普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。

かーにゅ

文字の大きさ
上 下
552 / 839
中学生編

155  (422)

しおりを挟む
柚琉視点

…またふわふわしてた。
「…ん…っ!!」
身動ぎすると胸元に激痛が走った。
…そっか手術したから…。
痛いのやだって言ったのにな…先生、痛いじゃん。
痛くしないっていつも言ってくれるのに今回は言ってくれなかったし。
「…柚琉様、起きられましたか?おはようございます」
「…おはよ」
樹くんはそっと小さな声でそう呟いた。
「夏羽様がまだおやすみなので小声ですみません」
顔だけを動かして横を見ると、僕のベッドの隣に置かれた簡易ベッドに夏が母さんに抱きしめられて寝ていた。
…夏ずるい。
僕も母さんにぎゅーされたい。
昔みたいにみんなで寝たい。
「起きられたこと先生に伝えてきますね。少しの間席を外します」
「…うん」
酸素マスクが邪魔でくぐもった声しか出ない。
…痛いなぁ。
ズキズキする…寝返りしたいのに。
怠いし…。
樹くんは静かにドアを開けて出ていった。
「…柚…起きたのね。おはよう」
「…おはよ…かあさん」
母さんは夏をベッドに寝かせたまま自分だけ起き上がり近くの椅子に座った。
「手術お疲れ様。よく頑張ったわね」
「…かあさん…ぎゅ…ずるい」
「ふふ。僕頑張ったんだからぎゅーしてっておねだりするのよ?」
「…ぼく…がんばった。ぎゅーして…いいこだったもん。いたくても…なかないもん」
「上手におねだり出来ました。でもダメよ?コード外れちゃうもの」
え…。
…僕頑張ったのに。
手術頑張って今も痛いの我慢してるのに…。
しおりを挟む
感想 530

あなたにおすすめの小説

異世界転生したのに弱いってどういうことだよ

めがてん
BL
俺――須藤美陽はその日、大きな悲しみの中に居た。 ある日突然、一番大切な親友兼恋人であった男を事故で亡くしたからだ。 恋人の葬式に参列した後、誰も居ない公園で悲しみに暮れていたその時――俺は突然眩い光に包まれた。 あまりに眩しいその光に思わず目を瞑り――次に目を開けたら。 「あうううーーー!!?(俺、赤ちゃんになってるーーー!!?)」 ――何故か赤ちゃんになっていた。 突然赤ちゃんになってしまった俺は、どうやら魔法とかあるファンタジー世界に転生したらしいが…… この新しい体、滅茶苦茶病弱だし正直ファンタジー世界を楽しむどころじゃなかった。 突然異世界に転生してしまった俺(病弱)、これから一体どうなっちゃうんだよーーー! *** 作者の性癖を詰め込んだ作品です 病気表現とかあるので注意してください BL要素は薄めです 書き溜めが尽きたので更新休止中です。

なかなか手を出してこないαを誘惑するΩの話

加賀ユカリ
BL
なかなか手を出してこないαを誘惑するΩの話 Ωである佐竹琉生(さたけ るい)からの熱烈なアタックにより恋人になった、真田陽太(さなだ ようた)(α)と琉生(Ω)。 念願叶って恋人になったが、琉生はある悩みを抱えていた── 攻め:真田陽太(高校2年)α。真面目な性格。 受け:佐竹琉生(高校1年)Ω。明るい性格。美形であり人気者。α一族の息子でお金持ち。 ・オメガバース独自の設定あります ・性描写のある話には※を付けています 19時に更新、3月上旬完結予定です

バッドエンドの異世界に悪役転生した僕は、全力でハッピーエンドを目指します!

BL
 16才の初川終(はつかわ しゅう)は先天性の心臓の病気だった。一縷の望みで、成功率が低い手術に挑む終だったが……。    僕は気付くと両親の泣いている風景を空から眺めていた。それから、遠くで光り輝くなにかにすごい力で引き寄せられて。    目覚めれば、そこは子どもの頃に毎日読んでいた大好きなファンタジー小説の世界だったんだ。でも、僕は呪いの悪役の10才の公爵三男エディに転生しちゃったみたい!  しかも、この世界ってバッドエンドじゃなかったっけ?  バッドエンドをハッピーエンドにする為に、僕は頑張る!  でも、本の世界と少しずつ変わってきた異世界は……ひみつが多くて?  嫌われ悪役の子どもが、愛されに変わる物語。ほのぼの日常が多いです。 ◎体格差、年の差カップル ※てんぱる様の表紙をお借りしました。

とある金持ち学園に通う脇役の日常~フラグより飯をくれ~

無月陸兎
BL
山奥にある全寮制男子校、桜白峰学園。食べ物目当てで入学した主人公は、学園の権力者『REGAL4』の一人、一条貴春の不興を買い、学園中からハブられることに。美味しい食事さえ楽しめれば問題ないと気にせず過ごしてたが、転入生の扇谷時雨がやってきたことで、彼の日常は波乱に満ちたものとなる──。 自分の親友となった時雨が学園の人気者たちに迫られるのを横目で見つつ、主人公は巻き込まれて恋人のフリをしたり、ゆるく立ちそうな恋愛フラグを避けようと奮闘する物語です。

笑わない風紀委員長

馬酔木ビシア
BL
風紀委員長の龍神は、容姿端麗で才色兼備だが周囲からは『笑わない風紀委員長』と呼ばれているほど表情の変化が少ない。 が、それは風紀委員として真面目に職務に当たらねばという強い使命感のもと表情含め笑うことが少ないだけであった。 そんなある日、時期外れの転校生がやってきて次々に人気者を手玉に取った事で学園内を混乱に陥れる。 仕事が多くなった龍神が学園内を奔走する内に 彼の表情に接する者が増え始め── ※作者は知識なし・文才なしの一般人ですのでご了承ください。何言っちゃってんのこいつ状態になる可能性大。 ※この作品は私が単純にクールでちょっと可愛い男子が書きたかっただけの自己満作品ですので読む際はその点をご了承ください。 ※文や誤字脱字へのご指摘はウエルカムです!アンチコメントと荒らしだけはやめて頂きたく……。 ※オチ未定。いつかアンケートで決めようかな、なんて思っております。見切り発車ですすみません……。

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。

小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。 そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。 先輩×後輩 攻略キャラ×当て馬キャラ 総受けではありません。 嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。 ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。 だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。 え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。 でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!! ……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。 本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。 こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

ザ・兄貴っ!

BL
俺の兄貴は自分のことを平凡だと思ってやがる。…が、俺は言い切れる!兄貴は… 平凡という皮を被った非凡であることを!! 実際、ぎゃぎゃあ五月蝿く喚く転校生に付き纏われてる兄貴は端から見れば、脇役になるのだろう…… が、実は違う。 顔も性格も容姿も運動能力も平凡並だと思い込んでいる兄貴… けど、その正体は――‥。

処理中です...