普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です｡帰らせて｡

高校生編

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｢柚｡柚起きて｣
｢んにゅぅ…ぷしゅ｣
｢ぐ……ダメだ｡柚､起きろ｣
…ふにゃ？
｢翔兄さんっ!!｣
ゴンッ｡
｢ふぇ…｣
｢痛かったな｡よしよし｡覗き込んでた俺が悪かったな｣
｢…いちゃ…ぐすっ…｣
｢柚｡大丈夫？｣
｢夏…｣
ここ…どこ？
｢俺の家だよ｡…まぁ仮だけどな｣
｢…翔兄さんの…？サプライズ失敗しちゃった…｣
｢いやある意味サプライズだったぞ？日本にいると思ってた両親と弟達が急に訪ねてくるし柚は気絶してるし｣
｢…サプライズ成功…？｣
う…ずきずきする…｡
｢冷やしましょう｡何か欲しいものはありますか？｣
｢…ない｣
僕は兄さんに抱きついた｡
｢どうした？いつもより甘えん坊だな｣
｢…兄さんのせいで怪我したもん…｣
｢悪かったって｡俺も明日には帰れるし一緒に帰ろうな？｣
｢…うん｣
｢それで？2人は翔に会って何がしたかったの？｣
……なんだっけ｡
｢驚かすことしか考えてなかった｣
｢夏達だけで行ったらびっくりするかなって｣
｢そりゃ驚くわ!!心臓止まるぞ!!｣
｢｢え…｣｣
…そこまで？
そこまで驚いちゃうの？
｢…まぁいい｡父さん｡俺のチケットも取っておいてくれるか？｣
｢もうやってるよ｡雫は何やってるの？｣
｢私の可愛い息子が盗聴被害にあってないかと思って｡…1人の大人が住む部屋にしては大切なものがないわねと思ったのよ｣
｢母さん｡それは言うな｣
…んにゅ？
大切なもの？
えっと…｡
｢本棚がないっ!!｣
｢それは隣の部屋にあるからな？｣
…じゃあなんだろう？
｢ゲーム!!｣
｢それは夏が欲しいものでしょう？帰ったら新しいの買ってあげるからそのことは忘れましょう｡柚もね｣
｢｢はぁい？｣｣
…よくわかんないけど忘れればいいのかな？