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中学生編

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柊二視点


「これはどういうことだよ!!」
椎名は書斎に入ると机に何枚かの紙を叩きつけた。
「…何これ。柚の検査結果?」
「違う。前に遊び半分でやった欲望を調べるやつ。…ありえない数字が出たんだけど」
紙を見てみるとその日、そこにいて参加した椎名、僕、雫、夏、柚のデータが乗っていた。
「ちなみに僕とお前の性欲が吹っ切れてるのは測定不能の数値を叩き出したから。柚琉くんのとは関係ない」
「…そんな欲たまってたっけ?」
自分では気づいてないってやつかな。
しかもこれ最近犯罪を犯す危険のある人にも使ってるやつだしそれなりに信用はできるけど…。
「…柚のってこれ?」
「そう。…徹夜とかしてる?」
「全く。夜8時にはベッドに入って必ず9時にはぐっすりだよ」
「…朝は?」
「7時」
「…なら尚更おかしいよな」
柚の紙にはある値だけが特に大きかった。
睡眠欲の欄だけが。
例えばこのキットで分かる食欲、睡眠欲、性欲、排泄欲、物欲の割合を全て合わせて100だとしよう。
柚のは睡眠欲が80。
半分以上をしめている。
「お昼寝のあとだったし眠いはずはないし…」
「…これそのうち眠り続けるようになるかもね。漫画とかにある奇病。だんだんと眠る時間が増えてきて最終的に起きなくなるやつ」
「変な事言うな」
「…ま、どうせ今はない病気だから気にすることは無いけど少しは直さないと学校生活に支障をきたすよ」
「伝えたかったのはそれだけか?」
「あと僕実家に帰るからしばらく柚琉くんみれない」
「了解」
…月一で通うの無理か。
でも椎名じゃないと柚は点滴も泣くからな…。
「やっぱり柚専属に…」
「ならない」
「時給3500円、奥さんとゆったり暮らせる家付き」
「あ、ちょっと惹かれた。ね、それ防音室ある?」
「別に継ぎ足せば」
「…ふふ。受けたいなぁ…でも小児科医少ないしやめておくよ。まだ先生として経験つまないと」
「…いいチャンスだと思ったのに」
「チャンスはないってば」
…でも椎名が近くにいたら柚がひっついてそう。
それはそれで嫌だ。
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