普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。

かーにゅ

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高校生編

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柊視点

「…すぅ…すぅ…」
やっと寝てくれた…。
布団の位置を整え、顔を布団の外に出してやった。
「…普通の子供より手がかかるんだから…」
「先生。検査の結果が出ました」
「あぁ。ありがとう」
ペラペラと捲り…すぐにそばの机に置いた。
…マジか。
「小さくなってはいるけど…なんか増えてない?」
「新しくいくつか腫瘍ができたようで」
「新しくって…今の薬が効かないって証拠でしょ…」
…入院…長引くなぁ…絶対泣くよな…今落ち着いたところなのに…。
「はぁ…胃が痛い…」
柚琉くんの主治医になってから胃痛が増えた気がするんだけど…。
「癒されたい…家に帰りたい…」
「今日は帰ったらいかがですか?最近当直じゃないのに残っていたでしょう?」
「柚琉くんだから何があるかわかんないし…家から病院まで5分もかからないけど心配だからね。でも今日は帰ろうかな」
「はい」









りんただいまぁ!!」
「ぎゃぁぁ!!帰ってこないんじゃねぇのか!!」
僕の妻、凛は僕の方に布を投げてきた。
あ、これ布かと思ったら僕の服だ。
…巣作りの最中だったのかな?
「凛、巣作りしてるなら言ってよ。発情期来たの?」
「…昨日からな。しかも風邪も引いたから熱っぽい」
「早く寝てっ!!水分とった!?熱どれくらいあるの!?」
「微熱でもう下がったから落ち着け」
凛を毛布でぐるぐる巻きにし、ベッドに寝かせた。
「すぐ薬局行ってくるから!!」
「落ち着けって。…くそ外れねぇ」
そりゃいつも柚琉くんで鍛えてるからね。
…そうでもしないとCTも撮れやしない。
「薬飲んだの?経口補水液は?買い置きしてあるでしょ?」
「薬も飲んだし経口補水液は冷蔵庫にある。冷え○タも貼ってるし十分だろ?」
「今日は大人しくしてて。…凛、病気の時は頼っていいんだよ?いつも大丈夫しか言わないけど」
「…お前今大変なんだろ。俺1人のことで迷惑かける訳にもいかねぇよ」
「凛…」
よし分かった。
「凛?シリアスな展開に持って行って寝る気ないでしょ?はい。早く寝るよ」
「いや寝るけど…なんでお前までベッドに上がってくんだよ!!おりろ!!」
「強制的に眠らせようかなって。熱も下がるらしいよ?」
「医者がそんな迷信信じんなよ!!ちょ、触んな!!」
あぁ…久しぶりの凛だぁ…。
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