普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。

かーにゅ

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番外編

柚 1歳児

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「夏、柚~こっちだよ~」
こんにちは、またまたユズルです。
自分の字は知らないのでまだ言えません。
だって僕1歳だもん。
…歩けないけどね。
「きゃははっ!!」
兄の夏羽はすぐに父さんのところまで辿り着いた。
うぅ…はいはい疲れてきたぁ…。
ぺちょっと僕が潰れると誰かに抱き上げられた。
「大丈夫?疲れてない?」
…かっこいい人だ。
「直人おかえり」
「ただいま。父さん今日は早いね。いつも帰ってくるの夜中なのに」
「たまには起きてる夏と柚を見たいからね。直人こそ早いじゃないか」
「今日は生徒会の仕事無かったから」
せいとかい…?
あぁ、この人が母さんがいつも話してくれる兄さんかな?
なおとって呼ばれてるから…なおと兄さん?
僕はぽーっと直人兄さんの顔を見つめていた。
「ん?僕の顔に何かついてる?」
「柚がそこまで何かを見るって珍しいね。いつもはすぐ目を閉じるか寝ちゃうのに」
はっ!!
僕ずっと見てた?
マナー違反だよね…ごめんなさい。
すぐに目を閉じた。
だって目を逸らしてもまた見ちゃいそうなんだもん。
「あ…せっかく綺麗なお目目だったのに。もう1回見せてくれないの?」
ひにゃぁぁ!!
やだやだやだー!!
おりる!!
僕もうおりる!!
僕はじたばたしておりた。
違う、落ちた。
ゴンッ。
「ふぇ…」
痛い!!
お尻と背中と頭痛いっ!!
「ぴぇぇぇん!!」
「ふぇ!?うわぁぁん!!」
僕が大声で泣き叫ぶとそれに驚いた夏も泣き始めた。
「よ、よしよし…痛くない痛くない。ねぇ直人これどうしよう…」
「僕に聞かれても…」
「「雫/母さん!!今すぐ来て!!」」
「はいは~い」
母さんは部屋に入ってくるなり泣き叫ぶ僕達を見て顔に手を当てた。
「あらあら。大泣きね~」
「し、雫…どうやって泣き止ませたら…」
「簡単よ」
母さんは僕と夏を同時に抱き上げた。
「大丈夫よ~ちょっとびっくりしちゃっただけだもんね~」
あ…母さんの心音聞こえる…。
なんか落ち着いてきたかも…。
「ほらね?もう大丈夫よね、2人とも」
「あーぅ!!」
「…」
僕は夏の手をぎゅっと握った。
お腹の中でも時々こうしてたの。
2人でくっついて…溶け合いたかったのに。
その方が落ち着いていられたのに。
「でも柚は頭をうって…」
「それを早く言いなさいっ!!病院行くわよ!!」
「もう表に車回したよ。…でも子供のことはよく分からないから」
「だから私がいるんでしょう?…あら、これじゃ柊二を抱きしめられないわね」
「…母さん、2人は僕が預かるから」
僕達は兄さんに抱えられた。
お尻と背中はいいけどまだ頭はズキズキする…。
痛い…。
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