10 / 839
番外編
柚 1歳児
しおりを挟む
「夏、柚~こっちだよ~」
こんにちは、またまたユズルです。
自分の字は知らないのでまだ言えません。
だって僕1歳だもん。
…歩けないけどね。
「きゃははっ!!」
兄の夏羽はすぐに父さんのところまで辿り着いた。
うぅ…はいはい疲れてきたぁ…。
ぺちょっと僕が潰れると誰かに抱き上げられた。
「大丈夫?疲れてない?」
…かっこいい人だ。
「直人おかえり」
「ただいま。父さん今日は早いね。いつも帰ってくるの夜中なのに」
「たまには起きてる夏と柚を見たいからね。直人こそ早いじゃないか」
「今日は生徒会の仕事無かったから」
せいとかい…?
あぁ、この人が母さんがいつも話してくれる兄さんかな?
なおとって呼ばれてるから…なおと兄さん?
僕はぽーっと直人兄さんの顔を見つめていた。
「ん?僕の顔に何かついてる?」
「柚がそこまで何かを見るって珍しいね。いつもはすぐ目を閉じるか寝ちゃうのに」
はっ!!
僕ずっと見てた?
マナー違反だよね…ごめんなさい。
すぐに目を閉じた。
だって目を逸らしてもまた見ちゃいそうなんだもん。
「あ…せっかく綺麗なお目目だったのに。もう1回見せてくれないの?」
ひにゃぁぁ!!
やだやだやだー!!
おりる!!
僕もうおりる!!
僕はじたばたしておりた。
違う、落ちた。
ゴンッ。
「ふぇ…」
痛い!!
お尻と背中と頭痛いっ!!
「ぴぇぇぇん!!」
「ふぇ!?うわぁぁん!!」
僕が大声で泣き叫ぶとそれに驚いた夏も泣き始めた。
「よ、よしよし…痛くない痛くない。ねぇ直人これどうしよう…」
「僕に聞かれても…」
「「雫/母さん!!今すぐ来て!!」」
「はいは~い」
母さんは部屋に入ってくるなり泣き叫ぶ僕達を見て顔に手を当てた。
「あらあら。大泣きね~」
「し、雫…どうやって泣き止ませたら…」
「簡単よ」
母さんは僕と夏を同時に抱き上げた。
「大丈夫よ~ちょっとびっくりしちゃっただけだもんね~」
あ…母さんの心音聞こえる…。
なんか落ち着いてきたかも…。
「ほらね?もう大丈夫よね、2人とも」
「あーぅ!!」
「…」
僕は夏の手をぎゅっと握った。
お腹の中でも時々こうしてたの。
2人でくっついて…溶け合いたかったのに。
その方が落ち着いていられたのに。
「でも柚は頭をうって…」
「それを早く言いなさいっ!!病院行くわよ!!」
「もう表に車回したよ。…でも子供のことはよく分からないから」
「だから私がいるんでしょう?…あら、これじゃ柊二を抱きしめられないわね」
「…母さん、2人は僕が預かるから」
僕達は兄さんに抱えられた。
お尻と背中はいいけどまだ頭はズキズキする…。
痛い…。
こんにちは、またまたユズルです。
自分の字は知らないのでまだ言えません。
だって僕1歳だもん。
…歩けないけどね。
「きゃははっ!!」
兄の夏羽はすぐに父さんのところまで辿り着いた。
うぅ…はいはい疲れてきたぁ…。
ぺちょっと僕が潰れると誰かに抱き上げられた。
「大丈夫?疲れてない?」
…かっこいい人だ。
「直人おかえり」
「ただいま。父さん今日は早いね。いつも帰ってくるの夜中なのに」
「たまには起きてる夏と柚を見たいからね。直人こそ早いじゃないか」
「今日は生徒会の仕事無かったから」
せいとかい…?
あぁ、この人が母さんがいつも話してくれる兄さんかな?
なおとって呼ばれてるから…なおと兄さん?
僕はぽーっと直人兄さんの顔を見つめていた。
「ん?僕の顔に何かついてる?」
「柚がそこまで何かを見るって珍しいね。いつもはすぐ目を閉じるか寝ちゃうのに」
はっ!!
