普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。

かーにゅ

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幼児編

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「うわぁ!!ひろい!!」
「柚、落ち着きなさいな。まず荷物を下ろしましょう?」
あぅ…興奮しすぎた。
語彙力どっかいっちゃったし…。
僕達は新幹線の座席に座った。
僕はもちろん進行方向を向いて、窓側の席にした。
…酔うからね。
吐いちゃうし。
んとね、席はこんな感じだよ。

進行方向↓
窓|僕、夏、母さん
窓|翔兄さん、直人兄さん、樹くん

「柚、気持ち悪くなったらすぐ誰かに伝えるんだぞ?」
「電車に乗るのさえ初めてだったもんね。…抱っこしててよかったよ」
はい…ここに来るまで電車に乗ってたんだけどね?
席がなかったから立ってたの。
ポール掴んでるから大丈夫かと思ったらカーブでよろけちゃったの。
そこから直人兄さんが心配してずっと抱っこしてたの。
周りからの視線が恥ずかしかった…。
「つかどこの宿取ったんだ?」
「うふふ。学生時代の友人がやってる宿があってね?そこの最上級のお部屋空けてもらっちゃった♪露天風呂付きでいつか行ってみたかったのよ~」
「…ちなみにその方の性は?」
「βよ。でも従業員はβとΩにしてるって言ってたわ。今どき珍しい偏見を持っていないβなの」
「よほど育ちが良かったんだね」
「なら柚が虐められることもないか」
なんで僕が虐められる前提なの?
いやまぁ虐められたけども。
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