普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。

かーにゅ

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中学生編

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「んぅ…」
ぬいぐるみクッションむにゃむにゃ…はっ!!
「ぬいぐるみクッション!!」
「どうされました?」
樹くんは持っていたティーセットを机に置き、こちらへ近づいてきた。
「ぬいぐるみクッション。近くのゲームセンターのクレーンゲームにあるんだって。やろうよ」
「旦那様に確認が取れましたら行きましょうね」
「…父さんに話したら絶対許可してもらえないもん。ねぇ今から行こう?樹くん強いんでしょ?父さんいつも守る人がいないとダメって言うから樹くんを連れていけばいいでしょ?」
「ダメです。そんなに欲しいのでしたら私が取ってきますから」
「やだ!!取るの見たい!!」
多分僕じゃ取れないし。
「…旦那様が帰られたら話しておきますから」
「ほんと!?」
「はい」
「やったぁ!!お出かけだー!!」
「まだ決まっていませんからね」
でも嬉しいもん。
お出かけお出かけ♪




「ダメだよ」
「え…」
僕は思わず手に持っていたぬいぐるみを落とした。
「ゲームセンター?そんな治安の悪い所に連れて行けないよ。しかも樹だけで?柚、1人で出かけるのは危険なんだよ」
「でも僕もう中学生だよ?ボタンはまだ上手く出来ないけど留めれるようになったし…」
「ダメなものはダメ」
「う…ふぇ…」
僕は必死に目に浮かんできた涙を流すまいと耐えた。
「父さんのバカっ!!嫌いっ!!」
「え!?嘘!?嫌わないで!?」
父さんは逃げる僕を捕まえて膝に乗せた。
「最近の柚はイタズラが過ぎるから躾ようと思ったんだけど…やっぱり柚に厳しくするなんて無理だ…柚。Ωは力が弱くて可愛いからすぐに悪い人に捕まえられて連れ去られちゃうんだよ?」
「防犯ブザー持ってるもん」
「それだけじゃダメ。…でもそんなに行きたいなら今度の休みにみんなでお出かけしようか」
僕は一瞬で顔を輝かせた。
「父さんありがとう!!大好き!!」
「機嫌直るの早いなぁ…大好きって言ってくれてありがとう柚。父さんも柚のこと大好きだよ」
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