僕ずっと見てた?
マナー違反だよね…ごめんなさい。
すぐに目を閉じた。
だって目を逸らしてもまた見ちゃいそうなんだもん。
「あ…せっかく綺麗なお目目だったのに。もう1回見せてくれないの?」
ひにゃぁぁ!!
やだやだやだー!!
おりる!!
僕もうおりる!!
僕はじたばたしておりた。
違う、落ちた。
ゴンッ。
「ふぇ…」
痛い!!
お尻と背中と頭痛いっ!!
「ぴぇぇぇん!!」
「ふぇ!?うわぁぁん!!」
僕が大声で泣き叫ぶとそれに驚いた夏も泣き始めた。
「よ、よしよし…痛くない痛くない。ねぇ直人これどうしよう…」
「僕に聞かれても…」
「「雫/母さん!!今すぐ来て!!」」
「はいは~い」
母さんは部屋に入ってくるなり泣き叫ぶ僕達を見て顔に手を当てた。
「あらあら。大泣きね~」
「し、雫…どうやって泣き止ませたら…」
「簡単よ」
母さんは僕と夏を同時に抱き上げた。
「大丈夫よ~ちょっとびっくりしちゃっただけだもんね~」
あ…母さんの心音聞こえる…。
なんか落ち着いてきたかも…。
「ほらね?もう大丈夫よね、2人とも」
「あーぅ!!」
「…」
僕は夏の手をぎゅっと握った。
お腹の中でも時々こうしてたの。
2人でくっついて…溶け合いたかったのに。
その方が落ち着いていられたのに。
「でも柚は頭をうって…」
「それを早く言いなさいっ!!病院行くわよ!!」
「もう表に車回したよ。…でも子供のことはよく分からないから」
「だから私がいるんでしょう?…あら、これじゃ柊二を抱きしめられないわね」
「…母さん、2人は僕が預かるから」
僕達は兄さんに抱えられた。
お尻と背中はいいけどまだ頭はズキズキする…。
痛い…。
25
お気に入りに追加
2,116
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
異世界転生したのに弱いってどういうことだよ
めがてん
BL
俺――須藤美陽はその日、大きな悲しみの中に居た。
ある日突然、一番大切な親友兼恋人であった男を事故で亡くしたからだ。
恋人の葬式に参列した後、誰も居ない公園で悲しみに暮れていたその時――俺は突然眩い光に包まれた。
あまりに眩しいその光に思わず目を瞑り――次に目を開けたら。
「あうううーーー!!?(俺、赤ちゃんになってるーーー!!?)」
――何故か赤ちゃんになっていた。
突然赤ちゃんになってしまった俺は、どうやら魔法とかあるファンタジー世界に転生したらしいが……
この新しい体、滅茶苦茶病弱だし正直ファンタジー世界を楽しむどころじゃなかった。
突然異世界に転生してしまった俺(病弱)、これから一体どうなっちゃうんだよーーー!
***
作者の性癖を詰め込んだ作品です
病気表現とかあるので注意してください
BL要素は薄めです
書き溜めが尽きたので更新休止中です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
モブらしいので目立たないよう逃げ続けます
餅粉
BL
ある日目覚めると見慣れた天井に違和感を覚えた。そしてどうやら僕ばモブという存存在らしい。多分僕には前世の記憶らしきものがあると思う。
まぁ、モブはモブらしく目立たないようにしよう。
モブというものはあまりわからないがでも目立っていい存在ではないということだけはわかる。そう、目立たぬよう……目立たぬよう………。
「アルウィン、君が好きだ」
「え、お断りします」
「……王子命令だ、私と付き合えアルウィン」
目立たぬように過ごすつもりが何故か第二王子に執着されています。
ざまぁ要素あるかも………しれませんね
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
笑わない風紀委員長
馬酔木ビシア
BL
風紀委員長の龍神は、容姿端麗で才色兼備だが周囲からは『笑わない風紀委員長』と呼ばれているほど表情の変化が少ない。
が、それは風紀委員として真面目に職務に当たらねばという強い使命感のもと表情含め笑うことが少ないだけであった。
そんなある日、時期外れの転校生がやってきて次々に人気者を手玉に取った事で学園内を混乱に陥れる。 仕事が多くなった龍神が学園内を奔走する内に 彼の表情に接する者が増え始め──
※作者は知識なし・文才なしの一般人ですのでご了承ください。何言っちゃってんのこいつ状態になる可能性大。
※この作品は私が単純にクールでちょっと可愛い男子が書きたかっただけの自己満作品ですので読む際はその点をご了承ください。
※文や誤字脱字へのご指摘はウエルカムです!アンチコメントと荒らしだけはやめて頂きたく……。
※オチ未定。いつかアンケートで決めようかな、なんて思っております。見切り発車ですすみません……。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
実は俺、悪役なんだけど周りの人達から溺愛されている件について…
彩ノ華
BL
あのぅ、、おれ一応悪役なんですけど〜??
