普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。

かーにゅ

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選択編

夏羽ルート 6

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「夏。およーふくちょーだい」
「洋服ならクローゼットにあるよ?新しいの欲しいの?」
「夏のが欲しいの」
…あぁ。
巣作りか。
「夏のは右側のクローゼット全部だよ。反対側には柚のリュックとか置いてあるし見分けつくと思うけど」
「…わかった。お部屋入っちゃダメだからね?」
「はいはい」
…ん?
…待って?
今夏のために巣作りしてるんだよね?
何故夏が入っちゃいけないんだ?
え?
…巣作りって子供欲しいってことでしょ?
夏必要でしょ?
そーっと寝室を覗いてみると柚がベッドの上に夏の服を円形に並べ、満足そうな顔をしていた。
…若干ぬいぐるみが混じってるのが柚らしいな。
「夏見ちゃダメ!!」
夏に気がついた柚がこちらにぬいぐるみを投げてきた。
「ダメなの?立派な巣が出来たらもう1人の巣の主も呼んで欲しいんだけどな」
「ここは僕の!!」
「…いや柚?」
「僕の赤ちゃんの場所なの!!入っちゃダメ!!」
…ん?
「柚?」
「2人しか入れないの!!」
「巣は番相手のものであって赤ちゃんの場所ではないよ?赤ちゃんにはちゃんと赤ちゃんの場所があるから」
「ふぇ…?そうなの…?」
なんでそこを知らずに巣作りしてたんだか…。
「…じゃ…じゃあ…どうぞ?」
柚は被っていた布団を捲って中に招き入れてくれた。
「…ねぇ柚」
「ん~?」
「巣がどんなことするところなのかは知ってる?」
「仲良くするとこ…ふぁぁ…」
「ちょ、今は寝ないでよ。…まぁ仕方ないか。柚だしね」
「…すぅ…すぅ…」
夏の服をたくさん抱きしめて柚は眠った。
…この程度で安心してくれるならいいんだけど…本人いるのに服で満足されるってなんか…複雑。
 「よし。柚が寝てる間にお昼ご飯の支度でもしますか」
もう1時になるんだ。
…さすがに眠らせすぎかな?
柚は気づくとすぐ寝てるし睡眠時間減らした方がいいのかな…。
いや、減らしたらまたすぐ寝るようになるだけか。
ピンポーン。
「はーい」
カメラで確認すると…樹と睦樹だった。




「久しぶりだね。元気にしてた?」
「えぇ。新しい画材が手に入ったのでお渡しにまいりました」
「いつもご苦労さま。…うん。絵の具と新しい筆。頼んだとおりだね」
「…夏羽様。本当にお2人だけで大丈夫なんですか…?家事とか…」
あぁ。
今までやったこと無かったから心配してくれてるのか。
「もう平気。家事やるのこんなに楽しいとは思わなかったよ」
「そうですか。それは良かったです」
「今度パティシエが作ったブラウニーでも持ってきましょうか?」
「柚が喜びそう。じゃあまたそれ持ってきてね」
「「はい」」
樹と睦樹を見送ると…寝室の方から柚がでてきた。
「ブラウニーって聞こえた!!」
「耳良すぎじゃない!?」
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