普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です｡帰らせて｡

幼児編

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｢かあさん｡かあさん､はつじょうきなのにつらくなさそう｣
｢母さんのは熱っぽくなるというより瞳だけ色っぽくなるらしいのよ｡自分では分からないのだけどね｣
｢…へぇ｣
僕もそれがよかった｡
熱っぽいしだるくなるし｡
｢柚､母さんとしばらく旅行に行きましょうか？｣
｢どこいくの？｣
｢ん～温泉でどうかしら｡部屋にお風呂がついているところにしましょう｣
｢いく!!｣
お風呂好きっ!!
おっきいお風呂もだけど母さんと入ったことないもん!!
｢じゃあ準備しましょうね｣
｢…母さん､父さんはどうする気だよ｣
｢あの人は明日から北海道に出張だもの｡ちょうどいいじゃない｣
｢それ出張やめて残るって言い出すんじゃ…｣
｢さぁて｡樹達にも手伝ってもらうわよ｣
｢は､はい｣
僕は母さんと一緒に2階に上がった｡



｢きがえと…どくしょようのほんと…あと…タオル？｣
｢こちらに｡お小遣いも持っていかれてはいかがでしょう？｣
｢そうする｡おみやげかいたいもん｣
うん｡
ほぼ樹くんが用意してくれたやつだけど｡
｢ジュースとお菓子も用意致しました｣
｢あ､いつきくんもくるの？｣
｢えぇ｡荷物持ちになりますが｣
よかった｡
僕､迷子になる自信しかなかったもん｡
樹くんがいれば安心だね～｡