普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です｡帰らせて｡

幼児編

179

｢ふにゃぁ…きもちいー｣
｢柚､熱くない？大丈夫？｣
｢らいじょーぶ…｣
僕はお風呂の中でも父さんにもたれかかって溶けていた｡
ちょっと熱いぐらいのお湯が1番気持ちいいんだもん｡
それにね､いつも入浴剤が入ってるの｡
ミルクの入浴剤!!
牛さんの容器に入っててね､この匂い大好きなの｡
母さん(前世)の匂いみたい｡
｢たまにはこうやって一緒に入るのも悪くないね｣
｢うにゅぅ…｣
｢聞こえてる？もしもーし｣
｢はにゃぁ…｣
｢…聞こえてないね｣
久しぶりにゆっくりお風呂に入れたぁ…｡
お湯はあったかいし父さんもあったかいし､父さんの匂いとミルクの匂いで…寝そう｡
｢柚､お風呂で寝るのはダメだよ？｣
｢…はっ!!…はやくでりゅ｡あいしゅたべてねみゅけしゃましゅ｣
｢はいはい｡じゃあ樹呼んで着替え手伝ってもらおうね｣
父さんは僕を抱き上げて､樹くんを呼んだ｡
｢お呼びでしょうか｣
｢柚の着替えをお願いできる？｣
｢かしこまりました｡では柚琉様､こちらへ｣
樹くんは下着とズボンを着せると僕を椅子に座らせて､肌着とシャツを着せた｡
｢髪乾かしますから熱かったら言ってくださいね｣
｢ふぁい｣
ゴーっとドライヤーで乾かされていく｡
熱くないし髪の毛引っ張らないから痛くもない｡
天使の輪…だっけ？
今日もぴかぴかしてる｡
樹くんが毎日お手入れしてくれるからかな？