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選択編

直人ルート 10

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「かなー。かなでー?」
「あいっ!!ぱぱっ!!」
「ん。いい返事。ママ起こしてきて。ご飯食べようね」
「ままっ!!」
たたたっと駆けていく小さな子。
そう、僕と柚の初めての子、かなでだ。
今は3歳。
柚が教えてるから平仮名はもう完璧にかけてるんだけどね。
たまにくるって回転するやつは向きが逆になってるけど。
「ぱぱぁ。ままねんね」
「ねんね?…ちょっと待っててね」
寝室に向かってみると…柚はまだ布団の中にいた。
「柚?体調悪い?」
「んー…だるいだけ…ごめんね…ご飯食べれない…」
「食欲もないの?熱は?測った?」
「うん…熱はなかった…」
「…心配だね。病院に…と言いたいところだけど今日奏を予防接種に連れていかないと…その時に一緒に予約取れるかな…」
「だいじょうぶ…るすばんしてるよ…」
「…樹を置いていくから。何かあったらすぐ連絡するんだよ?」
「はぁい…」
頭を撫で、寝室を後にする。
「ぱぱ。ままは?」
「ママはまだねんね。起こしちゃダメだよ?」
「あいっ」
奏を椅子に座らせ、僕は横の席に座る。
「いただきます」
「いたーらきますっ」
口いっぱいに頬張る奏。
…なんか昔の柚みたいだな。
急かすといつもリスみたいに頬にたくさん貯めて…。
「かな。急がなくていいからゆっくりよく噛んで食べて」
「ぱぱのごはんおいしいもんっ!!あ、ままのもすきだよ?」
「ありがとう」
口周りについたイチゴジャムを拭うとふにゃりと笑った。
「にゃぁ…」
「……」
…第2の柚?
確か…かなはこの間の検査でΩって言われてたはず…。
外見は今は小さいからよく分からないけど多分大きくなってもΩにはあまり見えなさそうだな…。
「ぱぱっじゅーす!!」
「あ、ごめんね。かなのもう終わってたね」
冷蔵庫からジュースを取り出し、コップにそそぐ。
…柚のご飯も考えないと。
お粥…かな。
でも食欲ないって言ってたからゼリーのがいいのかも。
「ぱぱー!!はやくー!!」
「はいはい」
コップを渡すと小さな手でしっかりと掴み、ごくごくと飲んでいく。
…かなは僕の2つ目の宝物だな。
「んにゅ?」
頭を撫でるとコップから口を離してこちらを見た。
「なんでもないよ。かなが可愛いなぁって思って」
「ありあとっ!!かなよりままのがかわいーよ?」
「それはパパもそう思う」
「さ。お腹いっぱいなったらなんて言うんだっけ?」
「ごちそーさまれしたっ!!」
「お粗末さまでした。よし、お出かけの準備しようか」
「あいっ!!」





























数時間後…病院にて
『直人様』
「ん?樹?どうしたの?」
『柚琉様の体調不良の原因が分かりました』
「なんだった?」
『おめでとうございます。妊娠されてますよ』
「…へ?」
いやだって悪阻なかっ…。
『直人様。世の中には眠りつわりや食べつわりと言うものもあるのですよ。嘔吐だけが悪阻の症状ではありません』
…知らないうちに柚は悪阻の時期を過ぎてたのか。
『どうしますか?…中絶は…』
「それは絶対にしない。今どこにいる?」
『ご自宅です。病院には行かないと駄々をこねるもので検査薬を使いました』
「…そのうち病院連れていかないとな…来週辺りかな。樹も空けておいて」
『かしこまりました』
電話を切るとくいっと下に引っ張られた。
「ぱーぱ」
「ん?かな、どうしたの?」
「ちゅーしゃ、がんばった!!ほめれっ!!」
「て」が上手く言えなくて命令したみたいになっちゃってる。
「かなはいい子だね。…よし。じゃあ帰りにどこか寄ろうか」
「やったぁ!!かなね、かなね、どーなつたべたいっ!!」
「はいはい。かな、おいで」
「わーい!!」
手を広げるとすぐに飛び込んできた。
…2人目か。
「かな」
「んー?」
「かなにね。弟が出来たよ」
「おとーと?」
「弟。可愛がってあげられる?」
「あいっ!!」
頼もしい。



































一応…奏のつもりです。下手ですけど。本当は直人、奏、柚で描こうと思ったんですけど私にはレベルが高すぎました…。

直人ルート
end
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