普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です｡帰らせて｡

中学生編

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｢ゆーずー!!しんじゃいやぁぁ!!｣
｢夏うるさいっ!!｣
僕は起きてすぐに夏に枕を投げた｡
｢柚!!頭は大丈夫なの！？｣
｢ちょっとズキズキするけど大丈夫｣
｢母さん､僕先生呼んでくるね｣
｢直人､よろしく頼むわ｣
直人兄さんはすぐに部屋を出ていった｡
…あれ？
ここ僕のお部屋じゃない｡
｢…柚？｣
｢ここ…病院？｣
｢柚が夏に押されて頭をうって気を失ってしまったから慌てて病院に連れてきたの｡ちょうどお父さんはお仕事に出かけた後ですぐに呼び戻せなかったからどうしようかと思っていたら直人が帰ってきたのよ｣
｢…柚…ごめんなさい…夏そんな力込めたつもりなくて…｣
｢…うん｡分かってる｣
夏のことだからあれは素でやったこと｡
単に嬉しかっただけ｡
…兄に殺されかける僕って…｡
もうちょっと鍛えないと｡
｢柚琉くん起きたんだって？気持ち悪くはない？｣
｢…………今にも吐きそうです｣
主に神様のせいで｡
｢ちょっと待って!!｣
先生は慌ててバケツを用意した｡
｢っく…｣
｢頭うって気持ち悪くなっちゃったかな｡どこにも異常は見当たらないからこぶが治るまでちょっと痛いくらい…かな｣
｢…柚､気持ち悪いわね｡全部吐いちゃっていいのよ｣
母さんは僕の背中をさすってくれた｡
｢先生､吐き気止めって貰えます？｣
｢はい｣
｢うちの中では樹か僕達がついていればいいし…夏は柚に飛びつくの禁止ね｣
｢はぁい…｣
………あれ？
そういえば僕前にも飛びつかれて倒れかけた気がするよ？
その時は後ろに樹くんがいたから良かったけども｡