒に遊ぼうね」
「うん!!」
定期的に花を吐く以外は普通な柚と夏。
…どうなるんだろう。
「…ぇ」
「柚?吐きそう?」
夏は柚にガラスの方に背を向けるようにし、バケツを持たせて背中を摩った。
耐えるよりも吐いちゃう方が楽だからね。
「…おぇ…」
「苦しいね。もうちょっとだから頑張って」
…夏の方はあんまり吐かないな。
何か違いがあるのかも。
「…なつ…ありがと。もういい…」
柚はバケツを手放すとすぐにベッドに横になった。
…顔色が悪い。
「…ちょっとだけ…お昼寝するね…」
「ん。おやすみ」
しばらくするとすぅすぅと寝息が聞こえてきた。
…今なら大丈夫かな。
夏はガラスの正面に立った。
「ねぇどうせ見てるんでしょ」
すりガラスのようになっていたガラスが一瞬で普通のガラスとなり、向こう側が見えるようになった。
…案の定、白衣を着てバインダーを持った人が数人立っていた。
「子供をこんなふうに観察して楽しい?夏達は病気といってもそれ以外は普通なんだけど。他の子から隔離するのは伝染するか分からないから?」
何も言わない向こう側の人達。
…まぁそうだろうね。
柚の元に戻ると…
「…柚?何してるの?」
「甘い匂いがする…お砂糖みたいな」
「お砂糖?」
…この部屋にあるものでそんな匂いがするのなんてなかったはず…。
「…もしかして」
「「これ?」」
柚がさっき吐いた花。
1つ摘んで匂いを嗅いでみると確かに甘い匂いがする。
「…なんか飴細工みたいだね」
「食べれるかな…」
やばい!!
柚がお菓子がないからって花を食べようとしてる!!
「柚!!あとで樹にお菓子も頼も!!だからそれまで待って!!」
「はむっ」
本当に食べちゃった!!
「…美味しい。夏も食べて」
「え?むぐっ」
柚に花びらを突っ込まれた。
…確かに砂糖の…飴細工の味だ。
「…食用の花?」
「でもどうしてそれが夏達の体から出るの?」
多分柚の花が甘いのは柚がお砂糖大量に摂取してるからだと思うけど…。
「…夏のはオランジェットみたい…甘くてちょっと苦い」
「…この花全部食べれるのか。…柚もう食べちゃダメだよ?」
「んむ?」
「だーかーらー!!食べちゃダメって言ってるでしょ!!」
柚の顎を掴み、口に入っていた花を全部吐き出させる。
「…むぅ」
「そんな顔してもダメ!!」
あとこちらの都合で柚が小学生の時としまーす。じゃないと柊せんせー出しにくいからでーす。
柚視点
「…柚どうしたの?」
「…なんか…気持ち悪い…」
「…柚も?…なんか…夏も気持ち悪い…どうしたんだろ…」
夏と一緒に向き合ってベッドに寝転んだ。
「夏羽様、柚琉様朝ですよ」
「…睦樹か。ごめん…夏も体調崩した…」
「夏羽様も?…柚琉様も体調悪いんですか?」
「…症状は吐き気だけ…ぅ」
「…夏のがまだ軽いからだいじょーぶ…父さんに言って…病院連れてって」
「はい。今すぐ行ってまいります」
夏は睦樹を送り出すと僕の頭を撫でた。
「…大丈夫だよ。夏がついてるからね」
「…ん」
夏がいれば…安心出来る。
…いつもなら僕すぐ吐いちゃうのに。
今は気持ち悪いって思うだけで吐くことはないもん。
「柚琉様!?」
「…樹。いつもより焦ってない?」
「…すみません。取り乱しました。車の用意が整いましたので呼びにまいりました」
「だって。柚立てる?」
「…むり」
胸元が…むかむかして…気になる。
「失礼しますね」
樹くんは僕を抱き上げ、夏はそのまま歩いてついてきた。
「ふぁぁ…まだちょっと眠い…」
「…柚琉様。バケツお持ちしましょうか?」
「ううん…大丈夫…」
「…ぅ」
「吐きそう?…そこの容器取って」
僕の口から零れたのは…
「…花?…柚琉くん?お腹すいても花は食べちゃダメだよ?」
「違うもん!!…うぅ…」
その後数分ほど花を吐き続けるとやっと収まった。
「…こんな漫画みたいな病気あったんだ…」
「…先生病名がわかるんですか?夏羽様も同じような症状で…」
「…花吐き病だろうね。架空の病気。好きな人を思うと花を吐き出す…だっけ?柚琉くん好きな人いる?」
「…みんな大好き…」
「あー…うん。伝わらないのは分かってた」
…どうして?
