普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。

かーにゅ

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中学生編

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「あのね…」
「うん?」
「…Ωって凄い嫌われてるんだね。僕サンドイッチ美味しいって言っただけなのに庶民臭いって言われちゃった」
「……それを言ったのはどこの誰かしら?母さんが滅ぼしてあげるわ。骨すら残らないように焼いてしまいましょうか」
「母さん怖い」
なんか怖い。
笑ってるしいつも通りのはずなのに声が冷えてるし目も冷たい。
「柚琉くん。ケーキ食べますか?」
「食べるっ!!」
ケーキっケーキ~♪
僕はすぐに静香さんのところへ寄って行った。
…はっ!!
知らない人からものもらっちゃダメって言われてたんだった…。
でも静香さんは母さんのお友達みたいだしさっき自己紹介したし知らない人じゃないよね…?
「かぁさん…」
「…ん?あぁ、大丈夫よ。食べてみなさい。美味しいから。夏は1個だけよ?」
「「はぁい」」
僕達はさっそく静香さんからミニケーキを貰った。
美味しそう…!!
「雫さん。この子達はお酒入りのケーキって大丈夫ですか?」
「…柚には食べさせたことないわね。一応抜いておいてちょうだい」
「はい。ちょっとごめんなさい」
僕のお皿からチョコレートタルトが抜かれ、別のシフォンケーキが置かれた。
僕のチョコレートタルトが…。
「柚、がっかりしないの。おうちに帰ったら作ってもらいましょうね」
「…うん」
「柚っ!!これ美味しいよっ!!うちのよりは美味しくないけどこれも美味しいっ!!」
「夏、言葉。作ってくれた人の前で美味しくないって言っちゃダメ」
「大丈夫ですよ。次回の参考になりますから」
え?
また次も食べさせてくれるの!?
僕ははむっとシフォンケーキを口に入れた。
うみゃぁぁ!!
「美味しい…」
「良かったです」
「静香さんのケーキは美味しいもの」
「Ωとしての教育だとか言って色々習わされたけれどもこれは得したわね」
「…藤沢のαを生むためだって家に売られたようなものだったけれど雫さんがいて助かっています」
およ?
「その話、なるべく柚の前ではしないでもらえるかしら」
「母さん、僕知ってるよ。だから大丈夫だよ」
「え!?……どうしよう…柚に聞かれてた…内緒って約束したのに…」
あ、夏ごめん。
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