616 / 839
高校生編
33 (484)
しおりを挟む
「あっ夏いた~酷いよ。僕を置いていくなんて」
「生憎ここは席埋まってるからどっかいったら?」
「…ねぇ席譲ってよ」
「え?…うん」
僕食べ終わったしいいよね。
「柚が行くなら夏も行こっと」
「でしたらこちらは片付けますね」
「な…」
樹くんは片方の手でトレイを持ち、もう片方の手で僕の鞄を持ってくれた。
「樹くん。トレイ持つよ」
「いいえ。これも仕事ですからお気になさらず」
「でも僕もやっと持てるようになったし…」
「でしたらこちらを持っていただけますか?」
樹くんは僕の伸ばした手にぽんとトレイを置いた。
トレイの上には人数分の空のコップが置いてあるだけだった。
むぅ…僕が落とすとでも思ってるの?
確かにおうちだとすぐにつまづいて落としてるけどさすがに大丈夫だもん。
「わっ」
「…やっぱりね」
夏は転びかけた僕を支えると持っていたトレイを取り上げた。
「これは夏が持っていくから柚は歩くことに集中する!!」
「…むぅ」
上手くできなかった…。
でも僕さっき何かにつまづいた気がするよ?
後ろを振り返っても何も無かった。
また何も無いところで転んじゃったのかな?
…足に何かが当たった気がしたけど…。
「ふにゃっ」
後ろからぽんと頭に手が乗せられた。
「柚。こんなところで突っ立ってどうしたの?」
「兄さんっ!!」
初めてここで兄さんに会った気がする!!
「体調悪くなっちゃった?今日僕このあとサークル活動行こうと思ったけど一緒に家に帰ろうか?」
「ううん。大丈夫」
体育やりたいもん。
「無理しないでね」
「無理してないよ~」
「…ほんとかな?」
ぎくっ。
ほ…本当だもん。
ちょっとつまづいた時に足痛いとか思ってないもん。
「…樹」
「はい」
「それ置いたら柚を保健室に連れて行ってくれる?」
「かしこまりました」
なんでバレたの!?
「隠し事はダメだよ。柚」
「…はぁい」
…手当てしてもらったら体育参加するもん!!
「生憎ここは席埋まってるからどっかいったら?」
「…ねぇ席譲ってよ」
「え?…うん」
僕食べ終わったしいいよね。
「柚が行くなら夏も行こっと」
「でしたらこちらは片付けますね」
「な…」
樹くんは片方の手でトレイを持ち、もう片方の手で僕の鞄を持ってくれた。
「樹くん。トレイ持つよ」
「いいえ。これも仕事ですからお気になさらず」
「でも僕もやっと持てるようになったし…」
「でしたらこちらを持っていただけますか?」
樹くんは僕の伸ばした手にぽんとトレイを置いた。
トレイの上には人数分の空のコップが置いてあるだけだった。
むぅ…僕が落とすとでも思ってるの?
確かにおうちだとすぐにつまづいて落としてるけどさすがに大丈夫だもん。
「わっ」
「…やっぱりね」
夏は転びかけた僕を支えると持っていたトレイを取り上げた。
「これは夏が持っていくから柚は歩くことに集中する!!」
「…むぅ」
上手くできなかった…。
でも僕さっき何かにつまづいた気がするよ?
後ろを振り返っても何も無かった。
また何も無いところで転んじゃったのかな?
…足に何かが当たった気がしたけど…。
「ふにゃっ」
後ろからぽんと頭に手が乗せられた。
「柚。こんなところで突っ立ってどうしたの?」
「兄さんっ!!」
初めてここで兄さんに会った気がする!!
「体調悪くなっちゃった?今日僕このあとサークル活動行こうと思ったけど一緒に家に帰ろうか?」
「ううん。大丈夫」
体育やりたいもん。
「無理しないでね」
「無理してないよ~」
「…ほんとかな?」
ぎくっ。
ほ…本当だもん。
ちょっとつまづいた時に足痛いとか思ってないもん。
「…樹」
「はい」
「それ置いたら柚を保健室に連れて行ってくれる?」
「かしこまりました」
なんでバレたの!?
「隠し事はダメだよ。柚」
「…はぁい」
…手当てしてもらったら体育参加するもん!!
0
お気に入りに追加
1,994
あなたにおすすめの小説
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
3人の弟に逆らえない
ポメ
BL
優秀な3つ子に調教される兄の話です。
主人公:高校2年生の瑠璃
長男の嵐は活発な性格で運動神経抜群のワイルド男子。
次男の健二は大人しい性格で勉学が得意の清楚系王子。
三男の翔斗は無口だが機械に強く、研究オタクっぽい。黒髪で少し地味だがメガネを取ると意外とかっこいい?
3人とも高身長でルックスが良いと学校ではモテまくっている。
しかし、同時に超がつくブラコンとも言われているとか?
そんな3つ子に溺愛される瑠璃の話。
調教・お仕置き・近親相姦が苦手な方はご注意くださいm(_ _)m
元会計には首輪がついている
笹坂寧
BL
【帝華学園】の生徒会会計を務め、無事卒業した俺。
こんな恐ろしい学園とっとと離れてやる、とばかりに一般入試を受けて遠く遠くの公立高校に入学し、無事、魔の学園から逃げ果すことが出来た。
卒業式から入学式前日まで、誘拐やらなんやらされて無理くり連れ戻されでもしないか戦々恐々としながら前後左右全ての気配を探って生き抜いた毎日が今では懐かしい。
俺は無事高校に入学を果たし、無事毎日登学して講義を受け、無事部活に入って友人を作り、無事彼女まで手に入れることが出来たのだ。
なのに。
「逃げられると思ったか?颯夏」
「ーーな、んで」
目の前に立つ恐ろしい男を前にして、こうも身体が動かないなんて。
小さい頃、近所のお兄さんに赤ちゃんみたいに甘えた事がきっかけで性癖が歪んでしまって困ってる
海野
BL
小さい頃、妹の誕生で赤ちゃん返りをした事のある雄介少年。少年も大人になり青年になった。しかし一般男性の性の興味とは外れ、幼児プレイにしかときめかなくなってしまった。あの時お世話になった「近所のお兄さん」は結婚してしまったし、彼ももう赤ちゃんになれる程可愛い背格好では無い。そんなある日、職場で「お兄さん」に似た雰囲気の人を見つける。いつしか目で追う様になった彼は次第にその人を妄想の材料に使うようになる。ある日の残業中、眠ってしまった雄介は、起こしに来た人物に寝ぼけてママと言って抱きついてしまい…?
不良高校に転校したら溺愛されて思ってたのと違う
らる
BL
幸せな家庭ですくすくと育ち普通の高校に通い楽しく毎日を過ごしている七瀬透。
唯一普通じゃない所は人たらしなふわふわ天然男子である。
そんな透は本で見た不良に憧れ、勢いで日本一と言われる不良学園に転校。
いったいどうなる!?
[強くて怖い生徒会長]×[天然ふわふわボーイ]固定です。
※更新頻度遅め。一日一話を目標にしてます。
※誤字脱字は見つけ次第時間のある時修正します。それまではご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる