普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。

かーにゅ

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高校生編

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「はい。これから皆さんが怠けなければ3年間担任を務める五十嵐いがらし健人けんとです」
怠けなければ…?
そっか。
中等部と一緒なんだ。
うちの学校はね、クラスそのまま持ち上がりなの。
だから担任の先生も変わらないんだよ~。
「柚、五十嵐先生って怖いって噂だよ。大丈夫?」
ピキンと固まった。
怖い先生やだ…。
「ぴ…ぴきゅぅ…」
「大丈夫?よしよし」
夏は僕を抱きしめて頭を撫でてくれた。
「そこ。ホームルーム中にいちゃつかない」
「先生。夏は柚を慰めてるだけだよ?先生の噂がいけないんだよ。柚怖いの苦手なのに」
「…そんな噂が…?」
「うん」
…ぐすん。
「夏…もう大丈夫…」
「そう?…目がちょっとだけ赤くなっちゃったね。あとで樹に冷やしてもらおう?」
「ん…」
夏は僕の両頬に手を当てると目尻にキスをした。
「いやそれは完全にいちゃついてる!!」
「あは。バレた?先生ホームルーム進めなくていいの?」
「…では話の続きを」
夏がキスしたの…どんな意味なんだろう。
なんで目に?
いつもならほっぺかおでこか口なのに。
「…柚。そんな物欲しそうな顔しないで。キスしちゃうから。柚が嫌がっても止められなくなるから」
「…んにゅ?」
「口を突き出さないの!!」
夏に口を塞がれてしまった。
むぐぐ。
…今日の夏はちょっとおかしい気がする。
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