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中学生編

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「母さんあのね」
「ん?どうしたの?」
「僕ね…学校怖い。行きたいけど…突き飛ばされるのやだ」
「…そうね。これはβやαには分からない恐怖だもの。母さんにしか言えないわよね」
僕はお風呂の中で母さんに抱きついた。
「お外も…そうなるの?」
「場所によってはね。だから柚がおうちにいてくれると母さんと父さんはすっごく安心するのよ」
「…お外出たくない。でもお出かけはしたい。またみんなでお出かけ…」
「ふふ。眠たくなっちゃった?プールで遊んでたから疲れたんでしょうね。ゆっくりおやすみなさい」
うん…今日は訓練なしでいいよね…。
明日はちゃんと起きてるもん。
今日の分は明日に回すの…。


母さん視点

「…思った通りになったわね」
「えぇ。…というか仕組んでたんですよね?」
柚を樹に手渡すと私付きの侍女(ただし男)、椿が話しかけてきた。
「柚琉様を出さないために外は怖いって教え込むだなんて」
「嘘は言っていないわ」
「まぁそうですけどね~都会になればなるほど1本奥の道に入ればΩ迫害の街になりますから」
「いつか柚がお外でも1人で遊べるようになったらいいんだけど」
多分無理よね。
…お庭だけでも自由にさせてあげたいのに柚には不完全な心臓という重りがある。
「ごめんなさいね。母さんが悪かったわ」
栄養が夏にばかり偏ってしまったのかしら。
エコー写真にも夏ばかり映っていたもの。
生まれた時夏は2900g。
柚は1800gしかなくてしばらく保育器の中で生活していたもの。
…臓器が完全に出来上がっていないのに帝王切開で産んでしまった母さん達の責任だわ。
「奥様、気を落とさず。昔ならダメでしたが今は心臓置き換え手術もあるんですから」
「そうね」
柚の心臓を少し大きなものに置き換える。
臓器提供とは少し違うの。
予め本人の心臓の細胞を取っておいてそれを培養して新しい心臓を作るの。
詳しいことは分からないんだけど柚も2歳の時になんとか細胞を取れたわ。
注射ほどの小さな傷だったのに柚ったら泣き叫ぶんだもの。
大変だったわ。
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