普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。

かーにゅ

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中学生編

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「…っぷ」
「…柚?もしかして…お腹いっぱい?」
「ふにゅぅ…」
ドーナツ3個(ひとかじり)とポテトはダメだった…。
「じゃあ柚はお昼ご飯のキャラ弁食べれないね」
「え!?食べる!!僕のお弁当!!」
今日お弁当の日だったの!?
樹くん何も持ってなかったよ!?
「…1人で食べれる?」
「多分無理…」
「大丈夫だよ。夏が食べるから」
「夏ありがとう」
じゃあもう一個ドーナツ食べても大丈夫かな。
「柚はもうおしまい。ちゃんと持ち帰り用にも買ってあるから帰ったら食べようね」
「…はぁい」
もうちょっと食べたかった…。
ご飯の代わりにドーナツじゃダメ?
「ダメです。ドーナツはご飯の代わりにはなりません」
「樹くん!?」
…ご飯の代わりにならないのか…なると思ったのに。
米粉ドーナツだし。
「…樹の荷物は何?今日は午前中だけオフにしてたよね?」
「柚琉様の洋服の生地です。なかなか出かけられないので買いだめしておこうかと」
「…たまに専門の人よりも詳しかったりするよね。今回は何作るの?」
「フリルブラウスを作ろうかと。柚琉様も元気になられてきましたしパーティーへ参加することもあるでしょうから」
「…フリルブラウスか。持っててもいいかもね。柚なら普通のシャツよりも似合いそうだし」
「通販で買うのは手触りが分かりませんのでダメなんです。きちんと手で触れないと柚琉様の肌はとても弱いのですぐに傷ついてしまいますから」
…そんなに弱い?
「…嘘だとお思いですか?ではこちらを触ってみてください」
樹くんに差し出された布に触れてみるとチクチクした。
「…痛い」
「一般的なハンドタオルです。柚琉様のハンドタオルは新品のものを2、3回しようすると交換するようにしていますから」
「どうして?まだ使えるよね?」
「生地が洗ううちに固くなってしまうので先程のように痛みを感じるようになるんです。といっても他の方にとってはいつも通りですから柚琉様の使われなくなったタオル類は使用人へ回ってきますね。たかがハンドタオルと思うかもしれませんが使用人にとってはかなり高価なものなので」
なるほど。
意外と使い道があったんだ。
あとハンカチを異常な値段のものにしないでください。
使うの怖くなっちゃった。
「…僕も何か作ってみたいな」
「では今度フェイクスイーツを作りましょうか」
「ふぇいくすいーつ…?偽物のスイーツ?」
「はい。フェルトや粘土で簡単に作れますよ。粘土の方が簡単なのでそちらをお教えしますね」
やったぁ!!
僕にも作れるもの増えた!!
「良かったね。上手く出来たら兄さんにも見せてくれる?」
「うん!!」
上手く出来たらね。
ボタンも留められない不器用な僕でも出来るのかな。
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