普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。

かーにゅ

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幼児編

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ぱち…目を開けると僕のお部屋の天井が見えた。
…やっぱり夏は絵、上手いな。
絵も運動も楽器も勉強もできるもん。
『はいすぺっく』だよね。
ほぉっと息を吐くと視界の下の方に白いものが見えた。
………マスク付けられてた。
今気づいたよ。
苦しくないってそういうこと?
でもここおうちだよね?
あれ?
僕まだ寝てるのかな?
「…ふっ」
確かに…息はしやすいな。
酸素いっぱい吸ってるからかな?
手をついて起き上がってみるとプチッと音がして何かが外れた。
…コード?
…あぁ、心電図のやつ。
なんか…僕のお部屋なのに病院みたいになっちゃった。
ベッドから足をおろし、鏡の前に立った。
…髪の色、1部分だけ変わっちゃった。
命の代償…かな?
これぐらいで済むならいいよ。
でもこれ僕に代償が来たってことは…神様?
ちゃんと仕事してるんだよね?
「…ふぁぁ…」
眠りすぎていたからかな…。
すっごい体痛いっ!!
今何時で何日なんだろ。
時計…どこだろ。
うわぁ…棚まで動かされちゃった。
どこにあるのか分かんないよ。
適当に歩いているとかくんと急に足の力が抜けて転んだ。
…むぅ。
「柚琉…様?」
ほんの少しだけ開いたドアからぴょこんと顔を出したのは…え、待ってこの子誰。
「樹兄様~柚琉様起きました~」
「柚琉様!?」
ばんっと開いたところにいたのは樹くんだった。
「…えへ?」
「…良かった…です。もう二度と…お人形のお世話はごめんですよ」
「おにんぎょうじゃない!!」
寝てただけだもん。
神様が時間とか色々おかしくしちゃっただけだもん。
「…柚琉様。ベッドから抜け出してはいけませんよ」
ひょいっと抱き上げられてベッドに戻された。
「いつきくん。その…ちっちゃいこは?」
「え?…あぁ。僕の従兄弟です。柚琉様につきっきりになってしまうので手伝ってもらおうと呼んでいたんです」
「…だれ?」
りんと言います。ほら、柚琉様にご挨拶」
「…りんですっ!!」
「ゆずるです」
…えと…樹くん?
もうマスクとその心電図のやつはいらないんだよ?
「…やっと元に戻せました。取らないでくださいね?」
…ふぇ。
なんで…。
「燐、旦那様達に連絡を」
「はいっ!!」
てててっと燐くんが駆けて行った。
可愛いな。
「燐は柚琉様と同じΩですからΩにしかない悩みなどは燐と話してくださいね」
「…そうなんだ。はずしていーい?」
「ダメです」
…これ邪魔。
ムズムズする。
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