普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。

かーにゅ

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中学生編

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「「できたー!!」」
やっと2人分のポスターを描き終えた。
ふぃ…意外と時間かかったな~。
「出来たの?父さんには見せてくれないのかな?」
「「はいっ!!」」
僕達は自分の絵を目の前に広げた。
あの丘から見たたくさんのお花と綺麗な青空。
すーっと溶けてしまいそうな空の透けた雲。
全部あの日見た風景のままに描いた。
「上手だね」
「夏ね。画家かお医者さんになるの」
「画家は分かるけど…なんでお医者さん?」
「柚の病気治してあげるのっ!!昨日思いついたんだ。柚、病院行くの嫌いでしょ?なら夏が見てあげればいいんだもん」
「夏…嬉しいっ!!けど夏が大人になるまでにはさすがに治ってるよ?」
……え?
ねぇ、治ってるよね?
手術すればいいんだよね?
「まぁ手術が上手くいけばね」
「…やっぱり怖い。手術やだ」
「ゆーず。大丈夫だから。父さん達はついていけないけどいつもの先生も一緒にいてくれるから。ね?」
「やだっ!!」
「…わがまま言わないで。やっと助かる手段が見つかったんだから…」
…ふぇ?
僕そんな悪かったの?
難しい病気なの?
「手術難しい?」
「そりゃね。大きな血管をちょっとずつ切って繋げてって繰り返していかなきゃならないし心臓は人の命の要だからね」
「…しなきゃダメ?」
「しないと柚は大人になってもベッドの上で生活することになるよ?」
「…それはやだ」
ちゃんとお仕事したい。
一人暮らししたい。
「じゃあ4ヶ月後の手術頑張ろうね」
「ん…」
「…確か昔、手術室にぬいぐるみを袋に入れて持ち込んだってのもあったし柚もそれなら大丈夫?」
ぬいぐるみっ!!
「大丈夫っ!!僕のいるかさん!!」
「イルカにするの?分かった。話してみるね」
わーい!!
ぬいぐるみあるなら頑張れるもん!!
注射の時もいつもぎゅってして我慢してるもん!!
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