普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です｡帰らせて｡

中学生編

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｢柚､夏｡おいで｣
｢｢はぁい｣｣
僕達は父さんに呼ばれてリビングへ向かった｡
｢新しく使用人を雇ったんだけどその人には夏達と同い年の子がいたんだ｡仲良くしてあげてね｣
｢うんっ!!｣
｢え…なんで夏が…？柚と2人だけの時間減っちゃうじゃん…｣
｢…夏｡少しは他の子と仲良くすることを覚えようか｣
｢やだ｡夏の家にしか興味が無いヤツらばっかりだし｣
｢それは仕方の無いことだから｡今度翔からあしらい方を教えてもらいなよ｣
…おうち？
おうちに何か関係あるの？
｢まぁいいや｡話を戻すね｡その子が…こっちおいで｣
｢はい｣
うわぁ…僕よりも背おっきい…ぐすん｡
｢…夏｡そんなに殺気を飛ばさないの｡この子はβだから｣
｢だって樹が言ってたもん｡柚の発情した匂いは強すぎてβでも危ないって｣
｢雅人まさとです｡よろしくお願いします｣
雅人くんは丁寧に頭を下げた｡
｢うん!!よろしくね!!僕､柚琉っ!!柚って呼んで？｣
｢…はい｡柚様｣
｢様いらないよ？｣
｢ですが柚様のが立場としては上なので｣
…ふにゅぅ｡
｢柚様こちらへ｣
｢どこ行くの～？｣
雅人くんは夏と父さんが話しているうちに僕の手を引っ張って外へと連れ出した｡
あまり人の通らない廊下にたどり着くとダンっと壁に押し付けられた｡
痛い｡
｢なんでいるんだよ…｣
｢ふぇ？｣
｢柚琉だよな？藤沢柚琉｡体の弱い藤沢家の4男｣
｢う､うん…そうだよ？｣
雅人くんはため息をつくと…
｢逃げろ｡ここにいるな｣
と言った｡