ちゃんと答えたよ?
「…前例のない病気だから…今のところ治療法はないんだ。とりあえず入院して様子を見ようか」
「ぴぇ!?」
「夏羽くんも同じ部屋へ。…経過観察は細かくね」
「はい」
…入院…。
でも…夏も一緒なら…いいのかな?
夏視点
夏達が入れられたこの部屋。
絶対に普通の部屋じゃない。
無菌室のように廊下側には大きなガラスが設置されこちらからは何も見えないから多分マジックミラーになってる。
…これじゃ夏達は閉じ込められて観察されるだけじゃないか。
「…夏?どうしたの?」
「なんでもない」
怖がりな柚にこのことを知られるわけにはいかない。
…大丈夫。
「樹くんがね、ぬいぐるみいっぱい持ってきてくれるって。夏のゲームもお願いしておいたの」
「ありがと。それ届いたら一緒に遊ぼうね」
「うん!!」
定期的に花を吐く以外は普通な柚と夏。
…どうなるんだろう。
「…ぇ」
「柚?吐きそう?」
夏は柚にガラスの方に背を向けるようにし、バケツを持たせて背中を摩った。
耐えるよりも吐いちゃう方が楽だからね。
「…おぇ…」
「苦しいね。もうちょっとだから頑張って」
…夏の方はあんまり吐かないな。
何か違いがあるのかも。
「…なつ…ありがと。もういい…」
柚はバケツを手放すとすぐにベッドに横になった。
…顔色が悪い。
「…ちょっとだけ…お昼寝するね…」
「ん。おやすみ」
しばらくするとすぅすぅと寝息が聞こえてきた。
…今なら大丈夫かな。
夏はガラスの正面に立った。
「ねぇどうせ見てるんでしょ」
すりガラスのようになっていたガラスが一瞬で普通のガラスとなり、向こう側が見えるようになった。
…案の定、白衣を着てバインダーを持った人が数人立っていた。
「子供をこんなふうに観察して楽しい?夏達は病気といってもそれ以外は普通なんだけど。他の子から隔離するのは伝染するか分からないから?」
何も言わない向こう側の人達。
…まぁそうだろうね。
柚の元に戻ると…
「…柚?何してるの?」
「甘い匂いがする…お砂糖みたいな」
「お砂糖?」
…この部屋にあるものでそんな匂いがするのなんてなかったはず…。
「…もしかして」
「「これ?」」
柚がさっき吐いた花。
1つ摘んで匂いを嗅いでみると確かに甘い匂いがする。
「…なんか飴細工みたいだね」
「食べれるかな…」
やばい!!
柚がお菓子がないからって花を食べようとしてる!!
「柚!!あとで樹にお菓子も頼も!!だからそれまで待って!!」
「はむっ」
本当に食べちゃった!!
「…美味しい。夏も食べて」
「え?むぐっ」
柚に花びらを突っ込まれた。
…確かに砂糖の…飴細工の味だ。
「…食用の花?」
「でもどうしてそれが夏達の体から出るの?」
多分柚の花が甘いのは柚がお砂糖大量に摂取してるからだと思うけど…。
「…夏のはオランジェットみたい…甘くてちょっと苦い」
「…この花全部食べれるのか。…柚もう食べちゃダメだよ?」
「んむ?」
「だーかーらー!!食べちゃダメって言ってるでしょ!!」
柚の顎を掴み、口に入っていた花を全部吐き出させる。
「…むぅ」
「そんな顔してもダメ!!」
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