普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。

かーにゅ

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高校生編

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「え?…し…進路…?」
「そうっす。先輩達はどうするんすか?」
僕は思わず箸を止めてしまった。
「柚、ちゃんと食べて。ただでさえ量少ないんだから時間切れで食べれないとかダメだよ?」
「う…うん。分かってる…」
…進路…かぁ。
うどんをすすってもぐもぐしながら考える。
「…夏…夏はどうするの?」
「ん~兄さん達みたいに会社勤めになるか画家になるかで迷ってる~でも夏1人で描いても楽しくないしあんま上手くないから柚がなる気ないなら普通に大学行って就職かな」
「…そう」
夏…ちゃんと考えてるんだ。
「…僕…どうしよう…」
大学行く?
…でも行ってどうすればいいの?
就職?
僕他の人とあんまり話せないよ?
「絵を描くのは…楽しいけど…お仕事にすると…好きな絵が描けなくなっちゃいそう」
「柚だったら画家よりもイラストレーターとかのが向いてるよね。ほら、あのゲームとかアニメの背景担当の人」
「グラフィックのことっすね。あれが上手い人だとゲーム遊んでる時もすげぇってなるんすよね」
「…ぐらふいっく…」
絵のお仕事…。
僕の好きな風景描いてればいいのかな。
風景なら依頼されても1人でも描けるよ。
「まぁ柚ならお嫁さんって選択肢もあるよね」
「ふぇ!?」
おおおおお嫁さん!?
僕結婚するの!?
…で…でも結婚は女の子とするもので…えっと…。
「柚琉様、大好きなお揚げ食べないんですか?時間無くなってしまいますよ?」
「食べるっ!!」
僕は慌ててきつねうどんのお揚げを口に入れた。
んみゃぁ…。
「進路はゆっくり考えればいいんですよ。柚琉様は柚琉様の目指す道を歩けばいいだけです」
僕の目指す道?
よくわかんない…。
「ん。柚取り分けた分は全部食べたんだね。えらいえらい」
「は…半分くらいなら食べれるようになったもん…」
きつねうどん美味しいし…。
僕おうどんだったらきつねうどんと味噌煮込みうどんが好きなの。
あとお鍋に入ってるやつ!!
…でもね、お鍋のは『しめ』ってので入れるから僕その時にはお腹いっぱいで全然食べれないの…。
「次って移動でしたっけ?」
「そうだよー」
「では片付けてまいりますね」
樹くんは全員のトレイを持って返却口に向かった。
…ぼ…僕何もしてない…!!
運んでくるのも樹くん。
片付けるのも樹くん。
ど…どうしよう。
僕1人じゃ何も出来ない子になっちゃった。
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