ひょんな事からこの世界に転生したオレは、自分が悪役だと思い出した。そんな俺は…!!ヒロイン(男)と攻略対象者達の恋愛を全力で応援します!断罪されない程度に悪役としての責務を全うします_。
みんなから嫌われるはずの悪役。
そ・れ・な・の・に…
どうしてみんなから構われるの?!溺愛されるの?!
もしもーし・・・ヒロインあっちだよ?!どうぞヒロインとイチャついちゃってくださいよぉ…(泣)
そんなオレの物語が今始まる___。
ちょっとアレなやつには✾←このマークを付けておきます。読む際にお気を付けください☺️
第12回BL小説大賞に参加中!
よろしくお願いします🙇♀️
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
結婚式当日に「ちょっと待った」されたので、転生特典(執事)と旅に出たい
オオトリ
BL
とある教会で、今日一組の若い男女が結婚式を挙げようとしていた。
今、まさに新郎新婦が手を取り合おうとしたその時―――
「ちょっと待ったー!」
乱入者の声が響き渡った。
これは、とある事情で異世界転生した主人公が、結婚式当日に「ちょっと待った」されたので、
白米を求めて 俺TUEEEEせずに、執事TUEEEEな旅に出たい
そんなお話
※主人公は当初女性と婚約しています(タイトルの通り)
※主人公ではない部分で、男女の恋愛がお話に絡んでくることがあります
※BLは読むことも初心者の作者の初作品なので、タグ付けなど必要があれば教えてください
※完結しておりますが、今後番外編及び小話、続編をいずれ追加して参りたいと思っています
※小説家になろうさんでも同時公開中
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
風紀委員長様は王道転校生がお嫌い
八(八月八)
BL
※11/12 10話後半を加筆しました。
11/21 登場人物まとめを追加しました。
【第7回BL小説大賞エントリー中】
山奥にある全寮制の名門男子校鶯実学園。
この学園では、各委員会の委員長副委員長と、生徒会執行部が『役付』と呼ばれる特権を持っていた。
東海林幹春は、そんな鶯実学園の風紀委員長。
風紀委員長の名に恥じぬ様、真面目実直に、髪は七三、黒縁メガネも掛けて職務に当たっていた。
しかしある日、突如として彼の生活を脅かす転入生が現われる。
ボサボサ頭に大きなメガネ、ブカブカの制服に身を包んだ転校生は、元はシングルマザーの田舎育ち。母の再婚により理事長の親戚となり、この学園に編入してきたものの、学園の特殊な環境に慣れず、あくまでも庶民感覚で突き進もうとする。
おまけにその転校生に、生徒会執行部の面々はメロメロに!?
そんな転校生がとにかく気に入らない幹春。
何を隠そう、彼こそが、中学まで、転校生を凌ぐ超極貧ド田舎生活をしてきていたから!
※11/12に10話加筆しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
風紀“副”委員長はギリギリモブです
柚実
BL
名家の子息ばかりが集まる全寮制の男子校、鳳凰学園。
俺、佐倉伊織はその学園で風紀“副”委員長をしている。
そう、“副”だ。あくまでも“副”。
だから、ここが王道学園だろうがなんだろうが俺はモブでしかない────はずなのに!
BL王道学園に入ってしまった男子高校生がモブであろうとしているのに、主要キャラ達から逃げられない話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる