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高校生編

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「柚琉様。そう気を落とさず」
「だってぇ…」
うぅ…。
僕は足元に散らばった花を見て肩を落とした。
「ほら。花瓶は割れていませんから」
「…お水こぼしちゃった…お花も」
「水は拭き取ればいいんです。花も少し萎れてはいますが水を吸わせればまた生き生きとしますよ」
樹くんは花瓶を拾い、元の場所に置くと僕を抱き上げた。
「柚琉様まで濡れてしまいましたね。お風呂に入りましょうか」
「…うん」
お庭のお花綺麗だったからちょっとだけもらってお部屋まで持っていこうと思っただけなの…。
…転んでお花落としちゃって…。
…樹くんが割れにくい花瓶を選んでくれたから花瓶は無事だったけどお花が…。
「…ふぇ」
「お風呂にお湯を貯めてきますから少し待っていてください」
「…ぅん…」
僕はソファーにおろされて毛布で包まれた。
「…おはな…」
お庭のお手入れしてくれる人が丁寧に育ててくれたのに…。
僕はこてんと横になった。
「…ぐすん」
体育も出来ずに早退させられちゃうし…。
…学校ちゃんと通うって決めたのに。
あと香くんよくわかんないこと言ってくる…。
夏は僕のだもん。
けがらわしい…ってなんだろう。
汚れてるってことかな?
…僕そんなに汚かったのかな。
いつも樹くんがお風呂で丁寧に洗ってくれてぴかぴかなはずなんだけど…。
「柚琉様?どうされました?そんなにご自分の匂いを嗅がれて…何か嫌な匂いでもしましたか?」
「ううん。そうじゃないの。樹くん。僕って『けがれている』のかな?」
「そんなことはありません。柚琉様は綺麗ですよ。清廉潔白、純真無垢な柚琉様です」
…せーれんけっぱく?
じゅ……むく?
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