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幼児編
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前回に引き続き直人視点
「…ちょっとは下がったね」
柚の額に手を置き、簡単に熱を測った。
「…にぃしゃ…おにゃか」
「お腹すいた?何か貰ってこようか」
「…おかゆ」
「わかった………柚、離してくれないと指示も出せないよ」
「…やだ」
何この可愛いわがまま柚は!!
ますます家から出せないよ!?
「…仕方ないか」
僕は耳につけた通信機に触れた。
「あ、緋彩。おかゆ頼める?卵の代わりに梅干し入れて」
「ふにゃ!?」
後ろから柚の声が聞こえたが指示はそのままだ。
『かしこまりました』
「よろしくね」
「ふにゅぅ…うめぼしぃ…しゅっぱい…」
「たくさんは入れないよ?ちょっとだけ」
「ちょっとでもしゅっぱいの」
…柚ってこんなに梅干し嫌いだっけ?
いつもはわがまま言わずに食べるのに…。
熱で弱気になって甘えん坊になったかな?
いつもその方が嬉しいんだけど。
しばらくすると緋彩がおかゆを運んできた。
「ごめんね、雑用頼んで」
「いえ」
おかゆを置くとすぐに出ていった。
「…いまの…」
「緋彩。僕の従者だよ。この時間帯はこの本家で仕事してるんだ」
「ひい…りょ」
惜しい。
でも可愛い!!
「さ。おかゆ食べようか」
「あー」
柚は餌を待つ小鳥のように口をパカッと開けて待っていた。
食べさせろって?
…可愛いなぁ全く。
「はーやーきゅ!!」
「待って、今冷ますから」
適温になるまで吹いて冷まし、柚の口元へ運ぶ。
「ん…おいひ。もっと」
「垂れちゃってるよ。お口拭こうね」
「ん~」
ハンカチで口元を拭いてもじっとしている。
…熱を出した柚は危険だ。
全部人任せって…こっちは嬉しいけど他の人の前は嫌だ。
「…ちょっとは下がったね」
柚の額に手を置き、簡単に熱を測った。
「…にぃしゃ…おにゃか」
「お腹すいた?何か貰ってこようか」
「…おかゆ」
「わかった………柚、離してくれないと指示も出せないよ」
「…やだ」
何この可愛いわがまま柚は!!
ますます家から出せないよ!?
「…仕方ないか」
僕は耳につけた通信機に触れた。
「あ、緋彩。おかゆ頼める?卵の代わりに梅干し入れて」
「ふにゃ!?」
後ろから柚の声が聞こえたが指示はそのままだ。
『かしこまりました』
「よろしくね」
「ふにゅぅ…うめぼしぃ…しゅっぱい…」
「たくさんは入れないよ?ちょっとだけ」
「ちょっとでもしゅっぱいの」
…柚ってこんなに梅干し嫌いだっけ?
いつもはわがまま言わずに食べるのに…。
熱で弱気になって甘えん坊になったかな?
いつもその方が嬉しいんだけど。
しばらくすると緋彩がおかゆを運んできた。
「ごめんね、雑用頼んで」
「いえ」
おかゆを置くとすぐに出ていった。
「…いまの…」
「緋彩。僕の従者だよ。この時間帯はこの本家で仕事してるんだ」
「ひい…りょ」
惜しい。
でも可愛い!!
「さ。おかゆ食べようか」
「あー」
柚は餌を待つ小鳥のように口をパカッと開けて待っていた。
食べさせろって?
…可愛いなぁ全く。
「はーやーきゅ!!」
「待って、今冷ますから」
適温になるまで吹いて冷まし、柚の口元へ運ぶ。
「ん…おいひ。もっと」
「垂れちゃってるよ。お口拭こうね」
「ん~」
ハンカチで口元を拭いてもじっとしている。
…熱を出した柚は危険だ。
全部人任せって…こっちは嬉しいけど他の人の前は嫌だ。
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