普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です｡帰らせて｡

幼児編

大晦日｡大掃除だね｡

｢おおそうじー!!がんばるぞっ!!｣
｢はい｡では柚琉様は3階にいてくださいね｣
｢…え？ぼくもおそうじする｣
｢ダニアレルギーでしょう？ホコリも吸い込んでしまうかもしれませんし…3階にいてください｡あそこなら普段から徹底的に掃除をしていますから大掃除の必要もありませんし｣
｢え…あの…｣
僕は3階のお部屋へ追いやられた｡
僕も大掃除…参加したかった｡



｢よし!!｣
3階のお部屋でもできるお掃除してみたの｡
探してみたらね､ほうきと雑巾と新聞紙とバケツ見つけたの｡
新聞紙って窓拭きに役に立つんだよね？
｢がんばるぞー!!｣
まずはバケツに水を………水を……入れたかったなぁぁ!!
…踏み台探してこないと…｡
何か箱でも大丈夫…なはず｡
えっと…また物置行かなきゃ｡



｢あったー!!｣
なんか木の踏み台があった｡
サイズがぴったりなのは……なんでだろう｡
｢おみずいれた｣
次は運ぶ!!
僕はバケツを持ち上げて…ひっくり返した｡
バッシャーン｡
あぅ…雑巾…｡
びたんっ!!
ついでに転んだ｡
｢いたい…｣
でも誰も来ないってことはそれだけ下が忙しいんだよね？
僕も早くお掃除しなきゃ!!
すぐに立ち上がり､雑巾を手に持って床を拭いた｡
｢…ふきふきたのしいな～♪も～いっかいおみずい～れて～♪こんどはすくなめ､ふふふふふ～ん♪｣
バケツの10分の1ほどの水なら僕でも運べそうだった｡
少ないけど…足りなくなったらまたつぎにくればいいや｡
よいしょっ｡



｢まどふきふふふ～ん♪たのしいな～♪｣
背が足りなくて～椅子を使ったの気にしない～♪
｢…そういえばあれからはつじょうききてないなぁ…さんかげつにいっかいなんだよね？｣
もう…5ヶ月は経った気がするよ？
僕…おかしいのかな｡
｢まぁとにかくおおそうじ～♪ま～どのよごれをふきとって～♪ふきふきふきふき､ふふふのふ～ん♪｣
新聞紙を使ってふきふきふき～♪
ついでにサッシもふきふきふき～♪
｢おおそうじは～たのしいな～♪｣



｢柚琉様､下の掃除が終わったので………｣
｢いつきくん!!みてみて!!ぼくまどふきできた!!｣
｢できたではありませんよ!!なんですかその格好は!!何故そんなに濡れてるんですか!!｣
｢あ､おみずこぼしてそのうえにころんだから…｣
｢…ではその腕や足の擦り傷はその際に？｣
｢たぶん!!｣
｢…髪の汚れは？｣
｢ふにゅ？…しんぶんしばらまいたときかな？｣
｢すぐにお風呂に入りましょう!!そのあと手当てです!!｣
｢…はぁい｣
大掃除してただけなのに…｡