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中学生編

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「柚~いい子にしてたかしら?」
「母さんっ!!」
僕はベッドの上から母さんに手を伸ばした。
「夏もいるよ~」
「夏っ!!やっと来てくれた!!」
「おもちゃとね、ぬいぐるみと本持ってきたよ~スマホも持ってきた~」
「ありがとう」
夏は持ってきた袋をベッド近くの棚にたてかけた。
「点滴、ちゃんと付けてるのね。偉いわ」
「…1回抜いたら先生にまたつけられちゃった…抜けないように包帯ぐるぐるされたし」
「柚?いい子にしてないと手術出来ないわよ?」
「しなくていいっ!!」
「苦しくなっちゃうわよ?」
「大丈夫だもん」
僕は母さんにぎゅーっと抱きついた。
母さんの匂いだぁ…。
「…ん?あれ…?母さん」
「なぁに?」
「父さんの匂いがする…なんで?」
「え!?…柊二が離してくれないから…」
「?…父さんが離してくれないと匂いつくの?」
「そ…そうね。うん…そういうことにしましょう」
「じゃあ夏も柚に匂いつけるー!!」
「だ、ダメよ!!」
夏はぎゅうぎゅう僕に抱きついてきたがいつも通り夏の匂いがするだけだ。
「な…夏。苦しいから離れて…」
「あ、ごめん…柚がいないと家にいても楽しくないもん」
「…ごめんね?」
「来月まで我慢すればまた一緒にいられるんでしょ?母さんも今日からここに泊まるって言ってるし夏も泊まるっ!!」
「大丈夫なの…?」
「多分っ!!」
…確かに部屋広いしもう1つベッド置けるけど…。
「でも夏がいてくれるなら…僕検査頑張る」
「本当に?もう逃げ出さないなら認めてもいいけど…」
ふぇ!?
先生に聞かれてた!?
「ご飯持ってきたんだけど…食べられる?」
「ちょっとだけなら」
今あんまりお腹すいてないもん。
「じゃあ食べられるだけ食べてね?」
先生はベッドを跨るように設置された机にトレイを置いた。
「…おさかな」
「煮魚だから柔らかいし大丈夫だと思うよ?…味は薄いけど」
「骨」
「…まさか骨取ってあげないといけないとか…?…はぁ。柊二…独り立ちさせる気ないだろ」
…お魚美味しそうだけど樹くんが来るまで我慢だっ!!
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