普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です｡帰らせて｡

中学生編

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むきゅむきゅ｡
｢司くん｡もう帰ってくれる？君がいるから僕は柚が帰ってきたことを素直に喜べないんだけど｣
んぐ？
んっ!!
喉詰まった!!
お水っ!!
僕は慌てて机に置いてあったコップを手に取り水を飲んだ｡
｢柚大丈夫？｣
｢びっくりしたぁ…｣
｢…でも｣
｢私はあなたを認めないわ｡Ωはαに逆らえない｡知っているでしょう？私の友達は運命の番を人質に取られて風俗へと売られたわ｡その子はもう帰ってこないの…何年も何年も働いたのに全くお金が貯まらないって言ってて……誰よ､運命の番に出会ったら幸せになれるって言ったやつは!!ならなんであの子は幸せになれないの!!あの子は何故あの場に捕らわれたままなの!!番はとうの昔に死んだわ!!あの子はその事実を知らずに毎日休みもなく働いているのに!!｣
｢雫､ここではもうやめよう？…誰か雫を部屋へ連れて行って｣
母さんは使用人に連れられて部屋を出ていった｡
友達…｡
風俗…｡
捕らわれたまま…？
どういうこと？
｢柚､さっきのことは忘れようね｣
｢なんで？｣
｢柚はまだ知らなくていいから｡無垢なままでいて｡汚いことは何も知らなくていいんだよ｣
汚いこと？
｢柚だけならちゃんと守れるから…ね？｣
｢守る…？あぅぅ…頭痛い…｣
考えすぎたぁ…｡
｢柚お熱でてきた？樹､柚を部屋で寝かせてくれる？｣
｢かしこまりました｡柚琉様こちらへ｣
｢うぅ…｣
まだ考えることいっぱいあるのにガンガンして何も考えられない…｡
僕は樹に手を引かれて部屋を出ていくことになった｡